思考力
奇抜なキャラは、笑いの素質がある?
昨日は部の親睦食事会として、近くのファミリーレストランで談笑した。普段、会話の少ない一年と部長や工藤達との会話も弾み、楽しい一時となったのだった。
「じゃあ、みんな! 今日のテーマは、昨日食べた料理にしよう。味付け、彩り等を思い出して、ヨダレの滴る美味しそうな絵を描いてくれても良いし、どう見ても本物そっくりの料理の彫刻を作ってくれても良い。昨日の記憶を頼りに、今日もここで楽しもうじゃないか」
工藤の掛け声と共に、絵画に向き合う部員、粘土をこねる部員、石の塊を削っていく部員と、それぞれが自分の得意分野にあった作品に手をかけていく。
各部員達の作品を順に眺めながら、工藤は一つの不安を拭いきれなかった。
『橘君は、何を作っているのだろう……』
心配が杞憂であるようにと願いながら、橘の作品を眺める工藤。しかし、工藤の思いは杞憂であり、橘はカンナで石を削りながら食べ物らしき物を作っている。
『橘君。よかった……。君もやれば出来るんだね』
胸を撫で下ろした工藤が、他の部員達の作品を見て回って橘の所に戻る途中で「出来たぁ!!」と橘の声が聞こえた。
『ぇえ! もう!?』
そんな思いの中橘の作品に駆け寄る。
そこで見た驚愕の作品に工藤は言葉を失った。
「た、橘……君?」
「あ! 工藤先輩! 美味しそうでしょ!?」
確かに美味しそうに盛り付けられたその作品は、真っ赤な光沢と共に皿の上に乗っている。
「橘君……。こ、これは?」
「工藤先輩、伊勢海老知らないんですか? ロブスターですよ? 知ってますよね?」
橘の言葉を聞きながら、『昨日、君は何を食べたんだ……』と肩を落とす工藤であった。




