21話:怪しい香り
はじめまして、または再びこんにちは。今回もお付き合いいただきありがとうございます。
夜はすでにかなり更けていた。
時計が八時を回った頃、僕たち二人は簡易調理場で作業を始めた——折りたたみの小さなテーブルに、携帯用コンロ、そして事前に兵站チームが用意しておいた基本的な食材が並んでいる。
「僕も料理手伝うよ」
と僕が言い、鍋の一つに手を伸ばそうとした。
「いらない」
カゲロウが素早く遮り、先にその鍋を取り上げた。
「お前は皿洗いだけしてろ。料理は姉がやる」
僕は眉を上げ、少し疑わしげに聞いた。
「……本当に大丈夫?」
「もちろん」
彼女は短く答え、珍しく自信に満ちた口調だった。
「姉の料理は絶対に美味しい」
僕は素直に従い、汚れた調理器具を洗い始めた。
時折カゲロウの方を盗み見る。
コンロの前で忙しく動くその姿は、なかなか説得力があった——野菜を驚くべき速さで切り、鍋を専門的に見える動きでかき混ぜている。
数分が穏やかに過ぎた。
その時、突然、鼻が奇妙な何かを捉えた。
匂いはゆっくりと近づいてきた。
最初はかすかで、次第に強くなっていく——焦げた匂い、調味料と呼ぶには刺激が強すぎる何か、そしてなぜか錆びた鉄を思わせる臭いが混じっている。
僕はゆっくりと、カゲロウがかき混ぜている鍋の方を見た。
そして全身が凍りついた。
薄い煙が、料理の表面から立ち上っている。
その色は……普通の言葉では説明できない。
緑がかった黒か、灰色がかった茶色か。
数秒ごとに奇妙に膨らみ、まるで自分自身の意思を持っているかのようだった。
僕は沈黙した。
何も言えないまま、恐怖と畏敬が入り混じった視線を鍋に釘付けにしていた。
カゲロウは僕の視線に気づき、眉を上げて振り返った。
「その目は何だ」
平板な声で尋ねる。
「はぁ? ヒカル?」
僕は慌てて首を横に振り、無理に強張った笑みを浮かべた。
「べ、別に。ただ……姉さんの料理、美味しそうだなって」
その一文を言い終わるまで、息を殺した。
周囲に濃く漂い始めた香りを、絶対に吸い込まないように全力で耐えていた。
さらに数分——僕には何時間にも感じられた——カゲロウはようやく鍋を持ち上げ、皆が夕食のために集まっている折りたたみテーブルの上に、誇らしげに置いた。
完全な沈黙が、その料理の到着を迎えた。
リンドウ、スズラン、ホタルは目を見開き、顔を青ざめさせて鍋を見つめていた。
普段は余裕たっぷりで自信満々のワシオでさえ、ごくりと唾を飲み、こめかみに冷や汗が浮かび始めている。
「……ええと」
ワシオが気まずそうに咳払いし、ゆっくりと席から立ち上がった。
「ちょっと……トイレに行ってくる」
「私も——」
リンドウが立ち上がりかけ、明らかに逃げようとしていた。
「座れ」
カゲロウが鋭く遮った。振り返りもしないまま、すでに鍋の中身を空の皿に盛り始めている。
「先に食え。みんなが逃げたら、誰が食べるんだ」
全員がその場に固まった。
反論する勇気はなく、顔には——僕も含めて——この先に待ち受けるものを想像した冷や汗が浮かんでいた。
カゲロウが最初の皿を配り始めた、まさにその時。
遠くから足音が聞こえてきた。
かすかだが、はっきりと近づいている——一組ではなく、複数の足音が、キャンプ周辺の暗い茂みを抜けて動いている。
全員が一瞬で警戒態勢に入った。
体が緊張し、先ほどまでリラックスしていた手が、テント近くに置かれた訓練用の武器へとゆっくりと近づいていく。
足音はさらに近くなり、かすかな話し声が混じってきた——大人の声もあれば、僕たちと同年代の声もあり、まるで何かに引き寄せられるように動いている。
おそらく、カゲロウの料理から立ち上る、焦げて刺激的な香りだ。
なぜか、遠くまで届く非常信号のように感じられた。
スズランが最初に立ち上がった。
全身を警戒に固め、目を森の闇に向けて鋭くする。
「誰だ、そこにいるの?」
彼女の声が、急に重く感じられる夜の静寂を切り裂いた。
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