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私のダンジョン

私のダンジョン

私は、王都内にあるダンジョン「絢爛の花園」の最下層で花を探していた。

 

「クウキが地下室を吹き飛ばすからでしょ、それより早く〈隠れ花〉を摘んできなさい」


 ダンジョン「絢爛の花園」ギルド公式最高到達地点67層。

 

 想像よりも広く、ここ150層まで5日もかかった。

 

「本当にこの階層に生えてるの?」

 

「生えてるわよ、ほら」

 

 10メートルくらい離れた位置にいるママは足元の青い花を一本抜いて見せてきた。

 

「そんな花どこにもないんだけど……」

 

 ママに近づくと握られていた花が煙のように消えてなくなった。

 

「クウキの魔力がダダ漏れだから消えちゃうのよ。もっと魔力を制御して隠蔽しなさい」

 

 (もう限界まで魔力を封じ込めてるよ……)


 

「はぁ……今日はもう帰りましょうか」

 

 (やっと終わりかぁ〜早くお風呂入りたい……寝たい)

 

束縛の断絶(クロノス)、転移」

 

 (えっ……なんでダンジョンから転移できるの?)

 

 

「どうしたら魔力隠蔽がうまくなるのかなぁ、もう充分できてると思うんだけど、このままじゃダメなのかなぁ……」

 

 大きめの浴槽に浸かりながらママに弱音を吐く。

 

「クウキちゃんほどの魔力を完全に隠蔽するのは難しいかもしれないわね」

 

「じゃあもう修行はいいんじゃ……」

 

「今のままで学園に通うとA級上位やS級冒険者には気づかれてしまうわ」

 

「でも入学試験のときは盾を壊すまでバレなかったもん……」

 

 隠蔽するのにも体力を使うので入学試験中はずっと眠気と戦っていた。

 

「そんなことないわよ、かつて無い魔力を感じたナツメちゃんが私に緊急招集をかけたのよ。もし私が行かなかったら、あなたは複数人のS級冒険者に囲まれて捕まっていたわよ」

 

「S級冒険者なんて返り討ちにできるもん……」

 

 拗ねた私を見てママは少し微笑む。

 

「そうよね…クウキちゃんは強いからS級くらい返り討ちにしてしまうのよね。でもそんな強い子は国家の為に……」

 

 (え……)

 

「わかったよ、入学式までに制御できるように頑張るよ」

 

「そうね一緒に頑張りましょう」

 

 (とりあえずは隠れ花を採取できるようにしなきゃ!)

 


 次の日、朝からママにダンジョンに送ってもらい隠れ花探しを再開した。

 

 (ママが花を持っているときは確かに魔力を感じなかった。少し本気でやってみるか……)

 

 スキルの一部を解除し魔力を封じ込めるのに全力を投じた。

 

 (おっ!これは……)

 

 さっきまで草むらだった地面に、だんだんと花が咲いてきて、私周り以外は青い花が咲き誇った。

 

 どうやら隠蔽スキルを維持するのに使っている魔力に反応していた……


 無駄が多い?

 

 隠蔽スキルは6歳くらいに発動したやつをそのまま維持してるからなぁ

 

 1回全部のスキルを解除して魔力に無駄が無いように再発動しすればイケるかもしれない

 

 

「全部のスキルを解除したいのっ!」

「ダメに決まってるでしょ!」


「いやあれだよ……数日だよ?」

「いや、関係ないわよ……」


「いや……」

「クウキ!落ちついて説明しなさい。」


 

「確かにそうね。スキルを覚えた日に発動させたスキルですもんね、魔力を過剰に使っているかもしれないわね」

 

 ママが真剣な顔で私を鑑定してくる。

 

「魔力は抑えられるかもしれないけど、これじゃスキルが丸見えじゃない。あと黒髪じゃなくなってるわよ。」


「隠蔽スキル一部解除したからね……」

 

「それにしても、綺麗な黄金色ね。」


 そういえば、2()()()()()()()を自覚したとき私の髪色は変わった。

 

 ママが私の髪を梳かし始める。

 

「ママにしか会わないから、解除したままでいいかなって思って……」

 (別にママに見せたかったわけじゃないもん……)


「ふふ、変わらないわね……」


「別にいいじゃん……」



 次の日……

 

「一気に全部解除したらダメよ。周りに人が居ない所でやりなさい。ママは王都から離れられないからね。1人で大丈夫?」

 

「大丈夫だって、スキル更新したら戻ってくるから待っててね」

 

「入学式には戻ってくるのよ、いってらっしゃい」

 

 心配症のママに手を振りながら魔力を巡らせる。

 

万物の鏡(ユニバーサルミラー)、転移。いってきます」

 


「あっ、私のベッド無事だ。」

 (魔石も落ちてる……)

 

万能の鏡(ユニバーサルミラー)絶空断結界」

 

 全力で結界を張る。


 これで誰からも見れないよね……


 まずはスキルの解除……

 

「光覚制御、解除」

 髪と目の色が先ほどよりも鮮やかになっていく。

 

「精霊隠蔽、解除」

 精霊から認識されるようになり、クウキの周りに精霊が集まり始める。

 

 

「なんか疲れた……」

 半数くらい解除して初日は終了した。


 魔力全解放……

 魔力濃度急上昇……


 結界が軋む……

 

 ダンジョン復活しますように……


 希望を持って私は眠りについた。

 


 次の日


 清々しい朝。


 ダンジョンは復活してない


「……起きたか」

 (枕元に誰かいる……)


「……誰?」


「わし、復活したんじゃが……魔王なんじゃが……」


「えぇ……」


 ……

 

「……寝た?」

 ……

「いや、なにこの娘……」

 

「……」

 

読んでいただきありがとうございます

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