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魔人?私に任せて!

13話 魔人?私に任せて


 温かな気配を感じて私は目覚めた。

 

「ハル、近いんだけど……」

 いい匂いする

 

「すみません、ご飯の時間なのでクウキさんを起こそうと思いまして」

 なんか顔が赤い

 

「起こしてくれてありがとう。でも夕食にはまだ早くない?」

 窓の外まだ明るい。

 

「もう朝ですよ、クウキさん」

 あっそうですか……いつものやつね

 寝過ぎて身体が疲れている感じがする

 

「すみません。魔力を使いきっているように見えたので、無理に起こさない方がいいと思いまして……体調は大丈夫ですか?」

 魔力使い切って大丈夫ですか?


「謝らないで!私なら大丈夫。慣れてるから。」

 夜食べないでよく怒られたなぁ


「……慣れてる?」

「うん……慣れてる。」


 

 朝食を摂り、指定された闘技場に向かうと対戦表が張り出されていた。


 対戦表には名前と実技試験の点数が記されていた。

 

「クウキさんの対戦相手、昨日の実技試験で1300点って?」

 ハルが心配そうな表情で対戦票を見つめる。

 点数書かないでよ……


 私の考えた作戦

 〈なにも知らない赤目の女(魔人)と相手を○しちゃいそうな私(化け物)を模擬戦でぶつけちゃう作戦〉

 がなんかバレバレになるでしょ!


 てか魔人さんも少し加減ミスってない?

 入学時の剣聖……

 

「他の組みは同じくらいの点数で組まれています。これは何かの間違いです。」

 ハルの心配が止まらない。

 安心させなきゃ

 模擬戦を観にに来そう……

 

「そうだね、確実に負けるよね……」

 ハルがこちらを向く

 

「でも私は諦めない!この学園でやりたいことがあるからね!」

 アンナさん直伝のスーパースマイルを発動。

 

 笑顔はすべてを解決する

 

 ハルの心配そうな表情は変わらない。

「また会えますか?」

 最終日、模擬戦の会場が違う私達は、顔合わせることはない。

 

「入学式でまた会おう!」

 決まった……

「いや、次会うのは合格発表の時ですね、お互い頑張りましょう」

 あっ、そうなのね

 

「あっそうだったね、お互い頑張ろう」

 ハルはもう背中を向けて歩き出していた。

 今のは握手とかする流れじゃ……?

 

えっなんか急にドライに……

 



「よろしくお願いします」

 会場にはすでに赤目の女が立っていた。


「よ、よろしく」

 面と向かって見ると美人だなぁ

 強者を前にして癖で結界を張る……

 

「あなたもしかして気づいている?」

 魔人が魔力を解放させる。

 流石、魔人……結界が壊された

 

「なんのこと?」

「とぼけちゃって……魔力700?その程度の魔力量でよくこれたわね。」

 鑑定されてる……

 

「別に来たくなかったけど……あと勝手に鑑定するのはマナー違反だと思うよ」

 お返しに、鑑定……

 

 一応隠蔽しているみたいだが私には関係ない。

 名前は「アリージュ」 種族 「魔人族」 スキル「冥刻の夜剣」「雷の担い手」 魔力45万6000。


 すごい魔力だね……

 

「あなた、私のモノにならない?」

「ならない。あなたを捕まえる。」


「あなたじゃ無理よ、私のオモチャになるだけだわ」

 まだ私のこと普通の女の子だと思ってる?

 

「オモチャにはならない。オモチャになるのはアリージュだよ。」

 隠蔽が得意みたいだけど、ごめんねアリージュ

 

「あなた……どこで私の名前を知ったかは知らないけど、刺激的なこと言うわね。あなたのオモチャになれるなら負けてあげてもいいわよ。」

 さっきからオモチャって……ん?

 

 なんか変だぞ?全然攻撃してこないし……

「闘う前に1つ聞いてもういい?」

「何よ?」

 

「なんで人間の学校に通おうと思ったの?」

「……あなた少し前に「龍王の深淵」が消滅したことは知っている?」

「知らないけど、何か関係あるの?」

 知ってます、私がやりました。

「あれやったの、人間の女の子よ」

 待ってそれ以上聞きたくない!

「それで?探しに来たの?」

「そうよ。その子と戦おうと思って」

 目的達成するじゃんよかったね!

 

「じゃあその女の子を殺しに来たってことね?」

 

 アリージュが首を傾げる。

「私なんかが殺せるわけないでしょ!笑わせないでよ」

 笑い事じゃないんだけど……

 

「じゃあなんで?」

 

「私は人族の女の子を愛しているの」

 ……ん?

 

「特にあなたのような美少女が大好き。もし死ぬとしたら美少女と戦って殺されたいと思っているの。」

 ……あれ?


「龍王の深淵を壊した女の子なら私のこと殺せるでしょ?」

 この魔人族は綺麗な目でなにを言っているのだろう。


「じゃあオモチャって?」

「オモチャはオモチャよ」


「は?」


「だからあなたみたいな美少女に綺麗な服を着せたり……お風呂に入れてあげたりして遊ぶの!」

「はぁぁ、早く試合が始まらないかしらぁ、あなたをオモチャにして遊びたいわぁ」

 

 もう駄目だ、こいつ(アリージュ)はただの変態だ。

 

 模擬戦開始の笛が鳴る。


「来なさい冥刻の夜剣(フォルネウス)

 夜が始まる……

 視界が奪われた


 暗闇のなか突っ込んできた変態(アリージュ)(魔力でバレバレ)を、素早く避ける。

「あなた……速いわね。」

 さらに向かってくる。

「……遅いよ、アリージュ。」

 私の全力パンチが一撃で気絶させた。

 

 

「魔族を一撃で倒すとはのぅ」

 学園長とママが転移してきた。

 

 魔人族のスキルとか見てみたかったがキモすぎて倒してしまった。

 

コイツ(アリージュ)どうなるの?」

 この変態(アリージュ)の行方には特に興味はないができるだけ近づきたくない。

 

「まだ決めてないが、とりあえずわしが監視しておくかのぅ」

 

 学園長はニヤリと笑うとアリージュを引きずり出した。

 いや、運び方……

 

「そういえばクウキよ、もう試験は終わりじゃ。帰って良いぞ」

 

 なんか疲れたから助かるよ

「じゃあ帰りましょうか、クウキちゃん」

 どうやらママが送ってくれるらしい。


「うん、一緒に帰ろ」

 

 なんだかんだでママは優しいから大好き。

 

 

「なんで地下室なの?」

 どうせなら寝室が良かった。てか結界強化されてる……

 

「今回の試験を観察してみてね、ママわかったの」

 

 私の有能さを再確認したのなら嬉しい。

 

 まぁオチは見えてる……

 どうせクウキちゃん成分がたりないとか言い出すに決まっている。

 

 試験では学園長にスキルを見られないように守ってくれたし、

 魔人族と戦う時も私の戦いが誰にも見られないように多重結界を張ってくれてたし、

 

 今日くらいは甘えてあげてもいいかなぁ。

 

「なにがわかったの?」

 ママに擦り寄る

「クウキちゃんには力の制御が足りないってね」

 

 ん?

 

「今から入学までの一カ月間クウキちゃんを鍛えなおします」

 

 え?どうして?

 

「このままのクウキちゃんを入学させたら他の生徒さんを殺しかねないでしょ?」

 

 そんなことは……たぶんない……と思う。

 てか心を読まないで!

 

「これから頑張ろうね、クウキ」

 

 ママが私を呼び捨てにするとき、決まって地獄が始まる。

 

 二年ぶりの鍛錬……死んじゃうかも。

 

 私は心の底から祈った。

 

 またハルに会えますように……。

読んでいただきありがとうございます

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