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私のママはやっぱりチート

私のママもやっぱりチート2


万物の鏡(ユニバーサルミラー)、治癒」

 

 ママとの模擬戦の後、お互いの傷を治すのは私の役目になっている。


 (懐かしいなー)


 久しぶりのママとの時間なんだかんだで嬉しい気持ちになっていた。

 

「ありがとうクウキちゃん。そういえば試験の対策はしているの?」

 

 少し浮かれている私に、王都に来た目的を思い出させてくれた。

 

「対策?」

 

 試験対策なんかしなくても余裕で合格できると思っていた私は、試験を受けると決めた日から今日まで笑顔の練習しかしていない。


 (笑顔なら任せて!)

 

「学校の試験って対策が必要なほど難しいの?」


 私は学園入学試験の事は何も知らない……

 (笑顔の大切さしか知らない……)

 

 逆にママはレイギス魔剣学園の卒業生らしいので、いろいろ知っているっぽい。

 

「クウキちゃんにとって難しい試験なんてあるわけないでしょ、隠蔽のほうよ!隠蔽!」

 

 一応スキル「悪癖の道化師」の隠蔽を常に発動させているが……

 ママには王都に近づいただけで探知されていた。

 

 隠蔽に裂く魔力の量をもっと増やしてみたら大丈夫かな?

 

「これでどう?」

 

 ママに鑑定してもらう。

 

「少しはマシになったけど、まだダメね」


 もう少し増やして


「これは?」


「ダメ」

 

 思考錯誤を繰り返して、結局ママからの合格が出たのは、私の魔力を3割くらい使ったときだった。

 

「これで準備完了ね」

 

 大袈裟に発動させた隠蔽スキルを保持しつつ地下室から1階に上がると、窓の外は真っ暗になっていた。

 

 模擬戦と隠蔽の練習で疲れ切った私は少し残念な顔で外を見る。

 

 ほんとは王都に来た初日に観光とか食べ歩きとかしたかったなぁ……

 

 でもママとの模擬戦は楽しかったしいいか。

 (もうご飯を食べて寝ようかな)

 

「クウキちゃん、一緒にお風呂に入りましょう」

 

 ママはバスタオルを持ってニコニコしている。

 模擬戦後の疲れ切った表情は嘘だったの?

 

「セクハラしてくるからヤダ、一人で入る」

 

 ママは一緒にお風呂に入ると体を洗うとか言って胸を揉んできたりする犯罪者一歩手前の人なのだ。

 

 ママの誘いを振り切り一人で体を洗っていると、浴室の中に衝突音が響いた。

 

「変わってないなぁ……」

 

 転移で浴室に入ろうとしたママが、私の時空結界に衝突した音だろう。

 

 二年前は転移で侵入したママにいろいろセクハラされていたが私も成長している。

 

「クウキちゃんのイジワル」

 

 浴室から出ると扉を開けたところに座り込んで拗ねているママを発見した。


 何度も言うが私も成長している。

 

「台所貸して欲しいんだけど」

 

 ママは立ち上がると無言で奥の扉を指さして不機嫌そうな顔をしながら浴室に入っていった。

 

 私とのお風呂をどんなけ楽しみにしてたのよ……

 ちょっと引くよ……

 

 奥の扉を開けるとまぁまあ広い台所というか厨房だった。


 食器棚や魔力で起動するコンロなどがズラリと並んでおり、全て新品同様にピカピカだった。


 (パパの店より広いんじゃない?)

 

 綺麗に使っているのではなく、ママは料理を全くしないのでおそらく一度も使ってない。

 

 よって台所には食材は何もなかった。

 

 ママがパパと結婚した一番の理由は「料理が上手だから」なのでママは料理なんてしてない。

 

 私は収納魔法で収納していた肉や野菜をまな板の上に並べてパパに教えてもらった料理を作り始めた。

 

 (修行の成果を見せる時が来た)

 

「あらいい匂いね」

 

 完成した料理をテーブルに並べているとバスローブ姿のママが近づいてくる。

 

「パパから教えてもらったの、ママの分もあるよ」

 

 ママと会ったらパパの味を再現して驚かせようと思っていたので、私の料理を食べて喜んでいるママの姿を見れて私も嬉しい。

 

「クウキちゃんは良いお嫁さんになるわね」

 

 そんなの当たり前だよ

 最高のヒモになるからね

 

「ありがとうママ」

 

 ママとご飯を食べて、お話してとても幸せな時間だった。

 

「明日も早いし、そろそろ寝ましょうか」

 

 食器を洗い終わりソファーでくつろいでいると、ママが寝室に案内してくれた。


 寝室の中は真っ暗でなにも見えなかったが、ベットが一つ置いてあるのがわかった。

 

「このベットを使って良いわよ、狭いけど我慢してね」

 

 寝室の中に入ってベットに寝そべるが、そこまで狭くない。


 むしろ小柄な私には広い方だと思う。

 あとママのいい匂いがする。

 

「ありがとうママ、おやすみ」

 

 布団をかぶって寝ようとすると、ベットの上が一瞬光りママの転移してきた。

 

「おやすみクウキちゃん」

 

 (いや待って……私を抱き枕みたいにしないで。)

 

 確かにママと寝るには狭い。

 

「ちょっと暑いから離れて」

 

 ママを突き放そうとするが、さらに抱きしめる力が強くなる。

 

「だーめ」

 

 まぁこれくらいは許してあげるか……

 私も窮屈な幸せを感じながら眠りに着いた。

 


「ちょっとクウキちゃん、遅刻するわよ」

 

 遅刻?なんのことだろう……まだ寝てたい……

 

「おはよーママ」

 

 目を開けると知らない天井で、隣には慌てた顔のママがいた。

 

「おはようじゃないわよ、早く着替えて」

 

 ママの顔を見て完全に目が覚めた。今日はレイギス魔剣学園の試験日だ。

 

 急いで顔を洗い、身支度を整えて急かされながら家を出る。

 

「いってきます」

 

 試験中は学校の寮に泊まるので試験終了までここには戻ってこない。

 

「いってらっしゃい、試験頑張るのよ〜」

 

 ママの声援を聞いて門を飛び出したとき振り向い手を振るとママどこかに転移して行った。


 私の転移は一度行った場所にしか転移できない。

 

 そして思った……


 転移で送って行ってよ……


 てか学校どこよ……


読んで頂きありがとうございます。

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