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相棒。


鳴き声の主は大きな魔法陣の中に居た。

犬型のモンスターのようだがモンスターにしては禍々しいオーラも無くどことなく神聖さも醸し出している。

惨たらしいことにこの犬は魔法陣の中に拘束されているようだ。身動きも取れずただ鼻を鳴らしたり吠えたりするので精一杯だ。


「…あんたも縛られてるのね。」


同情にも似た感情で魔法陣の周りに置かれた呪具を銃で撃ち抜き、封印を解いた。

もしも飛びかかられても勝てる自信もあったから。


「好きなところに行って好きに生きな。」


クゥーン一つ鳴いたら頭に直接問いかけてくる。


『助けてくれてありがとう。良かったら僕と契約してよ。』


この犬はフェンリルという聖獣だと言った。

助けた恩返しに仕えるというのだ。まだ若いこの聖獣は人をよく知らずに騙されて悪戯に封印されてしまったと事の経緯を話した。


「それで、私に何かいい事はあるわけ?」


仄暗い瞳は助けたものにも容赦なく言葉の棘が飛んだ。

フェンリルは契約者の魔力の増大効果や戦闘に参加できることを教えるとまたクゥーンと鳴いて自身の頭を下げて自分を差し出す。


「…確かに役立ちそうね。わかった。」


差し出して来た頭右手を翳し契約をすることに了承した。


「…我は契約者、汝に名をつけよう」


辺り一面光に包まれ、暖かな光はゆっくりと右手に収束していく。フェンリルも嬉しそうに尻尾を左右に振っては右手に頭を擦り付けて来た。


「復讐に巻き込むけど、謝らないからね。」


ツンとした態度で銃を持ち直した。

そんな姿や態度に怒る事もなくフェンリルは嬉しそうに話す。


『アリア、ずっと一緒だよ。』


「そうね、契約解除しない限りあんたは私を裏切らない。契約って便利ね。」


泥で汚れた自分の掌を見ながら小さく応えると、契約した途端にどんどん溢れ出す魔力に口角を上げた。

無尽蔵のように沸き起こってたまらない魔力に少し酔いそうだ。これで、魔法銃の懸念は無くなった。

早速、いい仕事をしたと、フェンリルの頭を撫でる。


「ずっと、一緒よ。」


読んでくださりありがとうございます!

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