わたしは特別な少女
わたしは特別な少女
国営ギルドA級冒険者、序列1位……剣聖レオン・ヒラハシヤ。
わたしハル・ヒラハシヤは剣聖の背中を見て育った。
「父様、どうやったら剣聖になれますか?」
「おぉ……ハルは剣聖になりたいのか?」
少し嬉しそうに見えた。
「はい、父様のように強くなりたいです」
なぜ強くなりたいかは自分でもわからないが、幼いながら強くならなくてはいけないと思った。
「強くなりたければレイギス魔剣学園を目指しなさい、そして大切なものを見つけなさい」
「レイギス魔剣学園?大切なもの?……わかった頑張ります!」
このときからレイギス学園を目指してた。
「父様、かんていをお願いします。」
「そうか、ハルももう6歳になるのかぁ……スキルが発現しているかもな。しかし父様は嬉しいぞ、こんなにりっぱ……」
「かんていを!」
「すまない。では鑑定をする前に少しだけ、まずスキルは全ての人に与えらる物では無い。わかっているね?」
「はい!わかっています。」
「では……鑑定。」
……
「スキル長剣術と魔力創造、それがハルのスキルだ。良いスキルを授かったな」
「ちょうけんじゅう……まりょくそうぞう……よ゙かっ゙たですぅー」
次の日。
「スキル全集……?」
「それには今まで確認された全てのスキルが載っている、これからの鍛練に生かしなさい。しかし、ハルがもう……」
「ありがとうございます。父様。」
(早速特訓です!)
「長剣術スラッシュ」
……なにも起きない。
「父様のようには行きませんね……魔力が足りないのでしょうか……」
(あの本に何か書いてないでしょうか。)
「魔力量は魔力を消費するればするほど増えていく……ですか……魔力創造を試してみますか。」
……
魔力創造?
「えーとっ、授かった者が少なく不明なことが多い。
魔力を消費して、術者が思い描いた物を創造する……」
父様と同じスキル「長剣術」にテンションが上がって試してませんでしたが、「魔力創造」すごいスキルです。
「魔力創造」でいろんな物を作って魔力を消費すれば、スキルのことも理解できるし魔力量を増やす特訓にもなります。
「魔力創造、長剣」
しかしなにも起こらなかった。
(あれっ、魔力が足りませんでしたか?もう少し小さい物なら……)
「魔力創造、短剣」
しかしなにも起こらなかった。
(またダメですか、材質をもっと軽い物に変えて……)
「魔力創造、木剣」
しかしなにも起こらなかった。
(もっとシンプルに……もっと軽く……)
「魔力創造、小枝!」
目の前が光だし想像した通りの小枝が出現した。
「これが今の限界ですか……」
小枝を拾い上げようとするが体に力が入らない……
わたしは魔力を使い果たしてしまいその場に倒れ込んでしまった。
「ん……ここは……?」
目を覚ますと部屋のベットに運ばれていた。
「ハル様、体調の方はどうですか?」
専属メイドのリナが心配そうな顔で立っている。
「わたしどれくらい寝てましたか?」
「丸1日寝ていましたよ、旦那様は魔力の使いすぎで寝ているだけとおっしゃってました。」
「そうですか……」
小枝1本で魔力をほぼ全て消費するスキル……
なんて修行向きのスキルなんでしょう!
「ハル様、どちらに行かれるのですか?」
「魔力の修行をしに行きます!」
剣聖になるために1日も休んではなりません!
それから4年……
「魔力創造ロングソード」
周囲が光り、1本の剣が出現する
体が一気に重くなる
「剣……1本……これが今の限界ですね……」
(誰来ました……2人……強いですね……)
最近、屋敷に出入りしてる冒険者や騎士の魔力をなんとなく感じていた。
わたしの魔力が増えたからでしょうか?
父様に聞いて見ましょう。
「それは戦士の勘と呼ばれるものだ。」
「戦士の勘……?」
「大抵は実戦を得てその中で育っていくものだが……その歳で……ハル、家庭教師を呼んでみるか?」
「家庭教師……ありがたい話ですが、わたしは独学でも……」
(魔力増量の特訓を邪魔されたくないのですが……)
「大丈夫だ。最高の家庭教師を用意している。」
「はい。ありがとうございます……」
1か月後、わたしの家庭教師が家にきた。
「はじめまして私はマイヤ・マトローナ、これから2年間よろしくね」
(なんか軽い人ですね)
「ハル・ヒラハシヤです。よろしくお願いします」
わたしの勘によるとマイヤさんはそこまで強くは無い。
(でもなんだろ……怖い……?)
「よろしく、じゃあ今からハルちゃんの実力を見せて貰おうかな……おぉ〜すごいね……その歳で魔力2500はさすが剣聖の娘さんだね〜」
「ありがとうございます……」
「じゃあまずは、鑑定眼を使えるようになろうか。」
「えっいきなりですか?」
「大丈夫だよ〜、戦士の勘に魔力を乗せればできるから。はい目隠しして。」
黒い布を渡してきた。
「じゃあ今からハルちゃんの周りに魔力の塊を設置するから、その木刀が斬ってみて」
目隠しをするとわたしの周囲に魔力を感じた。
(この辺りでしょうか……)
「近いけどもうちょっと先だね〜」
(この辺……)
「はずれ」
何度も振り下ろすが全く当たらない。
「じゃあ、目隠しを外して斬ってごらん」
(目隠しを外したら修行にならないじゃないですか……)
言われた通りに目隠しを外すと魔力の塊は見当たらない……魔力も感じない。
「これはどうゆうことですか?」
(騙された……)
「ハルちゃんはさっきまでなにを斬ろうしていたの?」
「魔力の塊です」
「じゃあ肉眼で魔力を見ることができると思うかい?」
魔力がとても強い人の魔力は可視化できると言いますけど……
「できないです」
「そう、魔力は魔力がないと感知できない。」
「はい、わかっています。」
「じゃあどうして、今キョロキョロして魔力を探してるの?」
確かに目隠ししてたときは、魔力を使っていました。
魔力を張り巡らせて……
「それだよ〜それが魔力感知だよ〜」
さっきまで何もなかった空間に無数の魔力の塊が見える。
「これが魔力感知……」
今まで何となく感じていた魔力が今はハッキリ存在を感じる。
「鑑定眼はそれの延長線上にある技術でね「長剣術」などの身体強化系のスキルを持っている人なら誰でも使える可能性があるんだよ」
すごい……1日目で魔力感知ができるようになってしまいました。
(凄い方なのかもしれません!)
「じゃあ来週また来るから、今の感覚を忘れないでねー」
「今日はありがとうございました」
(この人について行こう!)
約1年後
「スキル「上級長剣術」と炎みたいなものが見えました。魔力量は17000くらいでしょうか?」
(戦闘系だったんですね……すごく曇って見えます。)
「だいたい合格だね〜。今は私とハルの魔力量の差が大きいからぼやけて視えてるだけだから安心して」
「わたしって魔力少ないほうですか?」
「ん?そんなことないよ。私が高いだけだよ」
(ん?喧嘩売ってます?)
「それと鑑定眼が使えるようになったからって誰でも鑑定しちゃダメだよ。マナー違反だからね!」
(当然です。)
「それと鑑定眼だけで相手の強さを判断しないこと、ちゃんと自分の目で見るんだよ!」
「はい、わかりました。」
「よし!鑑定眼も取得できたし、これからは「長剣術」の修行をしていこうか」
マイヤ先生がニヤリと笑う。
「よろしくお願いします」
なんだか嫌な予感がしますが先生についていきます!
そこからの1年間は地獄だった……
「身体強化系のスキルには実戦だよねー。はい構えて」
「はい?」
(あっ死んだ……)
6時間後……
わたしはボロ雑巾になってた……
「はい、じゃあおつかれー来週までに強くなっといてね〜」
「あ……ありがとうございました……」
(跨いで帰るのやめて……)
それからは毎週毎週ボロ雑巾……
「なかなか戦技上達しないねー。1回受けてみる?」
「え?」
「長剣術スラッシュ」
「ひゃーモロに入ったねー、大丈夫?」
(殺す……)
死にそうにもなりました。
家庭教師を変えてもらおうと父に相談すると「良い修行をしているじゃないか」と笑われて絶望したのを覚えています。
「今日で最終日だね、ハル。」
「はい、今日こそは一撃入れさせてもらいます!」
(○してやります……)
「楽しみだねー」
いつものようにボロ雑巾にされました。
「今日はそこそこ良かったんじゃない」
「あ……」
全身の痛みと魔力枯渇で声が出ない
「もう喋れないかぁ……でもハルならきっと剣聖になれるよ……」
「あっ……あり……」
お礼を言う為に最後の力を振り絞る。
「まぁ、あと見送りの時に毎回中指立ててるの知ってたからね」
(バレてましたかぁ……)
先生が立ち去るまで死んだふりを続けましょう……
「ハル、修行はどうだった。」
「この2年間、先生のおかげでわたしは恐ろしく強くなれたと思います。ただ最後までマイヤ先生に一撃も届きませんでした。」
「それはそうだろ、S級冒険者に一撃入れれるわけがないだろ」
「えっ?」
「知らなかったのか?あの方はS級冒険者マイヤ・マトローナ様だぞ」
(わたしS級に……中指……)
震えが止まらない。
「でもどうして?」
「剣聖の身分を使って国王に頼んだんだ。最高の家庭教師を雇ってくれって。まさかS級が来るとは思わなかったがな」
(笑い事じゃないです……)
あなたの娘は国の最終戦力に殺意を持って接していました。
いつか謝りにいきましょう。
そのときに一発お返ししましょう。
いやできるだけボコボコに……
入学試験当日までこの怒りは続いた。
剣聖になりたい。




