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maki
歩いて数分。角を曲がること五回。あたし達はあるひとつの扉にめぐり合った……。
「これはなんだ?」
上総が首をかしげる。今までの近代的(あたし達から見ればそうじゃないけど)なものに対して、突然現れた古いつくりの扉。かなりさび付いているらしく、ポチが押してもびくともしない。
上総とあたしも手伝って、何とかこのおんぼろ扉を開けた。
中にはつんとかび臭いにおい。見つかるといけないから、三人総がかりで中から扉は閉めておいた。
「――武器庫だ」
上総は息を飲んだ。
あたしは変なことに気づいた。
武器庫なんて、あたしの記憶の中には入ってなかった……。
「この武器を見ろ。五十年以上も前のものだ。どうやらここは旧区らしい」
あたしのなぞは上総によってあっさり解かれた。
リックの持っていた地図は最近のもので、アマカーテア軍成立初期に作られたセクションは、たぶん地図には入ってない。だからあたしの記憶にないんだ……。いつものあたしならこんなことわからないのに、あたしもなかなか鋭くなってきたのね。
「何ぶつぶついってんだ。早くこの武器を持て。なるべく軽そうなものを選んだほうがいい。それとこれは持っておけ」
上総はあたし達に黒いめがねを投げた。
「何……? サングラス?」
「赤外線スコープですよ、お嬢さん。赤外線は肉眼では見えませんから、これに頼るしかないんですよ」
といって、その赤外線スコープとやらをつけたポチのかっこよさったら!
「でも、どうしてこれが必要なんです?」
ポチは上総の後姿に問いかける。上総はあたし達に背を向けて、使えそうな武器を探していた。
「旧区はかなり危険らしい。今までは赤外線が貼ってある場所は大体推測できた。だけど、旧区については誰も詳しいことはわからないんだ。赤外線が貼ってないとは断定できないしな」
さて、と小さく言って、上総は立ち上がった。手には二、三個の銃らしきものを持っていた。
見たこともない旧型らしい。
今のBブロックに行くにはE内にある旧区を抜けなければならない……。




