わたしの特別な試験
わたしの特別な入学試験
地獄の日々から2年、わたしはレイギス魔剣学園の前に来ていた。
「ここがわたしの通う学園ですか。近くで見ると大きいですねー。」
「いいえお嬢様、まだ入学が決まった訳ではありませんよ。」
「いいえリナ、わたしはここに入学します。首席で入学しなければいけません。」
「そうですか……」
「そうですよっ。では、送ってくれてありがとうございます。いってきます。」
この門からわたしの夢が始まる……
胸を張って堂々と……
「ハル様!、受付はあちらです」
「ありがとうリナ……」
(そんな大きい声で言わなくてもいいのに……)
肩を潜めて列に並んだ
受付に並んでいると高速で移動する人影がこちらに向かってくるのが見えた。
(雷系のスキル……恐ろしい速さですね……)
そのまま門を潜り抜けていく。
学園の伝統で卒業生の冒険者が試験官をすると聞きましたがその方々でしょうか?
そういえばなぜか後方を気にしていましたが……
「女の子……」
振り向くと、列から離れた木の影に黒髪の少女。
こちらを見てますが、誰かの見送りでしょうか?
(鑑定……)
「氷の担い手」「双剣術」魔力700……
ん?
なぜ今わたしは鑑定を?
職員に話しかけられてオドオドしている少女が気になったから?
ん?
身体が震えている……
試験前で肩に力が入りすぎていましたか……
初日は筆記試験、リラックスしていきましょう!
受付を済ませて教室に入るとすでに半数くらいの席が埋まっていた。
(なんか個性的な人が多いですね……)
ノートを見返て何かを呟く者、神に祈るようなポーズをしている者、なぜか刀を磨いている者もいた。
(同じクラスにはなりたく無いです。)
そろそろ試験開始時間ですが、廊下でもじもじしている子は入ってこないんでしょうか?
(見えてますけど……)
あっ入ってきました。
さっきの黒髪の少女じゃないですか……受験生でしたか……
黒髪少女がわたしの斜め前の席に座る。
(なんか怯えているように見えます。)
「みんな集まったかニャ〜?」
あの銀髪の獣人族の方はA級冒険者序列85位のミミロさんではありませんか!
噂通りとても可愛らしい容姿をしています。
(なんかウィンクしてるし……)
諸々の説明の後、試験開始の笛が鳴る。
「試験開始ニャー」
(この2年をここにぶつけます!)
1数字の試験
始まって数分
斜め前は寝ましたけど、大丈夫そうですね。
(もしかして、わたしより早く解き終わっていました?)
2スキルの試験
スキル大全集を暗記しているわたしにとってはサービス問題でしたね。
でも最終問題の超級スキルを7つ全て答える問題はおかしいです。
超級スキルの存在は国家機密のはず……
(そういえばあの女も必死に隠してましたね)
この問題は空欄でいいでしょう。
斜め前は……まだ悩んでいますね。
(私の勝ちです。)
3冒険者の試験
A級冒険者序列1位の娘にとってはこれもサービス問題ですね。
少しレベルが高いですね……
斜め前は寝ましたけど……
これで確信しました。
あの黒髪少女さんは記念受験というものですね。
もうあの子のことは気にしないで試験に集中しましょう。
最終問題、S級冒険者の名前を7人全て答えなさい。
S級冒険者って7人もいるんですか⁉︎
(あんなのが7人もいたら……)
一応学園長ナツメ様と王都防衛のキイナ様、それとあの女の名前を書いて試験を終了した。
試験終了後、自然と黒髪少女の方を見ている自分に気づき慌てて試験用紙の見直しをする。
筆記試験終了後、運動場で明日の実技試験の練習していいとの事なので、急いで荷物の整理をしに寮に向かう。
(教室でだべっていても意味が時間がもったいないです。)
「2人部屋ですか……」
部屋には誰もおらずルームメイトを想像しながら荷物を整理を始める。
ルームメイトと仲良くしたいです、実技試験前に模擬戦とかできたら最高ですね。
そのためにはやはり第一印象が大切です。
とびきりの笑顔でお出迎えしましょう。
「ガチャ」
「はじめまして、わたしはハル・ヒラハシヤ」
相手の顔が見えた瞬間とびきりの笑顔で自己紹介するが扉はすでに閉まっていた。
ん?
いきなり話しかけて驚かせてしまったでしょうか?
てかあの黒髪、記念受験さんじゃないですか!
(やる気が無い人がルームメイトとかついてないです。)
でもなぜでしょう?
緊張している?
でも扉が開いた一瞬……
全身が硬直し、こう思った……
(逃げないと……)
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