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Anniversary~アニバーサリー~  作者: chie
Act1.探検に行こう!

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4

chie

「んもう、タイミング悪いなぁ!」

 くるっときびすを返し、美来は居間へとかけていった。

 う、美来ってば怖い。

 間違い電話だったりしたら、一時間は八つ当たりされるわよ~。

 そう思って北くんと顔を見合わせると、美来があたしを呼んだ。

「あんたによ♪」

 すっかりごきげんになってる。

 はて……この変化はいったい? まさか……。

「お嬢さん!」

「やっぱりー!」

 ボンッと画面に映ってのは案の定『ポチ』だった。

 ポチといっても別に犬ではない。日に焼けた浅黒い肌の二十歳の男性。

 パパの知人の息子なんだけど、彼の両親が亡くなって以来、五年間一緒に住んでいる"家族"なの。本名はポッセリアム・シスタル……んーと、後は忘れてしまうくらい長くて変わった名前の持ち主……。

 昔パパに恩があったとかで、なぜかあたしのことを"お嬢さん"て呼ぶのよね。

「なにがやっぱりです?! 私に黙ってお出かけになって!!」

「ごめーん。でもポチってば出かけてたでしょ? それで…… 」

「けっこうです」

 あたしの言い訳をさえぎって、ポチはにっこりと笑った。

 この笑顔! これに逆らえる人なんていないわよね、きっと。

 美来がいい例だもん。

「私もいまからそちらに行きます」

 げっ

「なんでぇ?」

「雪乃さま(つまりあたしのママ)から、そうするように言われたんですよ」

「どうして」

「何かいやな予感がするらしいですよ」

 ママってば心配性……。

「で、ママはいまどこ?」

「これからお友達とパーティーだそうですよ」

「あっそ」

 ママってば、言ってることとやってることが矛盾してるわよ!

「では今からそちらへ行きますから」

 そう言うと、極上の笑みを残してポチは消えた。

 あーあ。

「マリノ、どうしたの?」

 美来が不思議そうに聞いた。

「ポチが今から来るんだって」

 怒るかなぁと思いつつ言って、思わず座り込んじゃう。保護者つきの探検なんてさえないなぁ。

「あら、あたしはいいと思うわよ。ねぇ、真幸」

 へっ?

「そうだな。ポチなら俺も賛成」

 北くんまで……。

 ――まぁ、いいか。荷物半分持ってもらおっと。

 ピンポーン

 ポチが来た。

 あーあ、美来ってばニコニコしちゃって。ポチといる時に美来が怒ったところ見たことないもんなぁ。地下のこともすっかり説明しちゃって。

 ま、そんなこんなで地下へ向かうことにしたのだ。


   ★


 ピ・ポ・パ・ポ……

 美来の指がキーを押していく。


 そして扉が開いた。


 ――このときは夢にも思わなかったんだよねぇ。

 これがあの冒険の始まりだったなんて……。

 そして、これが……


 本当は計画されていたことであることも……

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