私達の作戦会議
28話 私達の作戦会議
「お久しぶりです。……師匠」
「あなた、教師になったのなら連絡しなさいよね。心配してきちゃったじゃない。」
「心配?クウキさんのですか?」
「違うわよ。あなたと王都よ」
「私そんな暴走しない……」
「するわよ……いや、クウキちゃん少し変わった?」
「別に、変わってないよ」
……
「……まぁいいわ、とりあえず大丈夫そうね。」
「学園に入って1ヶ月、元気そうでよかったわ。フリアスのおかげかしら?」
「いえ、そのようなことは……」
「親として礼を言うわ。めんどくさい子だけど、これからもお願いね。」
「めんどくさくない」
「お任せ下さい、師匠……」
空間が軋む
「最後にクウキ」
「なに?」
鋭い眼差し……
「エリッタ様を護りなさい。」
部屋が光に包まれる……
「……相変わらず嵐のような人ですねー」
「ごめん……」
「いいえ、クウキさんは悪くないですよー。家名を登録してない理由がわかりました。」
「こっちも先生のランニングが厳しい理由がわかったよ」
「師匠と似てますかー?」
「そっくりだよ……」
「もうこんな時間ですね。では明日から薬草採取頑張ってくださいねー」
「任せて、〈隠れ花〉採ってくる」
「ダメですよ」
「じゃあ、霊薬きのこ……」
「ダメです。エリッタと協力して採った物しか受け付けませんよー」
「……わかった」
「では、協力して頑張ってくださいねー。」
最後ママ、私のこと呼び捨てだったなー
「ただいまー」
「クウキさん、遅いですの、作戦会議をしますの!」
「会議?」
「そうですの!私が思うに、低ポイントの薬草をちまちま採っていてもこの試験終わらないですの!」
「なるほど、でどうするの?」
「決まってますわ!この、1本100ポイント……〈隠れ花〉を狙いますわ!」
「でもそれって……」
「そう……ダンジョン〈聖霊の箱庭〉に行きますわよ!そこなら比較的安全に採取できますわ!」
「聖霊の箱庭……」
エリッタ……
わかってる
初日で見つけて、あとは自由時間……
「エリッター、クウキさーん、ご飯の時間ですよー」
扉の外から声が聞こえる
「おっハルですの!いいですかクウキさんハル達はライバルですの!」
両肩に手が置かれる
「私達の作戦は秘密ですわよ!」
「……うん、わかってるよ!」
「ハルー、今行きますわ。」
食堂にて……
「あなた達!明日の作戦はたてたのかしら?」
「私とアリージュは西の草原で、普通の薬草を集めつつ、10本1ポイントの冷爽花を狙う予定です。」
「ハルにしては地味な作戦ね!」
「そういうルーアはどうなんですか?」
「そうね、私は北の森に行くわ!」
「鬼面茸狙いですか……」
「そうよ!1本1ポイントの大物よ!」
「ちゃんとペアの子と話し合ったのですか?」
「当たり前よ、ライザも乗り気だったわ!」
「ならいいですが……」
「ルーア。私達も試験後半は森に行こうと思うから、残しておいてよね。」
「ふっ、甘いわねアリージュ!早い者勝ちよ!」
「森には魔物も出ると聞くのであまり奥行ってはダメですよ。」
「わかってるわよ!」
「でもよかったです。ルーアならダンジョンに行く!って言うと思ってましたから。」
「そうね、ルーアなら言いそうだわ」
「ちょっと馬鹿にしないでよ!私だって浅い階層に何もないことくらい知ってるわよ!」
「あら、お利口さんね。」
「そうですね。」
「ちょっと!ハルとアリージュが馬鹿にしてくるんだけど!2人もなんか言ってよ」
「……ル、ルーアが可哀想ですわー」
「……そ、そうだよ」
「やっぱり、あんた達は優しいわね!」
「……うん」
「……ですわ」
「そういえば、お2人はどちらに行くんですか?」
……
「……庭?」
いてっ!エリッタ……足……
「森ですわ!ルーアさんと同じですわ!」
「そう!じゃあライバルね!」
「そうですわねー」
「じゃあ明日に備えて早く寝ましょうか。」
「そうね、みんなおやすみっ」
「おやすみですわー」
「……おやすみ」
駆け足で部屋に戻る……
「……どうする?」
「……どうしましょう」
……
「勝ってしまいますわ……」
「そうだね……」
エリッタ……やっぱりわかってる……
翌朝、ダンジョン〈聖霊の箱庭〉入り口にて……
「エリッタさーん、クウキさーん、この課題でダンジョンに入ろうとするバカは初めてですよー」
「エリッタ様、護衛として言わせていただきますが。自分の立場をもっと考えてください!」
「クウキちゃん、いやクウキ……」
「正座」
「……はい」
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