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chie
一見華奢なイメージの十八歳の少年で、やわらかそうな茶色の髪をさらっとゆらし、同じ色の目を少し細めている。
美来はさりげなくその手を払ってポチとリックの後ろへと避難した。
リーとケイ。救出といっても、二人の場合、捕まりかけたところをひろってきたと言ったほうが正しい。
捕らわれていたのは三人。
まず、トニー・エリック・ヘクター、十七才。
無口な錆色の髪の少年。
その隣で銃の手入れをしているのがダンことダニエル・ストレール。
反乱軍最年長の二十五才。筋肉の塊のような体に、硬そうな黒髪と同色の目。
美来は正面に目を移した。
このにこやかに落ち着き払っている、金髪のお兄さんがここのリーダー。レットことアルフレット・シュナイダー。二十二才。アクアマリンのような目が、少し冷たい感じ。
そしてもう一人のメンバー上総は……マリノと一緒に捕まってしまった。
いったいマリノってば何しに行ったのよぉ!!
心配がつのって、怒りに変わりかけたイライラがつのる。
「美来……」
真幸が美来のそばに着たが、美来はすばやくポチの後ろに隠れてしまった。
いま真幸の顔を見たら怒鳴りつけてしまいそうだった。
どうして一人で逃げてきたの!! どうしてマリノをおいてきたの!!って。
――わかってる。真幸のしたことは仕方がないことだし、たぶん正しい。マリノをおいてくるのが一番つらかったのは真幸本人。でも……でも……。
「美来さん……」
ポチが美来をつれて、そっとそこを離れる。
「お嬢さんたちは大丈夫ですよ」
そういってにっこり笑うポチを見ると、不思議と心が軽くなる。
「悪い予感はしないんです」
本当は一番心配で、どうしようもないくせに……。
「うん……大丈夫よね」
少しだけ微笑する。
そして、本人が聞いたら怒り狂うであろう事を美来は言った。
「マリノは鈍感で能天気だから、捕まっても結構楽しんでるわよね」
side★MARINO
「は……は……はっくしょん」
あたしは続けて二回もくしゃみをしてしまった。
「寒いのか?」
上総がふと目をあけて聞いた。
「ううん、別に。どちらかって言えば快適だよ」
あたしはソファに座りなおし、さっきテーブルに出てきたチョコレートをひとつ、口の中に放りこむ。テーブルから食事も飲み物も配給される仕組みらしく、この部屋には誰も入ってこない。
どうせならテレビぐらい置いといてくれればいいのにさ。ひまで仕方ないわよ。
ここにいてわかったことは、どうやらこの部屋が移動してるらしいって事。最初はわからなかったんだけど、基地の中をまるでパズルゲームみたいに部屋が動いてるみたい。これってどうゆうことなんだろう? でも、これじゃ、助けに来てもらえないような気がする……。
ところで、誰かが噂をしてるとくしゃみが出るって、昔おばあちゃんが言ってたっけ。
マリノは可愛いなんて、誰かが噂してるのかな♪
out★side
「助けに行かないってどうゆうこと!」
美来はレットにつかみかからんばかりの勢いで怒鳴りつけた。
それを制してダンが口を出す。
「助けに行かんとは言ってないだろう。いけないんだよ、お嬢ちゃん」
「どうして」
「罠だとわかってて、みすみす行くわけにはいかんだろう。俺だって、弟分の上総を助けたいのは山々なんだ」
そういって、ダンは美来の頭をポンポンと優しくたたいた。
思わず美来はしゅんとする。……みんな同じなんだ……。
「とにかくいまはダメなんだ。――連邦軍が動き出し始めている」
レットは指を組んでその上にあごを乗せる。
「だがチャンスはある。三日後、連邦軍がアマカーテアを訪れる。その時だ」




