王都って遠くない?3
王都って遠くない?3
「まだまだ道は長いニャ、出発するニャ」
クマの魔石と素材を回収して馬車に乗り込むと、すでにミミロさんが出発の準備を整えてくれていた。
馬車は再び王都目指して進み出した。
上位スキルを見られてミミロさんとの距離感がわからなくなっていたが、ミミロさんは私の力を見ても詮索せずに接し方を変えないで話しかけてくれる……
(優しすぎて好き…)
「その魔石どうするニャ?」
そろそろ王都が見えてもおかしくない頃、私はクマの魔石を持って悩んでいた。
倒したところに放置するわけにもいかないし……
ミミロさんも受け取ってくれないし……
14歳の冒険者でもない少女がB級上位の魔石を持っているのはどう考えても不自然だし……
そもそも王都で換金しようにも、ギルドに入ってない私には換金できないし……
(ほんとにいらない)
「やっぱりミミロさんにあげる!」
「いらないニャ」
食い気味で断られてしまった。
「序列85位の私がエンペラーグリズリーの魔石を2個、それもソロ換金したら、一気に序列50位圏内に入ってしまうニャ。それは不正ニャ。不正はだめニャ」
ミミロさんは真面目だなぁー
どうせミミロさん前で上位スキルを使ったことはママにバレてるし、開き直って魔石は王都にいるママへのお土産にしよう。
「そういえば、じょれつ?ってなに?」
「はぁ〜、クウキは何も知らないのにゃ」
それからミミロさんは王都やギルドのことを教えてくれた。
ミミロさんによると、この国でスキルを使って仕事をするには国営ギルドに所属する必要があり、ギルド序列はギルドに所属する冒険者全てに与えられる。
順位の付け方はスキルの強さや魔力量だけでなく、依頼達成度や国への貢献度、魔獣の討伐数などを総合して決められる。
序列1500位以下をD級、1499〜1000位をC級、999〜100位までをB級、99〜2位までをA級と呼び、序列1位は剣聖と呼ばれるらしい。
(え?ミミロさんだいぶ上位じゃない?)
そして1位より上、国では管理できない人智を超えたスキル持ちをS級と呼ぶらしい。
私のママも冒険者だけど、序列何位なんだろう?
「クウキも剣聖になる為に学校に通うのかニャ?」
私は剣聖になるつもりはないが、剣聖には大いに興味がある。
「私は将来の剣聖を見つける為に学校に行くの」
「ニャ?」
ミミロさん「この子は、なにを言っているの?」みたいな顔で見ないでください。
話を変えなければ……
「あっ、あれが王都?」
森の街道を抜けると高い壁にに囲まれた巨大な街が見えてきた。
「あれが王都レイギスニャ」
この旅が終わる。
「あの結界はなに?」
王都をよく視ると透明な結界で街全体が覆われている。
(すごい見覚えのある結界……)
「あれはS級冒険者キイナが王都を守る為に張っている結界ニャ」
薄々気づいていたけど私のママ、キイナ・アニシスはS級冒険者だった。
「ママの結界だ……」
懐かしくなって、つい呟いてしまった。
「いま、なんて言ったニャ?」
ミミロさんが困惑していると、馬車が止まり目の前が光始めた。
スキル「束縛の断絶」の転移だ。
周りの空気が、時間が、止まるような圧力……
「ママが来る」
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