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chie
それにしてもすごいなぁ、ここ。壁のほうにあるコンピュータなんて、博物館にでも置いてありそうなものだし、ロッカーらしきものなんて、カギが壊れてるらしく手動になってる。
「そんなに珍しいか?」
ぎくっ。そんなにものめずらしそうに見てたのかなぁ。
チラッとリックを見ると、彼はにっと笑って、
「まっ、女の子にはちょっと荒っぽい部屋かもな」
と言った。
「そんなこと、ないと思うわ」
と美来。
「ここって男の人しかいないの?」
とあたしが聞くと、リックは一枚の写真を見せてくれた。
わぁ、平面フォトだ。この頃ってまだ立体写真てなかったんだっけ?!
写真に写っているのは、合計八人。
うーん、個性の強そうな人ばっかりだなぁ。――あ、一人だけ女の子。
「ねぇ、このコも仲間?」
「ん? ああ、俺の妹。ロティーっていうの。シャルロット・ウィルソン。なかなか美人だろ」
最後の一言を聞いたとたん、ポチと北くんがにゅっと顔を突っ込んできた。
「とてもかわいいですね」
と、ポチ。続いて北くんも
「天使みたいだな」
二人の言葉に、リックはそうだろそうだろとうなずいて笑った。
あたしと美来はチラッとお互いを見た。なんか面白くないと思っちゃうのはなんでだろうね? って。
「ロティーをシェルターに避難させてからは、ここは男ばっかだよ」
男ばっかねぇ……。
「ああ、心配しなくてもいいぜ。俺らガキには興味ないし」
ニヤニヤしながらリックが付け足す。
別にそんなこと心配してないけどさ。
あ、そう……、なんか複雑。
それにしてもロティーって本当にかわいい。
年はあたしと同じくらいか、少し上かな。
リックが二十一歳って行ってたから、二十歳前だね。美人なんだけど、きれいって言うより、かわいいって感じ。ちょっと日焼けしてるものの、それでも白い肌。リックの茶色がかった金髪に比べ、やわらかそうにクルンとした淡い金髪。目はリックと同じグリーン。セミロングの髪とボーイッシュな服装が、かえって女の子らしく見える。北くんじゃないけど、本当に天使みたい…。
隣でジーっと写真を見ていた美来が、一人の男の人を指差した。わお、かっこいい。
二十歳ぐらいかな。
「ね、この人は?」
「おまえらと同じ東洋人だよ。名前は上総……」
「上総……」
それっきり、美来は何かを考え込んでしまった。
一目惚れでもしたのかしら?
「お嬢さん」
ポチが耳元でささやきかけてくる。
「この上総って人、誰かに似ていませんか?」
「そお?」
ジーッと見てみたけど、ぜんぜん思い当たらなかった。第一、二百年前に知り合いなんていないもの。
そんな間抜けなことを考えていると、突然後ろのコンピュータがビービー鳴り出した!
びっ、びっくりしたぁ。
リックが慌ててスイッチをONにすると、こちらが返事をするかしないかの内に、切迫した声が飛び込んできた。
「大変だ! ダンたちがつかまった!」




