成長と思い出。
最果ての洞窟は3年ぶりのダンジョン。
今まではモンスター討伐や中程度レベルのダンジョン捜索等を休みなくやって来た。その成果か魔力は増加し、体力も格段に上がった。
だが必死にやってきても今はまだAランク。目的のためにはまだまだ依頼をこなさなくてはならない。
今回の依頼は最果ての洞窟内のモンスター討伐。何件かの依頼を複数受けた。
懐かしく感じる湿った空気の洞窟内。
入った瞬間から複数の殺気。ホルスターから銃を回転させながら取り構える。
巨大なオーク3体、頭と胸の魔石を狙って撃ち込む。パン!パン!
放たれた魔法陣が彫られた弾は着弾する瞬間に炎魔法と雷魔法に変換される。カスタマイズしたばかりの銃に、ぐんっと魔力を奪われた。
ぐらりと目眩を起こし片膝を着いてしまう。そこで2体のオークが雄叫びを上げ棍棒で殴りかかってくる。
一回転、ギリギリに躱して照準を合わせて再び撃ち込む。
パン!と、一撃で魔石を砕く雷魔法。
はあっ、と息を整えてながら最後に1体、魔石に狙いを定めて魔力を練り上げながら撃ち込む。
バリン!と、音を立てた魔石はバラバラと割れオークが消滅する。
本当は魔石は戦利品として持って帰りたいがそんな余裕はなかった。
ポーチから使った弾数を継ぎ足す。目眩はもう慣れて来た。
少しずつ奥へ進んで行く。
魔力不足を補うためにカインから買ってきた魔力を回復させる飴を口に放り込む。がりっと噛み締め飴の甘さを堪能する事もなく、魔力の補充する。あまりこれに頼り過ぎんなよ、と言われたことを思い出しながら残りの飴の数を数える。
最深部まで行けなくはないが、依頼のプレートに書いてある内容から今日はオーク討伐と蝙蝠型のモンスター討伐で終わりそうだ。
無理をして命を無駄に捨てる訳にはいかないのだ。
足場の悪い砂利道、大きな岩や鍾乳洞。
水の匂いがした。
魔力水が滴るクリスタルまで到達できた。綺麗な水溜りから片手で魔力水を掬い上げ飲み込む。
あの時も飲んだなぁと、思い出す頭を振って思い出を捨てる。彼はもう敵なのだ。
ぼーっとクリスタルを眺めていたその時、犬の鳴き声のようなものが奥から聞こえた。両手に二丁銃を構える。
じりじりと近づきながら声の主を探る。
砂利の音が洞窟内に響き渡るようだった。
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