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私と破壊者

35話 私と紅い影


 座学の日の午後……


 疲れた……

 

「明日からまた薬草採取ですねー。みなさん調子はどうですかー?」


「この時期になると危険な場所に行く生徒も増えてくるので気をつけてくださいねー」

 

「ではみなさーん、薬草採取頑張ってくださいねー。100ポイント貯めた生徒も自主練頑張ってくださいねー」


「では解散。」


 緊張が溶ける……


「やっぱり座学はしんどいわね。腰が痛いわ……」

「アリージュおばあさんみたいですわ!」

「そうね!おばあさんだわ!」


「ちょっとやめてよ!」

 

「わたしも座学は少し苦手です……」

「……いやハル」

「そうよねーあの先生声が眠たくなるのよ……」

「わかるわ!もう少しハキハキ喋って欲しいわ!」

「……いやみんな」

「ほんとですわ!」


「先生まだ廊下に……」

 

 ガラガラ……

 扉が開き教室が止まる……


「言い忘れていましたクウキさん、先生と来てくださーい」

「……はい」

「あと、アリージュ、ルーア、エリッタ、そしてハル……」


 呼び捨て……


「身体を動かしたいみたいなので。このあと演習場に来なさい。クウキさんを送ったら先生も行きます……」

 

 硬直が続く。


「……返事は?」


「「「「はい!」」」」


 先生怖い……

 なんかハルとエリッタ嬉しそうだったし……


 黙って先生についていくと知ってる扉が見えて来た。


 ここって……


「中で学園長がお待ちです。失礼がないようにお願いしますよー」

「……はい」


 なんか嫌な予感……


「では先生はこれで失礼します。座学の大切さを指導して来ますので……」

「……頑張って」


 みんな……


「久しぶりじゃのぅ、学園生活はどうじゃ?クウキよ」


 ジャンデリア……

 壁には知らない人の写真がいっぱい……


 向かい合うソファの奥

 大きくて豪華な椅子にポツンと幼女。

 

「……なんのよう?」

 

「お主が馴染めてるか心配して……こらソファに寝転ぶでない……」


「ごめん」


「まぁ良いわ。で本題なんじゃが……」


「お主、ダンジョン作り変えた?」


「……なんでバレた?」


「はぁ〜。やはりクウキだったかぁ〜。なぜじゃ?」

「アクアが可哀想だった……」


 事情を説明する。


「なるほどのぅ……王国の契約精霊を救ってくれたのは感謝しなきゃじゃなぁ……」


「じゃあ怒らない?」


「妾は怒らないがギルドがのぅ」

「……ギルド?」


「そうじゃ……ギルドはこの件を問題視しておる……妾に依頼が来るほどに……」

「やばい?」


「そうじゃな……一つ忠告じゃ。ギルドには妾より強い者もおる。気をつけよ。」


「……わかったよ」


 この時の幼女の顔はいつもと違った……


 流石に王都のダンジョンを消すのはやりすぎた……


 ママより強い人が居たら……

 

「ちなみにキイナより強い者はおらんから安心するのじゃ!」

「いたら、困るよ……」


 しばらくダンジョンに行かないようにしようかな……


 でもルーアとの約束あるし……

 エリッタとアクアに相談しよ。


 寮に戻るとボロボロのエリッタがベッドと机の間に倒れていて……


「あれは……悪魔よ……」


 アクアは震えていた……

 


 次の休日……


 ガンガンガン。

 ドアを叩く音


「クウキィ!起きなさい!」


 ガチャ


「おはようルーア……」

「おはよう!あそこ行くわよ!」


 幼女の顔が一瞬よぎる……


「……違う所でしない?」

「違う場所……?」


「やっぱりあそこダンジョンだしあんまり入らない方がいいかも……」

「……そうね。クウキがそういうなら……」


 ルーアがリュックのベルトを握り締めて俯く……


 約束は守りたい……

 

「やっぱりあそこに行こう……」

「いいの!」


「……うん」

 

「じゃあ行くわよ!てかあんたまた制服じゃない!」

「……このまま行く」


 着替えるの面倒……

 ——


 転移門を潜る


 見渡す限りの花園……


 そよ風が木花を揺らす。


「やっぱりここは気持ちがいいわね!」


「待って……誰かいる……」

 人影?


「ダンジョンなんだから他の冒険者もいるでしょ!」

 違う……

 ルーアは迷っていたからここに転移させた。


 普通は入って来れない……


「ルーア、待って!」

「なによ!」


 気づいたら目の前に立っていた。

 赤い髪の綺麗な女性。


「ねぇ、知ってる?数日前、確かにこのダンジョンは消滅した。膨大な魔力と共にねっ。」

「……え?」

 

「ここはダンジョン最奥地……君らみたいに弱い奴が来れる場所じゃない……」


 顎に手を当て呟く……


「なによあんた!」


 黄色い瞳がこちらを見る。


 ルーアが前に出て私の手を握る。

 

 鑑定されてる……


「元気だね。弟子を思い出すよー。そういえばちゃんと入学できたのかな……」

「……弟子?」


「ごめんごめんこっちの話……

 ……それで、君たち、なんでここにいんの?」


 髪が逆立ち

 花びらが舞う……

 

「クウキがたまたま見つけたのよ!」

「……偶然見つけた。」


「黒髪の方、私の目を見て言って。」

 

 ルーアのリュックに隠れる……

「無理よ!クウキはコミュ症なの!」


「そうなの?ごめんね」


 圧が弱まる……

 

「……あなた誰?」


「なんだ、目見れんじゃん!名乗ってなかったね……私はマイヤ・マトローナ……」


「ただの冒険者だよ……」


 


読んでいただきありがとうございます

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