お尋ね者。
1日と半分以上荷台に揺られ移動後、ドラゴン狩りの前に街の宿屋で体調を整えることになった。
「あー体がバキバキよ。」
ユリヤは咥え煙草のまま、空を仰ぎ背筋の伸びをする。
今日は晴天、雲一つない。
とりあえず腹拵えの為に街中を食事処と宿屋を中心に探し歩いた。しばらくするとアリアの背中がぞくりとし、背後からの視線に気づいた。
「……つけられてますか?」
「気づいた?人数は2人。か、3人。」
着ていた上着のフードを頭深く被り小声で会話する。ユリヤは先に気づいていたようで、先ずは泳がしているようだ。
「盗賊ってより警備隊…?」
「ユリヤ、何したんですか。」
失礼ね、着いて早々に何もしてないじゃない。と、小声で話していると遂に声をかけられる。
「この街の人間じゃないな、同行願おう。」
1人の制服を着た男が声をかけてくる。
声をかけられた瞬間、2人は散り散りになって逃げ出した。
アリアはフェンリルの背中乗って逃走。ユリヤは俊足で人混みに紛れた。
「逃げ足の速い…。」
チッ、と舌打ちの後警備隊3人も手分けして捜索に走り出した。
こういった場合、2人の中での決まりごとがあった。酒場に寄ることになって後で合流の流れだ。以前にもあった経験から寄り道せず酒場に寄る。
この街、カレニアの酒場は喫煙者が多く店内は空気洗浄の魔法が巡らせてあるにも関わらず煙たい。
けほっ、と少しだけ咽せながらアリアはコーヒーを一杯頼む。酒場といえどカフェとも言える店であった。
「遅いですよ。」
「ちよっとばかし出店で面白い物を見つけてね。待たせて悪かった。」
それで、職務質問のような同行を求められるとは一体何事かとユリヤに問い正す。
別に下手な事はしていないと言うが本当のとこほはわからないのが彼女だ。
「明日は討伐任務なんですからしっかりして下さい。私は後方支援ですから、ユリヤは前衛でいつも通り暴れててください。」
「何よ、その暴れん坊みたいな、言い方。」
まだ見ぬ暴風龍との対峙が楽しみのようでユリヤはご機嫌にジャッキに入ったビールをぐびぐ喉を鳴らした。
明日はSランクの初の任務。
気を引き締めて準備は念入りにする。
こんな時にさえ、アイツが頭をよぎる。コーヒーの湯気をふぅーと冷ましながら思い耽た。考えても考えても答えの見つからない問題。いや、自分の中の問題だ。
無糖のコーヒーがいつもより苦く感じた。
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