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maki
「じゃあ、助けに行くんですね」
北くんが落ち着いた声で言った。
あたしも美来も他人事とは思えなくて、どうしていいかわからず二人で意味もなくうろうろしている。
「当然」
リックが笑ってそう答えたので、あたしは少し安心した。
「さ、腹ごしらえでもするか」
リックは引き出しからパンを五、六個持ってきた。
「腹減ったろ。食えよ」
無造作に置かれたそれを、あたしは遠慮なく食べ始める。
「それにしてもお前らどこから来たんだ?」
思わず動きが止まってしまう。
未来から来ました。しかも火星から、なんて言えるわけがなかった。言ったって信じてもらえるはずがないもの。
「ま、いいか。言いたくなきゃ言わなくていいさ。それ食ったら寝ちまいな。シャワーとベッドは隣の部屋にあるからそれを使ってくれ。言っとくけどベッドは客用じゃないぜ」
「ベッドで寝られるだけで十分さ」
北くんは最後の一口を飲み込むとそう言って、残ったお菓子と荷物を持って部屋を出た。
「リックは寝ないの?」
「ああ、まだやることがあるからな。仲間から連絡があるかもしれないし」
「一人じゃさみしいでしょ。一緒に起きててあげようか?」
「ばーか。寂しいわけないだろ。俺の心配よりマサユキの心配でもしてな」
なんでよ?
「俺のそばにいるとマサユキが怒るんじゃないか?」
ニカッと笑われてムッとする。
何か言い返そうとしたんだけど、ちょうど北くんに少し怒ってるような声で呼ばれ、美来に引っ張られる形で隣の部屋に入ると、かすかにリックの笑い声が聞こえてきた。
なんなのよぉ、いったい。




