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『拾われた孤児、拾い主はまさかの退役軍人にして天才科学者』  作者: ティラピア池
第1章:平穏な日常

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第十九話: カマキリとサバイバル・ゲーム

こんにちは、読者の皆様。更新の本数がいつもより少なくなっている、あるいは短くなっている場合はご容赦ください。作者は数日間体調を崩しております。気長にお付き合いいただき、ありがとうございます。早く通常通りの更新に戻れるよう頑張ります。


朝の馬鹿みたいな遅刻で笑い転げながらの長い移動の末、私たちはようやく訓練用の森の入口に到着した。鬱蒼とした木々に囲まれた広大な一帯で、街の喧騒からは遠く、家の周りの整った庭とは比べものにならないほど新鮮で野性的な空気が満ちている。


アラリックは私たちと一緒に車を降り、荷物を下ろすのを手伝ったあと、別れと確信が入り混じったような表情で全員を見つめた。


「父親はすぐに街へ戻らなければならない」腕時計をちらりと確認しながら言う。「延期できない急用ができた。この訓練中は鷲尾が付き添う」


「俺に任せておけ」鷲尾が自信満々に胸を叩く。ただし、今朝の遅刻の責任が自分にあるだけに、少し気恥ずかしそうでもあった。


アラリックは頷き、私たち一人ひとりを、普段より深い眼差しで見つめた——まるで、去る前に全員の顔の細部をしっかり記憶に刻み込もうとしているかのように。


「しっかり気をつけろ」いつもの訓練の指示とは違う、柔らかい声で言う。「そして、鷲尾の言うことを聞け」


それぞれに短い抱擁を交わしたあと——僕もその一人で、こういう温かい抱擁を受けるたびにまだ少しぎこちなく感じてしまう——アラリックは車に戻り、もう一度手を振ってから、街へ向かう道の曲がり角の向こうに消えていった。


「よし!」鷲尾が手を叩いて注意を引く。「日が沈む前にテントを設営するぞ」


私たちは素早く動いた。鷲尾は昨日の気さくな印象とは違い、自然の中でははるかに熟練していて機敏だった。一時間も経たないうちに、いくつかのテントがきれいに片付けられた場所に立ち、今夜の焚き火用に簡単な石の輪も作られていた。


その忙しさの最中、僕の目がテント近くの茂みで動く何かを捉えた——かなり大きなカマキリが、体格ではるかに上のカブトムシと対峙している。


僕は静かにしゃがみ込み、注意深く観察した。


カブトムシが先に攻撃を仕掛けた。大きな角を小さなカマキリの体に向けて突進してくる。だがカマキリはパニックにも逃げにもせず、ただ静かにしていた——体をわずかに揺らし、鎌のような前脚を構えたまま、まるで相手の動きを一つひとつ読み取っているかのように。


カブトムシが十分に近づいた瞬間、カマキリが動いた。後退ではなく、驚くべき速さで横に滑り、正面からの攻撃を、肉眼ではほとんど追いきれないほどしなやかな動きでかわした。次の一瞬には、鎌の脚がカブトムシの弱点めがけて素早く薙ぎ払われ、はるかに大きな相手をぐらつかせ、後退させる。力ではなく、速度と正確さだけで勝ったのだ。


「……すごい」僕は独りごち、気づかないうちにいつも持ち歩いている小さなノートを取り出し、カマキリの動きを素早くスケッチしながら観察を書き留めていた。


力には力で対抗しない。タイミングを待ち、最大の精度と最高の速度で攻撃する。


あまりに観察に集中しすぎて、時間があっという間に過ぎたことに気づかなかった。


「ヒカル!」


遠くから竜胆の呼び声がして、ようやく我に返る。急いでノートを閉じ、腰の小さなバッグにしまい、声のする方へ小走りで向かった。


全員がメインのテント付近に集まっていた。鷲尾が中央に立ち、なぜか少し警戒したくなるような悪戯っぽい笑みを浮かべている。


「よし、これで全員揃ったな」鷲尾が一度手を叩く。「ここで最初のゲームの時間だ」


「ゲーム?」蛍が興味深そうに眉をひそめる。


「簡単だ」鷲尾が大きくにやりと笑う。「これから一時間、俺はこの森を歩き回る。お前たちの仕事は——俺の届かないところに、できる限り上手く隠れることだ。時間内に俺に見つかったら負け」


「それだけか?」竜胆が片眉を上げ、少し舐めたような声を出す。


鷲尾は笑い、自信に満ちた目でこちらを見る。「侮るなよ、お嬢ちゃん。この俺が元帥になったのは、この美男子の顔のせいだけじゃないんだ」


影狼は小さく鼻を鳴らしたが、すでに鋭い目で周囲の地形を分析し始めていた。


「これはただの隠れんぼじゃない」鷲尾の声が少し真剣になる。「本物のサバイバルだ——地形を読み、自然のあらゆる隙間を防護に使い、何より自分自身を制御して、敵に読まれる痕跡を残さないこと」


僕は唾を飲み込み、緊張と高揚が混じった鼓動を感じた。さっきのカマキリが、力ではなく忍耐と完璧なタイミングで生き延びた姿が頭に浮かぶ。


「時間は」鷲尾が大きくデジタル腕時計を掲げて言う。「今からだ」


そして彼は一瞬で深い森の中に消え、私たち五人は顔を見合わせたあと、それぞれが最善の隠れ場所を求めて散っていった。


僕は先ほどカマキリを観察した近くの茂みへ小走りで向かった。頭の中には、あのしなやかで計算高い動きの残像がまだ残っている。


落ち着け。我慢しろ。タイミングを待て。


茂みの奥に滑り込み、息を潜め、待つことにした。

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