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maki
「いっただきまーす!」
あたしはおもいきり口をあけてワッフルをほおばろうとした。その瞬間実に見事にTELがなって、あたしの野望(目の前のワッフルを食べること)は打ち砕かれたのよ!
あたしは仕方なくヘッドホン式のTELを手に取った。
TELの相手は北 真幸。あたしのクラスメートですっごくハンサムなやつ!
「明日美来が三人で遊びに行こうって言ってんだよね。マリノ、行く?」
美来っていうのは、北くんと同じくクラスメートであたしの一番の友達! あたしたち三人は仲がよくて、よくいっしょに行動してるんだ。
ああ、でも、もちろん北くんには男友達もいるよ、性格いいし。八方美人なのが、たまに傷かな。
「行く! どこに行く? スペースセンター? マウンテン・コース?」
あたしはとにかく外出が好き!! スペースセンターやマウンテン・コースは遊園地みたいなもので、もうちょっと過激なテーマパーク。(決して山登りではない)
もう、早く出かけたい。今日は特に一日中……でもないけどコンピュータとにらめっこしてたんだから!
「どこでもいいよ。どっちかってーとマウンテン・コースかな。で、課題は終わったの?」
北くんのひんやりした声。クールでどこまでもかっこいい。勉強はいつもトップだし、スポーツも万能なんだから、うらやましくて仕方がない。〝天は二物を与えた〟ってこのことよね。それに比べてあたしときたら……
「う、おわらない……と思ったんでしょ! 残念でした。おわったもん」
「へぇ、めずらしい」
悔しいことに、あたしは何も言い返せなかった。
どうせ。
「ごめんねーマリノ! あたしやっぱりダメだわ。行けないよぉ」
とつぜんの割り込みTEL。
北くんとみきは実はいとこ同士で、うちもお隣さん。
でも、地下はつながってるって話を一度聞いたような気がする。
でも、地下室は立ち入り禁止になってるから、美来たちは階段でさえ降りた事がないらしい。
で、このTELは北君の部屋と通じている美来からのもの。
「親がね、出かけちゃうからさ、家にいろって言うのよ。だからマサユキと今からうちにおいでよ。うちの地下室に行ってみない? 暗証番号がわかったのよ!」
「えー、でも立入禁止なんでしょ、まずくない?」
内心うきうきしつつ、それを抑える。
「何言ってんだよ。俺大賛成。絶対行く。マリノは行かないの?」
顔に似合わず冒険好きの北くんの言葉に、あたしは少し迷ったけど「行く!」ってOKの返事。
テーブルの上のワッフルは、どんどん話が弾んでいくあたしたちとは反対にどんどんさめていった……。




