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招集。


ついに、戦の最前線への招集がギルドにも命令が下った。

一箇所に集められた数百人の冒険者の前に王国近衛騎士団の団長が演説台へ立ち激励の〝お言葉〟を送る。


「我らの命は王国の為!冒険者諸君も等しく王国の為!この戦に勝利を齎そうではないか!」



アリアとユリヤは白けた顔をしながら互いを見た。

私語は禁止されているため小声で話す。


「友好関係だった隣国に手を出すなんてやっぱりおかしい。今までに築き上げてきた関係が勿体ないよ。」


「そんなの、宰相様に唆された王様が悪いのよ。」


ヒソヒソと、話しているが誰も注意しない。そう、皆んながやる気の起こらない戦いなのだ。


「……で、あるからにして、以上!武運を祈る!」


激励などと言うただの理想を国民に押し付けた演説。

拍手は疎らに、ギルド民はつまらなそうに文句を口にした。

冒険者は生活の為に仕事をしているのに戦争なんて金にならない仕事はしたくないのが大半だった。


そこへ左胸にいくつもの勲章をつけた軍服姿の男。

アリアはどくんっ、と胸が焼ける思いをする。仇の存在。

数年経っても変わらぬ見た目である。棘のある華のように美しいまま。


「へぇーあれが宰相様ですか。」


様子のおかしいアリアを見て呟くユリヤ。

動き出しそうな彼女の腕を掴み、今はまだ動いてはいけないと耳元で囁く。

必ず、いつかその時がくるから、と。ホルスターから銃を抜いたアリアは自身に湧き起こる魔力の渦に飲み込まれそうになった。


「一度宿屋に戻るわよ。」


悲しみや怒りで魔力が増幅し魔力酔いを起こしたアリアを担ぎ上げ、2人は宰相シルヴィアの演説が始まる前にその場を離れた。



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