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『拾われた孤児、拾い主はまさかの退役軍人にして天才科学者』  作者: ティラピア池
第1章:平穏な日常

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第九話: 霧の向こうの本部

はじめまして、または再びこんにちは。今回もお付き合いいただきありがとうございます。


その夜、電話の騒ぎで宿全体がパニックになったあと、アラリックは私たち全員を居間に集めた。顔にはまだ隠しきれない興奮の残りが浮かんでいるが、努めて落ち着いた様子を装っている。


「子供たち」

主座に腰を下ろし、一人ひとりを見つめて言う。「父親は少し出かけなければならない。少し長くなるかもしれない」


「どのくらいですか?」鈴蘭が聞く。声は穏やかだが、瞳の奥には深い好奇心が宿っている。


「数週間。あるいは一ヶ月ほどだ」アラリックははっきりした期限を示さなかった。「直接対処しなければならない重要な用件がある」


「お父様が大声で叫んで、警備員たちを心臓麻痺寸前に追い込んだ用件ですか?」竜胆が悪戯っぽくにやりと差し込む。


アラリックは小さく笑い、後頭部を掻く。「……まあ、そんなところだ」


それ以上の説明はせず、私たちの頭を——僕も含めて——一人ずつポンと撫でてから立ち上がり、部屋を出て行った。好奇心だけが空気中に残された。


アラリックの車の音が庭から消えたあと、私たちは再び同じ居間に集まり、円を描くように座った。急に、いつもの空気より少しだけ真剣な雰囲気が漂う。


「で」竜胆が座布団に寄りかかりながら切り出す。「お前ら、お父様は本当はどこへ行ったと思う?」


「さっきの電話の様子からすると」鈴蘭が静かに言い、自分の膝を指先でトントンと叩く。「お父様の研究プロジェクトの一つでしょうね。大きなやつ」


「どのプロジェクト?」蛍が小さな声で、しかししっかりと聞く。「お父様は同時にいくつも抱えてるでしょ?」


「今回のは違う感じだ」影狼が普段通りの平坦な声で答える。珍しく、誰かに促されることなく議論に加わっている。「『何年も待っていた』と言っていた。俺の知る限り、結果が出ないままそんなに長く続いているのは一つしかない」


「どれ?」僕がようやく口を開く。好奇心をこれ以上抑えきれなかった。


四人の姉弟が一瞬顔を見合わせる。僕に話していいものか、測っているようだった。


「お父様は詳細を話したことはない」鈴蘭がようやく、言葉を慎重に選んで答える。「でも私たちが知る限り、大規模な防衛プロジェクトのようなものよ。成功すれば、多くのことを変えられると言っていた」


「何を変えるの?」と僕が重ねて聞く。


「そこは私たちも知らない」竜胆が、珍しく真剣な声で答える。「成功したら、自分でみんなに話すって、いつもそう言ってた」


部屋が一瞬、沈黙に包まれる。それぞれが自分の考えに沈み、遠くでアラリックが何をしているのかを想像していた。


「まあ」蛍がようやく沈黙を破り、小さな笑みで空気を和らげようとする。「大事なのは、お父様が無事に帰ってくることだよね。プロジェクトが何であれ」


全員が頷く。それでも、答えの出ない好奇心は宙に浮かんだままだった。


一方、静かな宿から遠く離れた場所で、アラリックの車は高速道路を疾走していた。前後を二台の護衛車が厳しく固め、長年の訓練が生んだ精密な隊列で進む。


窓の外の景色は劇的に変わっていく——緑豊かな山道から、賑やかな都市間高速道路へ、そしてやがて、巨大な施設の建物と高い通信塔が遠くまで並ぶ、はるかに産業的な別の街へと入っていく。


車列は、鬱蒼とした木々と高い塀に囲まれた広大な複合施設の前で止まった。外からは何の標識もなく、ただの工業施設にしか見えない。中に何が隠されているかなど、微塵も感じさせない。


アラリックが車を降りると、数名の護衛がすぐに三台の車を専用駐車場に整然と並べた。彼は足早に正面入口へ向かう。隠しきれない熱が、その足取りに滲んでいた。


分厚い鋼鉄の大きな扉の前で、掌をスキャナーに当て、続いて素早い網膜スキャンを受ける。重い機械音とともに、扉がゆっくりと開いた。


そして中へ踏み出した瞬間——


息が止まりそうになった。


眼前に広がる巨大ハンガーは、スポットライトの下で輝く壮麗な金属構造物で埋め尽くされていた。片側には、流線型で攻撃的なデザインの戦闘機が鎮座している。暗い表面には複雑な幾何学模様が走り、光を反射するのではなく吸収している。反対側には、巨大な軍艦が乾ドックに寄りかかっていた。その巨大な船体には、アラリックがこれまでこれほど完璧な形で実現したのを見たことのない武装システムとセンサーがびっしりと並んでいる。


「……素晴らしい」アラリックが囁く。瞳が感嘆に輝き、ほとんど小走りで二つの傑作へ近づいていく。


白衣を着た研究・開発部のスタッフ数名がすぐに駆け寄り、同じく誇らしげな顔を揃えていた。


「部長!」一人が敬礼して挨拶し、きちんと閉じられたノートPCを差し出す。「すべてのデータをまとめました。試験結果、詳細スペック、性能予測——すべてここに」


アラリックはほとんど震える手でノートPCを受け取り、素早く開く。画面に並ぶ一行一行を、何年もこの瞬間を待っていた専門家の速度で追いかけていく。


「これは……本当に成功した」呟く声が、信じられない気持ちと純粋な喜びに震えている。「あれだけの失敗を経て……ついに……」


「部長!」


遠くから、急ぎ足の声が、厳かなその瞬間を破った。


アラリックが顔を上げると、軍服姿の男が息を切らしながら駆け寄ってくるのが見えた。その表情は、先ほどまで部屋を満たしていた喜びとは全く異なる、張りつめたものだった。


「部長、失礼します」息を弾ませながら言う。「すぐに聞いていただかなければならない報告があります。今すぐに」

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