花売りエレンと○ザンパーク
「色々質問させて頂きますが――」と陸奥六郎が切り出して来た。
「この竹水徳兵衛氏とかいう後藤三世さんに負けず劣らずのキテレツ系山師風の男が運営する、○算パークってどうなんですか? 不動産物件として、若者の危険ドラックが飛び交いそうな巣ですか? それとも乱交パーティー系ですか? それとも、本当にマジなオタクの集い場ですかね?」
後藤三世が真面目に答えようとするが、質問の意味がわからないようだ。「竹水徳兵衛氏も○算パークも知りませんでしたが、○ザンパークって。もともとの言葉は、○山泊じゃないのですか? 『○山泊:かつて活動していたパチプロ集団。またはパチンコ攻略法で知られる情報提供会社』だとすると、私の範疇ではないですね。陸奥六郎さんのほうがお詳しいのでは? それと、ギラリトキンザン、詳しくはスクリオさんに丁寧に聞かないとわかりませんが、一般的には坪単価五万だと普通の人は考えるでしょう。ところが、ここはカテゴリーが超が六十六個プラス六個も付く森さんも驚いて火が付いたタバコを落として仕舞う程の劇一等地になりますので、階数によっても坪単価は異なることになると思います。恐らくは、最低でも坪単価二十万はすると思います。なので五十坪なら、月一千万ボッタクリ円はかかると見て良いでしょう。あとは、値札の無い寿司屋みたいに超時価なんで、オーナーのスクリオさんとの直談判交渉になってきます。恐らくスクリオさん側は絶対的な権力の元、テナント選択権がありますので、業種や資本金、販売実績、何店舗目の出店か等など、ハードルはかなり高いでしょう。一般的には、初出店や個人店舗は思い切り蹴られます。空きテナントが出たときのエントリーは、実は空きテナントがない今からでも充分に交渉可能です。スクリオ不動産に電話して、業態はこうこう、必要坪数はこうこう、階数は何階希望とか、毎月の売上予想などを交えながら坪単価とか、テナント坪数を聞いていきます。これは陸奥六郎さんなら容易だと思います。相手も喜んで話をするはずです。運が良ければ、イベントスペースなら期間限定で貸してくれるかも。です。ちなみ私のいる会社が取り扱っているビルは、イベントスペースといえども、資本金、実績の審査があります。高級ビルなので審査が特別に厳しいのです」
後藤三世が更に続ける。「ちなみに連絡先ですが、スクリオ不動産株式会社の社長室でも良いですが、ここで、かなり厳しいスクリーングが想定されますので、いきなり営業部にかけるのがいいでしょう。営業部は、一応ガツガツしていますから話を聞く人が必ずいます。これは毎回時間を変えて電話していればいつかは誰か聞いてくれる人に当たって、話を聞いてくれますので、是非トライしてみて下さい」
陸奥六郎が今日に限って、珍しく機嫌良く返事をした。「スーパー回答、誠にありがとうございます。相場とリアル賃料が分かればサイコーですね。 でも、当社が借りるなんて、あり得ません。そんな場所に出店するのは、宣伝広告です。儲けている会社の。地図なら売れなくて、ブライダルペーパーアイテムなら、バカみたいに売れるんでしょうか?」
「私が懇意にしているメガネ屋の社長の話は参考になります。『物販なら、やはり、何を売るか、どこで売るかで決まる』だって。私の会社が以前扱っていた旧式の亜空間通信用スマホ端末や超小型プリンタは、どこで売ろうとも勝目無しだそうです」
「スーパー回答、ありがとうございます。明日、そちらに飛ぶ事になりました。夜、都内でボー年しますか? どこに何時なら来れますか? ヒフ民は、惑星新橋で惑星広島のシルバー軍団のアテンドで忙しいようです。それより、惑星横浜のお花屋さん、エレン女史でも誘って、スペシャルプレイでもしますか?」
後藤三世が相変わらず、慎重そうに答えた。「年末の勢いがついていて、早上がりできるかどうか微妙です。惑星ニュー横浜ステーションに夜七時とかなら対応可能です。忘年会良いですね。何とか都合つけたいです」
「すみません、惑星横浜は無理です。やはり、ヒフ民オススメの大地、惑星新橋です。惑星ニュー横浜ステーションから惑星スペース泉岳寺駅まで超高速星間連絡鉄道リニアに乗って来てください」
後藤三世は、『超高速星間連絡鉄道リニアを使え』なんて叱責風に言われたので、嫌な顔をしながら「花売りエレン女史、まじに呼んだら良いじゃないでしょうか。『陸奥六郎総裁がわざわざ、エレン女史の神々しいお顔を拝見するために、はるか九州星雲から上アステロイド中します』は、良い誘い文句じゃないですか? 何時位スタートがご希望ですか?」
勢いに乗る陸奥六郎が答えた。「あんな馬面は、元社長に献上しておきます。今回惑星横浜は無理です。そんなに元気なら、後藤三世さんのユニファウストジュニア社が倒産した時に辣腕弁護士に奪われたと言う、元は私のモノだった自立呼吸型超四次元立体世界地図をリサイクル屋から回収して来て下さいよ!」




