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『拾われた孤児、拾い主はまさかの退役軍人にして天才科学者』  作者: ティラピア池
第二部:崩壊の始まり

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第46話 鋼鉄の巨獣VS現代型TG-5――最後の進撃

はじめまして、または再びこんにちは。今回もお付き合いいただきありがとうございます。

鋼鉄の怪物、P.1000の前方。


立ち込める煙の向こうから、一台の巨大な装甲車両が姿を現した。


その戦車は、これまで見てきたロシア軍の車両とは大きく異なる設計をしていた。


その名は――TG-5。


グローテ5を現代技術によって再構築した、現代型TG-5。


ロシア軍が保有する超重戦車を、現代の技術で再設計した車両だった。


サイズこそP.1000には及ばない。


それでも通常の主力戦車と比べれば、遥かに巨大な鋼鉄の巨体である。


そして今――。


二体の鋼鉄の怪物が、戦場の中央で互いに向き合った。


数秒間、どちらも動かなかった。


やがて――。


ほぼ同時に、両戦車の砲塔がゆっくりと動き始める。


「撃て!」


KRAAAM!!


両陣営から同時に砲弾が放たれた。


WHOOSH!


二発の砲弾が交差し、二両の戦車の間で爆発する。


大地が激しく揺れた。


TG-5は移動しながら、次々と砲撃を続ける。


対するP.1000も、遥かに巨大な主砲を撃ち返した。


BOOM!


直撃に近い衝撃を受け、TG-5の車体が大きく揺れる。


それでもロシアの超重戦車は、動きを止めなかった。


「止まるな! そのまま前進しろ!」


TG-5はさらに速度を上げる。


しかし――。


P.1000の後方から、複数のPANDEMONIUM戦車が姿を現した。


「敵の増援だ!」


「接近する前にTG-5を破壊しろ!」


PANDEMONIUMの戦車部隊が、あらゆる方向からTG-5へ砲撃を開始する。


KLANG! BOOM! KLANG!


TG-5は複数方向から攻撃を受ける。


だが、ロシア軍も黙ってはいなかった。


「特殊部隊、配置は完了したか?」


「完了しています!」


戦場周辺に展開していたロシア特殊部隊が、TG-5への支援を開始する。


彼らはP.1000そのものを直接相手にはしなかった。


代わりに、P.1000を支援しようとするPANDEMONIUMの戦車部隊を攻撃する。


WHOOSH!


木々の向こうから、一発の対装甲ミサイルが飛翔した。


BOOM!


PANDEMONIUMの戦車の一両が、動きを止める。


その直後――。


空から戦闘機の轟音が響き渡った。


VRRROOOOOOM――!!


ロシア軍の戦闘機が戦場上空を通過する。


「装甲車両を確認」


「攻撃を実行する」


WHOOSH!


航空攻撃がPANDEMONIUMの戦車部隊を襲った。


爆発と衝撃によって、敵の隊列が一気に乱れる。


「何だと!? 航空攻撃だと!?」


「散開しろ! 固まるな!」


戦況が変わり始めた。


それまで追い込まれていたTG-5は、ついに前進する隙を得る。


しかし――。


P.1000もまた、前進を続けていた。


ゆっくりと。


重々しく。


それでも、決して止まらない。


その目的は、ただ一つ。


日本に残された最後の政府中枢だった。


---


## ――その頃・日本の五都市――


P.1000とTG-5が激突している頃。


PANDEMONIUMは、日本の五つの都市に対して同時に大規模攻撃を開始していた。


日本軍とロシア軍は、すぐさま各地へ増援を送り込む。


しかし、そこで彼らは奇妙な動きを目にした。


PANDEMONIUMの部隊が、防衛線へ異常なほど接近していたのだ。


それどころか、両軍の距離を意図的に縮めている。


「待て……近すぎる!」


「大規模攻撃はするな! 味方まで巻き込むぞ!」


これがPANDEMONIUMが以前から使用していた戦術だった。


――Hug the Enemy。


敵軍に極端なまでに接近することで、日本軍とロシア軍が砲兵や航空戦力による大規模な支援を行いにくくする。


そして――。


BOOOOOOM!!


PANDEMONIUMの砲兵部隊が、防衛陣地への砲撃を開始した。


雲の向こうから爆撃機の編隊が姿を現す。


VRRROOOOOOM――!!


次々と爆弾が投下され、各地の防衛陣地を揺さぶった。


「敵機だ! 伏せろ!」


五つの都市で、兵士たちの叫び声が響き渡る。


日本軍とロシア軍の戦車部隊も反撃を開始した。


KRAAAM! KRAAAM!


しかし、遠方からはPANDEMONIUMの大部隊が絶え間なく前進してくる。


その数はあまりにも多かった。


まるで巨大な津波が押し寄せてくるかのようだった。


「止まらないだと!?」


「防衛線を維持しろ!」


「突破させるな!」


日本軍とロシア軍は必死に抵抗を続ける。


一部の戦車は対装甲兵器や対地雷装備による攻撃を受け、前線から離脱を余儀なくされた。


それでも、日本軍とロシア軍にはまだ防衛を続けられるだけの戦力が残っていた。


「ここで諦めるわけにはいかない!」


「できる限り時間を稼げ!」


戦場は、さらに混沌としていく。


やがて――。


日本軍とロシア軍の一部部隊に、新たな防衛線を構築するための後退命令が下された。


しかし、PANDEMONIUMの攻勢は止まらない。


数時間後――。


五つの都市が、ついにPANDEMONIUMの支配下へ落ちた。


日本軍とロシア軍は、やむを得ず後退する。


---


## ――P.1000――


再び、主戦場。


P.1000は、いまだに前進を続けていた。


しかし、その姿は戦闘開始時とは明らかに違っていた。


外装装甲には多数の損傷が刻まれている。


いくつかのシステムにも異常が発生していた。


巨大な車体の各所から、薄い煙が立ち上っている。


それでも――。


P.1000は止まらない。


その前方には――。


TG-5。


その後方には――。


ロシア特殊部隊。


そして上空には――。


ロシア軍の戦闘機。


さらに反対側からは――。


PANDEMONIUMの戦車部隊。


戦いは、最後の防衛線を巡る史上最大級の総力戦へと変わっていた。


WHOOSH!


再び航空攻撃がPANDEMONIUMの戦車部隊を襲う。


BOOM!


敵の隊列が大きく乱れた。


TG-5は、その隙を逃さず前進する。


だが、P.1000も砲撃を返した。


KRAAAAAAM!!


二両の巨体から、再び砲声が轟く。


TG-5が砲撃を回避する。


P.1000は、そのまま前進を続ける。


両者の距離が、少しずつ縮まっていく。


「この怪物を通すな!」


「TG-5、P.1000を食い止めろ!」


「了解! 必ず止めます!」


二体の巨大戦車が、再び互いを照準に捉える。


ロシア側のTG-5。


PANDEMONIUM側のP.1000。


そしてP.1000のさらに後方――。


日本最後の防衛線が、かすかに見えていた。


最後の政府中枢まで、残り数キロ。


P.1000の巨大なエンジンが、重々しい唸り声を上げる。


GRRRRRRRR――!!


そして、再び前進した。


どれだけ攻撃を受けようとも。


どれだけ多くの部隊が行く手を阻もうとも。


鋼鉄の巨獣には、ただ一つの目的があった。


最後の防衛線を突破し、日本最後の政府中枢へ到達すること。


その一方で、TG-5も再び主砲を向ける。


「ここで終わらせる」


P.1000もまた、巨大な主砲をTG-5へ向けた。


二体の鋼鉄の怪物が、次なる一撃のために静かに照準を合わせる。


――次回へ続く。

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