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苦手分野は?
前書き書くの面倒になってきた。
ここは美術室。美術部員が絵を描いたり、粘土細工をする美術部員達にとっては大変神聖な場所だ。
「今日のテーマはみんなが苦手な人物画でいこうと思う。そうだなぁ……。モデルは……橘君でいこう! みんな頑張って橘君の特徴を捉えて描くように!」
「「「はい!!」」」
「え〜、僕ですかぁ……?」
「何か文句でも?」
「いえ、文句って訳じゃないですけど……」
「じゃあ、始めてくれ」
「は〜い」
やる気もなさそうに絵を描きはじめた橘を横目に、工藤は各部員達の絵を見て回る。どう見てもピカソ崩れの顔や、福笑いをしたら絶対無理だと思う顔。本当に人なのかと疑いたくなるような絵や、どう考えても手抜きとしか言えないような棒人間達が並んでいる。
『橘君……、君は他の部員達に溶け込んでいないのかい……?』
そんな思いの中、工藤は橘の絵を見て絶句した。
――美男子――
そこに描かれていたのは、現実に存在するのかと思える程の美少年だった。
「橘……君……?」
「何ですか? 先輩」
「今日のテーマは?」
「僕ですよ」
工藤の目を真っ直ぐ見ながら話す橘を見て、『ナルシストだったんだな』と初めて知った真実に驚愕の工藤であった。




