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第8話:神の処刑台、剥がれ落ちる白銀の虚飾

 神の刺突が、空を切った。

 アリスの背から噴き出した白銀の光線が、カイルのいた場所を焼き払い、背後の王宮を音もなく削り取る。


だが、カイルはその光の奔流を、紙一重の回避で潜り抜けていた。

 漆黒の外套をなびかせ、光の残滓を浴びながら、カイルは最短距離で「それ」へと肉薄する。


「……速いな。だが、その動きも『鑑定』済みだ」


アリスの口から漏れるのは、もはや言葉ではない。聖剣が彼女の神経系をジャックし、自動迎撃システムと化した四対の光の翼が、カイルを串刺しにしようと全方位から襲いかかる。


カイルは空中で身を捩り、襲い来る光の触手を最小限の動きで受け流す。

 右手に収束させた漆黒の魔力。それは破壊のための力ではなく、アリスの魂を縛り上げる「神の術式」を切り離すための、精密な解体用のメスだった。


「ア……ガ……、オォォオォッ!!」


アリスが、さらに出力を引き上げる。

 回避不能な至近距離からの広域放電。カイルはそこで初めて、逃げることをやめた。


 左肩をあえて聖剣の切っ先に差し出し、その衝撃を利用して、狂ったように光り輝くアリスを正面から抱きすくめる。


「……捕まえたぞ、アリス」


ジり、と肉が焼ける音が響く。

 聖剣の光がカイルの体を内側から焼き、凄まじい苦痛が彼を襲う。だが、カイルはアリスの耳元で、あの日以来一度も口にしなかった、穏やかな声で囁いた。


「五年間、よく耐えたな。……もう、いいんだ。全部、俺が持っていってやる」


カイルは、右手の黒い杭を、アリスの胸元――聖剣と彼女の心臓が癒着している「呪いの核」へと正確に突き立てた。


「――『深淵解体アビス・ディセクション』」

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