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私達の憩いの場所

39話 私の憩いの場所



 どうしよう。バレてる


「クウキ!起きなさい。」

 すごい視線を感じるし、


 ママ絶対怒ってるじゃん……


「……おはよう。」

「はぁ〜」


 世界最強のため息……


「あなたね……なんでこんなことしたの⁉︎」

「私はなにもしてない……マイヤさんが攻撃してきた。」


 ルーア守ってただけ……


「なんでダンジョン改造したのよって聞いてるの!力を隠す約束はどうしたのよ!」

 

「だって……」


「だって、なによ!」


「……怒らない?」

 

「ふー……」

 ママが深く息を吸う。


「もう怒ってるのよ!」


 世界最強の咆哮は私の前髪をかき上げ

 マイヤとナツメが耳を押さえる。


 耳いたい


「……ひるね」

「なに!?」


「昼寝するのにちょうど良いと思って……ダンジョンを改造……しました。」


「はぁぁ〜」

 ママ目を逸らさないで。


「ぷはっはっはっはっは……」

 笑うな幼女。


「……は?」

 ごめんなさいマイヤさん。


「キイナよ!やはりお主の娘はおもしろいのぅ!」 

「ちょっと笑い事じゃないわよ!」

「……娘?」


 マイヤさんの口が閉まらない。


「そういえば言ってなかったわね。この化け物、私の娘な

の。」

 おい。


 マイヤさんが私を指差しながら幼女を見る。

「うむ。」

 幼女が頷く。

 

「さっきから偉そうに言っていたけど、今回の件、悪いのは私達なの。」

「……ごめんなさい。」

「私も親として監督不足だったわ。ギルドを騒がせて申し訳なかったわ……」


 親子で頭を下げる。


「頭を上げてください!私こそ思い込みで攻撃してしまい、申し訳ありませんでした。」


 マイヤさんが頭を下げる……


 幼女の部屋こんなカーペットだったっけ?

 高そう。


 静寂が続く……


 どうしよ、上げるタイミング……


 パシッ!

 幼女が扇を閉じる。

 

「ほれ!3人とも頭を上げるのじゃ!拉致が開かないわ!」


 幼女に視線が集まる。


「今回の原因はクウキじゃ!お主が1番反省せい!次にキイナ、この怪物を育てたのはお主じゃ責任をもって守れ!」

 おい。

「「……はい」」


「それからマイヤ、S級としての振る舞いを見せるのじゃ!相手がクウキじゃなかったら……」


「……はい」


「今回の件はこれでしまいじゃ!早く部屋から出ていってくれ!妾も暇じゃないのじゃ!」


 豪華なイスに踏ん反り書類を確認しだす幼女。


 なんか急に怒った。


 空間にヒビが入る。


「わかったわよ……クウキ!また会いにくるわ。」

 え……やだ。

「……またね」

「マイヤも悪かったわね。」

「いえ……」


 空間が歪む。

「ナツメちゃん、ありがとう。」

 幼女は早く行けと手を振る。

 

 部屋が光りママが消えた。


「ほれ、お主達も早く行くのじゃ。」


「待って、最後に少しだけいい?」


 マイヤさんと目が合う。


「私の攻撃はどうだった?」

 ……どう?

「……派手で、カッコよかったよ。」

 

「……そっか。君の結界は硬かったよ。」

 

 少し俯いて扉に向かうマイヤ。


「じゃあ、ギルドには私がうまく言っておくよ。」


 扉に手をかける。

 

「ありがとう。マイヤさん」


 扉が閉まる。

 

「じゃあ私も帰る。疲れたし……学園長またね。」

 幼女に挨拶して扉に向かう

 私も扉に向かう。

 

「待つのじゃ!」

 まだなんかあるの?

「……説教?」

「違うわ!その服で帰るのか?」

「あっどうしよ……」

 所々焦げたボロボロの制服。


「特別じゃぞ。」

 幼女が扇を振ると制服が治りだす。

「ありがと」

「あとそれ」


 ソファを指さす幼女。


「あっ……」


 ルーアを背よって寮までの道を歩く。


「ルーア、来週は約束守れそうだよ……」


 足取りは少し軽かった。


 ——

 学園の隅、小さな研究室……


 コンコンコン。

「はーい」


 ガチャ。

「先輩……急に来てごめんね。」

「あらマイヤさん、お久しぶりですねー」


「珍しく綺麗にしてるね……」

「問題児が2人頑張ってくれましたからねー。どうぞー」


 紅茶が2つテーブルに置かれる。


「今日はどうしたんですかー?」

「……いや別に近くに来たから寄ってみただけ。」


「お仕事ですか?」

「……そう」

 

「S級だからって頑張り過ぎちゃダメですよー」

 紅茶を啜る。


「……先輩は変わらないね。」


 力無く呟く……


「なんですかー?」

「紅茶美味しいね」

「そうですねー」

 

 フリアス先輩はそれ以上聞かなかった。

 

 ありがとう

 先輩。

 

 ——


 次の週末……


 カンッカンッ……カンッ


 花舞うダンジョンに大きなリュック。


 木刀をぶつける少女が2人。


「そういえば先週の赤髪はなんだったのよ。私記憶が無くて……」

「記憶ないの?」 

「そうよ!あの冒険者きっとやばいやつだわ!」

 

「……いや、すごい冒険者だったよ。」

「……そう。」


 満開の花園にそよ風が吹く。


 木刀の音はしばらく続いた。


 ——

 

 クウキさん……最近構ってくれないなぁ。


 広い演習場に金髪の少女が1人剣を振る。


「……誘ってみようかな。」

 


 

 

読んでいただきありがとうございます

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