私と憩いの場所
33話 私と憩いの場所
「クウキ!エリッタ!朝よ、起きなさい!もうあの汚い部屋に行くのは嫌なのよ!」
鳥の囀り……
カーテンが開く音……
アクアの透き通る声が響く……
……うるさい。
「おはようですの……アクア」
「……」
下のベッドを覗き込む。
「見てください、この寝顔を……」
「あんた、毎日毎日よく飽きないわね。」
「エリッタ……近い」
「おはようございます!クウキさん」
「……おはよう」
最近、どんどん近くなるなぁ……
顔を洗い、制服に着替える。
「では朝食に行きますわ!……あれっ、クウキさんは?」
「クウキなら……寝たわよ……」
「クウキさん!」
引きずられて食堂に行く……
「おはようございます。クウキさん、エリッタ。」
「おはようですの!」
「……おはようハル」
「あら、最近はちゃんと起きてくるじゃない。」
「アリージュもおはようですの!私がクウキさんを起こしていますの!」
「違う……アクアのおかげ。」
「そうですか。大変そうですね、アクアちゃん。」
「大変よ!ハルが起こしに来ないからこうなってるんでしょ!」
「でもわたしは先生に止められていますし……アクアちゃんが大変なら部屋を変えてもらっても……」
「変えませんわ!」
「エリッタばかりズルいです……」
「なにも聞こえませんわー」
「2人とも喧嘩しないで……」
「そうよ、子供じゃないんだから。」
「あら!あなた達が朝食にいるなんて珍しいじゃない!」
「おはようですの!」
「おはようルーア……」
「おはよう!エリッタ!噂によると薬草採取の課題クリアしたらしいじゃない?」
「どこでそれを……」
「やっぱりそうだったのね!」
「すごいです。まだ2週間しか経ってないのに!」
ハルとルーアの視線が集まる。
「まぁ……運が良かったですわ!」
「どうやって100ポイント集めたのよ!」
「ひ、秘密ですわ!」
「クウキ!」
「……キノコ……10個……」
エリッタ……足……いたい
「たまたま北の森に行ったら生えてましたの!」
「キノコ10個って霊薬キノコですか!」
「それって、ダンジョンにしか生えないはずでしょ!森のどこに生えてたのよ?」
「忘れましたわ……」
「クウキィ!」
「……箱庭?」
エリッタ……目が怖いよ
「やっぱりダンジョンに行ってるじゃない!」
「エリッタ!クウキさんをダンジョンに連れてくなんて危険すぎます。」
(クウキさんに危険が——)
「そうよ!何かあったらどうするのよ!」
(ダンジョンに何かあったら——)
「ハルもアリージュも落ち着いて欲しいですわ!ダンジョンの近くに生えてただけですわ!ねっ!クウキさん!」
「……近くに生えてた」
踏まないで……
「それならいいですが……クウキさんに危ないことをさせないでくださいね!」
「そうよ、ダンジョンなんかに入れるんじゃないわよ!」
「わかっていますわ!」
エリッタごめん……
「それはそうと……なんであんた達制服なのよ……」
「……え?」
エリッタと目が合い
周りを見る……
「……今日……休み……ですの?」
「遅いわよ……」
「え……休み?」
心の中で歓喜した。
「ダンジョンねぇ……」
この呟きは誰にも届かなかった……
朝食を終えて寮に戻る……
「せっかくの休みですし、私は城に行ってアクアを紹介してきますわ!クウキさんは?」
「……寝てる」
「……そうですの。では行ってきますわ!」
「行ってらっしゃい……」
ハルも修行だし……
久しぶりに1人の時間……
「どうせなら誰にも邪魔されない場所で……」
——
グランから奪った花畑……
あえてなにも敷かずに寝転ぶ。
青い空に心地良い風……
豊かな花の香り……
この赤い花の香り好き。
少しだけ増やそうかな……
周囲に赤が増える……
「改造した甲斐があった……」
最高の寝床で理想の休日を……
「……ん?」
近くに知っている魔力。
弾けるような声……
ルーア……
「キノコなんてどこにもないじゃない!」
「てかここどこよ!……迷ったわ!」
読んでいただきありがとうございます




