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maki
「もちろん。だてに『よけいな物持ちマリノ』とはいわれてないよ」
ガッツポーズをとって言うと、リックは爆笑してしまった。
「あれぇ? もうおきてたの、マリノ」
おきてきた美来が素っ頓狂な声をあげる。
「うん、今日は珍しく早起きでしょう。もうみんなおきてるのかな」
って、あたしが聞いてるのに、美来ってばリックに何か話し掛けてるし。
なによ! あたしよりリックのほうがいいって言うの?
「だって、どうせならかっこいいリックのほうがいいじゃない」
後で身支度をしながら美来はすましてそう言った。
そ、そりゃそうだけどさぁ。
「さて、マリノ準備終わったの? あたし先に行くわよ」
「やだ、まってよぉ」
★
「あっちの遠くに見えるのが正規軍の基地。手前に見えるのが私兵軍の基地だ」
リックがそれらしき建物を指しながら説明してくれる。
「正規軍は、アマカーテアの正式な軍隊だ。私兵軍はほとんどが傭兵でなりたってる。正規軍にも傭兵はいるんだけど、一年とか半年とか、軍と結ぶ契約期間が短いから、傭兵の正規軍志願者は相当の実力を要するんだ。私兵軍は来るもの拒まずだけどね。俺は私兵軍だったよ。私兵軍と正規軍は仲が悪くてね……」
「どうして?」
「正規軍てのは、いわばエリートでね、私兵なんて捨て駒程度にしか思ってないわけ。かなり差別されるんだよ……」
消えた語尾からは、それがどんな扱いなのかは読み取ることができなかった。
「その結果が俺たち反乱軍てわけ……」
リックは目を細めて正規軍基地を眺める。
簡単に人を撃ったり、人の意識を操作したり、それは人間に対する扱いではない。それだけは確かだよ。
「ここからは二手に分かれよう。俺とポチと美来はこのまま進む。真幸とマリノは地下道を。集合は三時間後だ」
「了解」




