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maki
上総さんが困ったような顔をした。
「いい考えだけど、裏道ってのは表以上に複雑だぞ」
「下手に動くのはかえって危険だぞ。迷ったってポチは迎えに来ないよ」
北くんもとがめるように言う。
「迷わない! 絶対に大丈夫」
あたしはそういって、二人に背を向けて歩き出した。慌てて北くんが追いかけてくる。
「どうしたんだよ、むきになって」
「むきになんかなってないよ」
チラッと後ろを見ると、北くんと上総さんが顔を見合わせてため息をつき、黙ってあたしの後についてきた。
何度か角を曲がり、階段を上って下って……あたしはあたしの頭の中に入ってる地図をたどっていく。
でも上総さんにはあたしが遊んでるように見えるらしく、時々何か言いたそうにしたけど、北くんがそれを止めてくれた。
「俺にもよくわからないけど、とりあえずマリノを信じてください」
あたしはそれがとても嬉しかった。たくさん特技を持ってるみんなに追いつきたい。あたし一人置いていかれるのはイヤだもんね。だから今、とりあえずでも信じてもらえたことがとても嬉しかった。
今度はとりあえずじゃなく、全面的に信じてもらえるようにがんばらなくちゃね。
あたしは気合を入れなおして、珍しく細心の注意を払って目的地へと進んでいった。
それから十分ぐらいたったかな。
目的地の扉を見つけた。
そぉっと重くて冷たい扉を開ける。でも実際はギギーッて不快な音が響いて、ぜんぜん「そぉっと」じゃなかったんだけど。
中をのぞきこんで、上総があたし達にOKのサイン。それを合図に左右を警戒しながら中に滑り込む。
「無事に着いたみたいだな」
その言葉にあたしはにっこり笑った。
よかったぁ。
「あ、マリノ。その辺のものかってにひろって食うなよ。食べるならリックの所に戻ってからだからな!」
北くんの言葉に上総さんがふきだした。
「た、食べないよ!」
「あ、図星だな」
「ちがうよ。ただおいしいのかなぁって思って……」
あせって弁解するあたしを見て、北くんは声を抑えて大笑い。
それを見て上総さんが
「おまえたち、ホント仲がいいんだな」
笑ってた北くんも、文句を言ってたあたしも途端に黙り込んでしまった。
照れてしまうなぁ。
「さて、俺たちはさっさと自分たちの仕事をしようぜ」
北くんはいそいそとリュックタイプの大きな袋に食料を詰めだした。
うん。これでしばらくは食料の心配はなくなるわね。




