第十一話: 新年に向かって
はじめまして、または再びこんにちは。今回もお付き合いいただきありがとうございます。
アラリックが旅立ってから数日が経ち、家の空気は再び穏やかに戻っていた。あの謎めいたプロジェクトへの好奇心は、時折会話に顔を出す程度だ。
その日の午後、私たちはいつものように居間に集まり、厚いカーペットの上で円を描くように座り、エツコの淹れた温かいお茶を楽しんでいた。
僕はゆっくりと茶をすする。影狼が優雅にカップを持つ仕草を真似しようとしているが、まだまだ遠い。隣では鈴蘭が薄い本を読み、竜胆は床に仰向けになって足を交差させ、携帯をいじっている。
窓際に座っていた蛍が、突然立ち上がって居間の壁に掛かった大きなカレンダーへ歩いていった。
「え、ちょっと」彼女が呟き、指で日付の列を辿る。「もうすぐ新年だよ」
全員がその声に顔を上げる。
「マジか?」竜胆がすぐに上体を起こし、目を輝かせる。「もうそんなに近いのか?」
蛍が勢いよく頷き、カレンダーの角の大きな数字を指差す。「ほら、あと数週間しかない。二〇九九年が二一〇〇年になるんだよ!」
「へえ、世紀の変わり目か」鈴蘭が本を閉じ、微笑む。「本気で大きな新年を祝ったのは、ずいぶん前ね」
「絶対に大きな花火大会があるぞ」竜胆が立ち上がり、拳を握りしめて意気込む。「世紀の変わり目なんて、普段とは違う祝い方をするはずだ!」
僕は遠くからそのカレンダーを見つめた。彼らの言う新年の祝いが、どんなものなのかを想像しようとしていた。
本当の新年を、僕はまだ経験したことがない。かつての路上では、新年とはただいつもより少し寒い夜を意味するだけで、遠くで聞こえる花火の音を、見たこともないまま耳にするだけだった。
「ヒカル」鈴蘭が優しく呼びかける。まるで僕の考えを読んだように。「本当の新年を祝ったこと、ないんでしょう?」
僕は小さく首を横に振った。
四人の姉弟が一瞬顔を見合わせ、それから一斉に大きく微笑んだ——何か大きなことが起きそうな、あの種類の笑みだ。
「それなら」竜胆がいつもの過剰な勢いで僕の肩をポンと叩く。「今年は、お前の初めての本当に特別な新年にしてやる!」
「お父様に電話しなきゃ」蛍が突然割り込み、すでにテーブルから携帯を取って半ば走り出している。「お祭りにも誘おう!」
他の者の同意を待たず、蛍はすぐにアラリックの番号を押し、スピーカーモードにしてテーブルの中央に置いた。私たちは全員近づいて身を乗り出す。
数回の呼び出し音のあと、アラリックの声が聞こえた。少し疲れているが、いつものように温かい。
「もしもし? どうした?」
「お父様! お父様!」蛍が先に話し出す。普段あまり見せないほどの勢いだ。「もうすぐ新年だよ! 二一〇〇年!」
電話の向こうから、小さな笑い声が聞こえた。「ああ、そうだったな。忙しすぎて忘れていた」
「お父様も一緒に祝いに帰ってこなきゃダメだよ!」竜胆が、まるで見えるかのように携帯を睨みながら加わる。「大きな花火大会があるんだから! 世紀の変わり目だぞ!」
「もちろん」アラリックの声が、子供たちの熱に触れて柔らかくなる。「そんな大切な瞬間を逃すつもりはない。ましてや、ヒカルにとって初めての、私たちと過ごす新年だ」
名前を呼ばれて、僕は顔が熱くなるのを感じた。それでも胸の奥は、うまく説明できない温かさで満たされていく。
「約束だよ、お父様?」蛍が、期待に満ちた声で聞く。
「約束する」アラリックがはっきりと答える。だが、その言葉の前に、ほんの一瞬の間があった——僕だけが気づいたかもしれない、ごく小さな間。いつもの確かな響きとは、どこか少し違うように感じた。
私たちは皆、その約束を聞いて歓声を上げ、これから先の祝いの計画を立て始めた——どんな服を着るか、お祭りで何を食べたいか、一緒にどんな遊びをするか。
その喜びの渦の中で、僕はテーブルの中央でまだ点いている携帯を見つめた。先ほどの小さな間のことを、少しだけ思い浮かべる。
気のせいだろう。
それ以上考えないことにして、僕は自分を新年の計画の温かさに沈めた。人生で初めて、本当に待ち遠しいと感じられる何かに。
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