↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『拾われた孤児、拾い主はまさかの退役軍人にして天才科学者』  作者: ティラピア池
第1章:平穏な日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/69

第十話:かつて存在しなかった鉱物

はじめまして、または再びこんにちは。今回もお付き合いいただきありがとうございます。

アラリックは手に持っていたノートパソコンをゆっくりと閉じ、息を切らしてたった今到着した軍服姿の男へと、注意深い視線を向けた。


「アラリック大佐、今お聞きになりますか?」


男が尋ねた。


その声はなんとか平静を保とうとしていたが、隠しきれない緊張が滲み出ていた。


「もちろんだ」


アラリックが答えた。


その声のトーンは一瞬にして変わっていた——先ほどまでの喜びから、冷静かつ鋭いものへと。


かつて高位の軍人であった者が、決して失うことのない警戒心の表れだった。


「だがその前に、お前は誰だ?」


男は姿勢を正し、短く敬礼した。


「現地情報部隊所属、サガラ大尉であります、閣下」


アラリックは一度頷き、続けるよう促した。


「単刀直入に申し上げます、閣下」


サガラ大尉が続けた。


言葉を重ねるごとに、その声はさらに張り詰めていった。


「インドネシアの我が拠点で、定例の地質調査を行っておりました。まだ初期段階にあるはずの調査でしたが、地質研究班が予期せぬものを発見しました」


「予期せぬもの、とは?」


アラリックの眉が寄った。


「一種の鉱物です」


サガラ大尉は言葉を慎重に選びながら答えた。


「初期分析によれば——この鉱物は、これまでのいかなる鉱物研究の歴史においても、一度も記録されたことがないものです。我々が調べた限り、世界のどこにおいても」


一瞬、アラリックは黙り込み、その言葉を完全に咀嚼した。


その表情は徐々に変わっていった。


警戒から、もっと深い何かへ——普段はあれほど落ち着いている瞳の奥に、じわじわと不安が這い上がってきた。


「かつて存在しなかった、か」


彼は小さく繰り返した。


誰にというより、自分自身に向けて。


「そのデータは、すでに検証済みなのか?」


「我々のチームはすでに三度、再検査を行いました、閣下。結果は一貫しています。これは既知の鉱物の変種ではありません。まったく新しいものです」


冷や汗がアラリックのこめかみに浮かび、ゆっくりと伝い落ちた。


部屋は空調が完璧に効いており、涼しいはずだった。


それでも——長年、科学者にして軍人として鍛え上げてきた本能が、今聞いたばかりの言葉の意味を即座に理解していた。


これまでの歴史に一度も記録されたことのないものが、そのような発見を目的としていなかったはずの定例調査の最中に、あっさりと見つかった——それは良い兆候ではなかった。


それはつまり、その鉱物を、誰であれ手に入れた者が、世界中の力の均衡を、彼自身にもまだ完全には想像できないほどの形で変えてしまう可能性があるということだった。


そして、アラリックがこれまでの経歴を通して学んできたことが一つあるとすれば——希少で未知のものは、常に間違った者の関心を引き寄せるということだった。


「その鉱物は」


アラリックが言った。


声は今や鋭く、迅速だった。


先ほどまでの喜びの気配は完全に消え去っていた。


「直ちに退避させろ。今すぐだ。完全な護衛のもと、遅滞なく、我が国——日本の本部へ移送しろ」


「し、しかし閣下、通常の退避手続きには通常時間が——」


「標準手続きなど知ったことか」


アラリックが鋭く遮った。


その目は、周囲の者たちがめったに目にすることのない鋭さを帯びていた。


「これほど希少なものが、我々が完全に確保する前に間違った者の手に渡れば——その結果は、お前が想像できる以上に悲惨なものになる。これを移動させるのに、日単位ではなく時間単位で済ませたい」


サガラ大尉は姿勢を正し、素早く敬礼した。


「了解しました、閣下!直ちにこの命令をお伝えいたします!」


彼は振り返ると、部屋を飛び出す前からすでに携帯電話を耳に当て、可能な限りの速さで駆け出していった。


数分のうちに、先ほどまで戦闘機と軍艦プロジェクトの成功に沸き立っていた基地全体が、一変して組織的なパニックの渦へと化していった。


職員たちは右往左往し、通信用のスクリーンが一斉に点灯し、様々な部門の緊張した顔が次々と映し出された。


施設の廊下全体には、低いレベルの警戒サイレンが静かに鳴り響き始めた。


アラリックはその混乱の真っ只中に立ち尽くしていた。


先ほどまであれほど誇らしげに掲げていたノートパソコンは、今や手の中で握りしめられたまま、はるかに大きな緊急事態によって完全に忘れ去られていた。


冷や汗はまだこめかみを伝い続けていた。


そして、先ほどの吉報で子供のように歓声を上げていた時から一転、アラリックの顔は今、隠しきれない純然たる緊張に満ちていた。


ある一つの考えが、彼の頭の中で何度も何度も渦を巻いていた。


秒が過ぎるごとに、その切迫感は増していった。


これほど特別な鉱物が、偶然にもあっさりと発見されたのなら——外の世界には、それを意図的に探し求めている者が、他にもいるのではないか?

少しでも「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけたら、ページ下部の**【ブックマークに追加】や【評価(★★★★★)】**をいただけると嬉しいです!

皆様の応援が執筆の大きな励みになります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。