表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/43

入学試験で見つけた才能

11話 入学試験で見つけた才能



 指定された闘技場に行くと100人くらいの受験生が集まっていて、体をほぐしたり武器の素振りをしたりしている。


 一応私もやっておこう……

 

 ハルの表情も先程とは違いどこか緊張して見える。

 闘志を感じる。


 しばらくすると、細身で髭を生やしたおじさんが大きい盾を持って空中から現れた。

 

「私はこの学校の教師をしているダグ・ガルバだ。実技試験の試験官を任されている。」


 ん?このおじさん常に鑑定眼を発動させてる……?

 あっ、いいこと思いついた!


「今から君達にはこの魔法陣が書かれた盾に魔法もしくは戦技で攻撃してもらう。盾が示した数字がそのまま実技試験の点数になるので全力でぶち込むように。」


 スキルって一般的にぶち込むって言うの……?


「番号を呼ばれた者から前へ出ろ!1011番!」

「はぁい!」


 返事でかっ……

 

 最初に呼ばれたのは長剣を持った男子。

 表情と歩き方から自信が伺える。

 

長剣術(ソードオペレイト)、スラッシュ」

 「ウぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」

 深く踏み込んで長剣で盾を斬りつける。

 

「ポコッ」

 

 軽く小突いたような情けない音

 なんか見てられない……

 

 137


 盾の上に数字が浮かんできた。

 

 高いのか低いのかわからないが周りの反応を見る限り、たぶん低い。

 

「次1012番」

 

 次に呼ばれたのは杖を持った赤髪の女の子。

 

 真剣な顔で杖を構える。

 温かい風を感じる……

 

「いきます、炎の担い手(ファイヤソーサラー)、ファイヤーボール」

 

 圧縮された火球が盾を揺らす。

 あったかい……


 534


 点数が表示されると会場が沸いた。


「今のは凄かったですね。全魔力を一撃にかけた感じがしました。」

 ハルも驚いている

「そうだね、凄かったね」

 全力で制御しないと……大変なことになりそう


 その後は100〜200点くらいのパッとしない点数が続いた。

 

 合格するだけなら180点くらいで良いかな……

 

「次1044番」

 

「はい!」

 

 威力調整のイメージトレーニングをしているとハルが呼ばれていった。


 使い込まれた長剣を盾の前で構える。


「お願いします。」

 

 試験官がハルに鑑定眼を向ける

 試験官に魔力を合わせて……

 

 割り込み成功……


 ハル、ごめんね

 

 私の勘は高確率で当たる。

 ハル・ヒラハシヤ

 スキル「上級長剣術」「魔力創造」

 魔力量12000。

 

 スキル「魔力創造」

 魔力さえあればどんな物でも造り出せる稀有な上位スキル。

 私もよく使用している


 上級スキルを獲得していることや魔力量を見ればハルがどれだけ努力してきたのかがわかる

 

 可愛いくて、優しくて、強くて、努力家。

 

 見つけたぁぁ!もうハルじゃん!

 


 ハルは静かに呼吸を整える……

 

「……上級長剣術(ソードマスター)、シュレット」

 呟くようなスキル詠唱。


 気づけば振り下ろされていた剣。

 

「スッ」

 空を裂さく音が遅れて聞こえる。

 

 衝撃波が私の髪を揺らす


 987


 綺麗だなぁ……

 

 会場に歓声が響く


「なに今の!」

「こんなの見たことない……」


 私の目標が決まった。


「お疲れ様、ハルって凄いんだね!」

 戻ってきたハルの表情は少し暗い

 

「私なんてまだまだです。今の剣聖が入学時に出し点数が1200点らしいんですよ」

 僅差じゃん!

 

 最高得点を出したハルがなんか暗い。

 この状況でなんて声を掛ければ……


「ハルも充分すごいと思うけど……」

 ぶっちぎりの最高得点なのに

 

「そうですか?、ありがとうございます。」


「そうだよ。点数も凄かったし……構えとかスキル発動のフォームとかも凄かったし……なんか、こう……綺麗だった……」

 

 私の語彙力が憎い

 

「ふふっ……クウキさんに褒められるとなんだか嬉しい気持ちになりますね。」

 

 ほんとに?

 

 それからも試験は続き、

「最後1223番」

 

 やっと私の番号が呼ばれた。

 待ちくたびれて少し眠い

 

「頑張ってください!」

 

 応援してくれてるハルに手を振って、盾の前に立つ。

 

 これまでに出た点数を整理すると、ハルの987点が1位で2位が534点。

 続いて400点台が2人に300点台が1人、後は200〜100点の間だった。

 

 180点出すイメージは完璧……しかしそんな普通の点数でハルの隣に立つことはできない。

 

 せめて300点台を出して少しだけハルに近づこう。

 

 いや思い切って600……

 

 いつもより気合いが入いる。

 

 

 イメージより少しだけ力を入れて……

 


 ん……いつもより気合いが入る……?

 

氷の担い手(アイスソーサラー)、アイスアロー」


「あっちょ……」



 音速を超えた氷の矢が盾に衝突する。

 

 瞬間、ハルの時とは比べのもにならない衝撃波と爆音が会場を襲った。


 9999

 

 あっ……

 

 衝撃波の後に残ったのは盾だった物と私の泣き顔。


 床に散らばった盾を見つめることしかできない

 

 ……終わった

 

 

「この試験で酷使しすぎたかのぅ」

 ん?転移……

 いつのまにか私の前に和服姿の幼女が立っていた。


「学園長っ!それはどうゆう……?」

 試験官が幼女に尋ねる。

 

「これまで吸収してきた魔力の蓄積が盾の許容量を超えて爆発したのじゃ。そういえば9999と表示される前、ほんの一瞬じゃが300と表示されとったぞ」

 

「そうでしたか、学園長。1223番の点数を300点とするっ」


「娘よ、怪我はないか?」


「……大丈夫です」

 助けてくれた?なんで?こわい……

 

「ならよかったのじゃ」


 幼女が霧のように消えていく……


 

 

 私としては狙い通りの点数を取れてよかったけど、腑に落ちないことが多い……

 

 そして、あの幼女は強い。

 魔力量はママに匹敵する。


 周囲を見ると他の受験生は漏れなく気を失なっている。


 あの幼女の魔力が強すぎるせいだ……


 ……


 ……嘘です、私が盾を壊した時にはみんな倒れてました……


 いやでも受験生を守るのも試験官の仕事じゃない?

 ちゃんと守ってよ!

 ……

 いやうそ

 みんな……ほんとごめん……


 てかハルは⁉︎

 ハルは強いから、もしかして!


 気絶していた……


 


読んでいただきありがとうございます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ