帰り道、夕焼け。
やれやれと、シルヴィアは自身に眠るフェニックスをどうしてくれようか悩んでいた。
最果ての洞窟の帰り道、アリアはずっとシルヴィアを慰め続けた。例え、Sランクになれなくても気持ちは変わらないこと。これからも、めげずに冒険者を続けること。
シルヴィアはアリアの言葉に耳を傾けながら婚姻の儀をどうしようかと頭の中は複数のことを考えながら器用に相槌をうっていた。
「ありがとうアリア。」
「こちらこそです。」
あ、そうだと。アリアはギルドで乾杯しましょうと戯けてみた。これも一つの慰めの内。
「あぁ、それは楽しみだ。」
少し傷んでしまった服、幸い腰のポーチは中身も無事で見た目もまだまだ使えそう。今回の任務で随分とぼろぼろにされたものだとクスっと笑う。
「どうしたんだい?何かおかしかった?」
「いえ、こんな姿で帰るのなんて何年振りだったかなって思ってしまい。」
ふふ、と、また一笑い。
冒険者に成り立ての頃、よく装備品を傷めてきたな、と思い出したのだ。
駆け出しの冒険者が行くダンジョン、始まりの祠。そこに何度も何度も挑戦し最下層まで到達するのはBランクになってからだった。普通より少し遅い方であった。それでも魔法は得意な方でなかったがアリアは銃一本でここまできた。
父のアドバイスや年齢の近い冒険者達と切磋琢磨する事で今のBランクがある。
商人の護衛で大した事が出来ていないのにも関わらず、装備品を貰ったりしたこともあったなぁと笑う。
今日は駆け出しの頃のようにぼろぼろになったが滅多に見られない聖獣との契約の瞬間を見られた。何より憧れの人に愛されているということを、教えられたのだ。特別な日。
「シヴァさん、改めて私でいいんですか?」
アリアは照れ臭そうに緊張感が剥がれた頃もう一度確認をしたくて、歩みを止めて聞いてみた。
ドキドキと胸が高鳴り顔が熱を帯びていく。
「アリアじゃなきゃダメなんだ。だからもう一生君は僕のものだよ。」
アリアの頬を両手で包み目線を合わせゆっくりと瞼にキスを落とすと、クスクス笑う。
「何でそう、、はぁ…恥ずかしいです…。」
シルヴィアは満足そうに赤面したアリアをギルドへ到着するまで揶揄いながら帰るのであった。
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