入学試験で見つけた才能
学校どこよ……
ママ曰く王城と同じくらい大きい建物らしい
確かに北と西にそれぞれ明らかに大きく建物がある。
で学校どっちよ……
昨日もっと詳しくママに聞いとくべきだった。
てかママが連れて行くって言ってなかったっけ?……
「早くして、試験に遅れちゃうわ」
「待ってくださいよー」
別れ道で悩んでると、女の子二人組が西の城に向って走り去って行った。
(試験?……私と同じ受験生かな)
別に盗み聞きしてるわけじゃないが
私は尾行を開始した。
(都会の女の子は結構速いスピードで走るんだな……)
しばらく二人を尾行しているとレイギス魔剣学校と書かれた門が出てきた。
道中前の二人がちらちら私を見ている気がしたけど、気のせいだろう。
(私の隠蔽は完璧だもの)
門の前には受付のようなものがあり受験生と思われる人たちが列を作っていた。
(これに並べば良さそうだけど……)
私が尾行していた二人組は列に並ばずに門の中に入っていく。
制服着てなかったけど在校生かな?
やっぱり睨まれてた気がするけど、気のせいだよね?
「受験生の方ですか?受付はあちらですよ」
門から少し離れた場所で受付の列が減るのを待っていると、学校の職員っぽい女性が列に並ぶように促してきた。
「あっ、あ……ありがとうございます」
(知らない人との会話……緊張する……)
(ん?鑑定されてる?)
人が減るまで座っていたかったが素直に列の最後尾に加わる。
今の私を鑑定したところで、スキル「双剣術」と「氷の担い手」を持つ、魔力量700の女の子にしか見えないと思うので、なんの問題もないがいきなり鑑定するのはマナー違反だと思う。
(もう試験が始まっているのかな?)
ボーっと並んでたら私の番が来た。
(なんか緊張してきた……)
初対面の人との会話は苦手だけど、頑張るぞ!
「スキル証明書をお願いします。」
(え?何それ……?)
なんか汗が出てきた。
「えっ、スキル証明書?……」
「スキル証明書が無いと受験票を発行することができないのすが……」
(え?そうなの……?)
なんか涙出てきた。
「あっ、あのー……こっ……これぇ」
震えた手で招待状を出す。
「あっ、特別枠の方でしたか。お名前をお願いします。」
「ク、クウキアニシスです」
「お待ちしておりましたアニシス様、こちらの受験票をどうぞ。門の中にいる誘導員の指示に従ってください」
(よかったぁ〜……受験票もらえたぁ……)
ただの受付で少し泣いてしまった。
戦利品(受験票)を握りしめて門をくぐる。
「受験生の皆さんは私に続いてくださーい」
(この人が誘導員かな?)
集団から少し離れてついて行く
「はぐれないように注意してくださーい」
集団に少し近づく……
(教室遠くない……?)
私はおそらく試験会場の教室から門まで自力で辿りつくことができない。
私が案内された教室の中に机が30席くらいあり、最後尾で受付したせいか私の1席を除いて全ての席に人が座っていた。
試験前で緊張しているのか、誰一人として話をしたりすることなくとても静かに座ってた。
(入りづらいなぁ)
「みんな集まったかニャー」
勇気を出して最後の一席に座ると、知っている可愛い人が入ってきた。
(ミミロさんだぁ〜)
なぜミミロさんがここにいるかはわからないが、とても安心する。
私と目があったときにウインクしてくれた。
嬉しい……
「私はこの教室の試験管だニャ、今日だけの付き合いになるがよろしくだニャ。早速だが試験一日目は3種類の筆記試験をやってもらうニャ、用紙を配るけど合図があるまで始めちゃダメだニャ」
試験開始直前、怖いほどの重たい空気が流れている。
ミミロさんは私に向かってウインクを続けてる。
(気づいてるって……)
ミミロさんのせいでなんだかふわふわした気持ちなっていた。
マジでかわいい……試験なんてどうでもいい。
どこかで笛が鳴った……。
「試験開始ニャー」
(あっそうか……試験か……)
(頑張らなくちゃ!)
1枚目の用紙は数字の問題かな?
足し算や掛け算
(簡単だなー)
魔力変換率を求めよ
(ちょっと難しいな、さすが王都)
魔法威力の理論値を求める問題
(なんか公式あったな〜……パスだね)
上位スキルによる魔力変換率100%超えする「魔力増幅現象」についての証明問題
(なんだこれ?)
学園のレベルの高さが垣間見えた。
(問題の意味すら解らなかったけど、他の試験で取り返せば大丈夫)
問題を諦めてミミロさんを眺めていると終了の笛が鳴った。
「試験終了ニャー、用紙を前に回すニャ」
周囲の反応はバラバラで安心している人もいれば絶望している人もいた。
(筆記試験の1枚目で一喜一憂しないでほしい。)
「2枚目を配るニャ」
すこし休憩を挟んでミミロさんが2枚目の用紙を配り始めた。
(数字の試験は少し躓いたなー、次から本気だす)
開始の笛と共に勢いよく問題をめくる。
2枚目の用紙はスキル関係の試験だった。
「スキル「水の担い手」の一般的な攻撃魔法を答えよ。」
(勝った……)
「万物の鏡」を持つ私は幼い頃から様々なスキルの知識を叩き込まれていた。
(こんなサービス試験でいいの?)
一度もペンを止めることなく最終問題に辿りついた。
ん?
最終問題「現在に確認されている超級スキルを7つ全て答えよ」
(……なんだこれ?)
昔ママが、「世界には人智を超えた最強のスキルが九つある」って言っていた。
(9個じゃないの……?)
(「灯火の巫女」、「常闇の哀」、「氷華の咲人」、「神樹の護」、「神託の殲女」と私が龍王を倒すときに使った「鮮血の英雄」とママが持っている「束縛の断絶」っと……)
点数が欲しかったので浮かんだ順に7個書いといた。
(この試験は満点かな)
思わず笑みがこぼれる。
3枚目の用紙は冒険者の試験だった。
「薬草が育ちやすい場所の特徴を答えなさい」
(知らない)
「トレントの弱点を答えなさい」
(軽く叩けば倒せる)
(少しレベルか高いな〜)
「現在の剣聖の名前を答えない」
(知らない)
「C級依頼を達成した時にもらえるギルドポイントの平均を答えない」
(ほんとうに知らない)
王都の冒険者事情に詳しくない私は裏の全ての問題を飛ばして最終問題まで辿りついた。
最終問題「現在のS級冒険者の名前を7人全て答えなさい」
(ママの名前しかわかんないや)
唯一知っているママの名前を書いて筆記試験を終了した。
(まだ時間があるみたいだし居眠りするミミロさんでも眺めてよ……)
はやく試験終わらないかな〜
冒険者のことわからなすぎて暇だな〜
ミミロさんはかわいいな〜
読んでいただきありがとうございます




