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シーカーの軌跡  作者: レイン
βテスト
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17/25

17

説明はこんな感じだった。

一つ目は NPCに被害をなしで第2の街に着くこと。

NPC2000人中、被害が死傷者が250名を超えたら、クエスト失敗……報酬は無しになり、NPCの店での物資の購入額が2割増しになる。


だが成功したときの報酬は豪華で貢献度によって変わるが一番高い貢献度の者は望んだもの、若しくはそれに近い物が貰える。 貢献度は提供するアイテムなどでも稼げるらしく、このクエストに出る前に参加者にアイテムを売ったり渡したりしたプレイヤーには相応の貢献度が送られるらしい。


ここでざわめきが起こり、「6人の英雄の誰かが獲りそうだよな……」とか「あのギルド、コードネームがあるらしいぜ……まだ噂だがな……小説の登場人物の名前とかありそうじゃないか……?」


という声が聞こえてきた。

因みに二つ目の囁き声に全員がギクッ、となったことは秘密だ……


二つ目はプレイヤー達、護衛側の配置についてだった。

人数が多いので一度に出てくるモンスターの量が大量になると思われる。


そして、NPCは空間拡張してある50人乗りの馬車40台で移動するがプレイヤーが徒歩なので相当速度は遅くなる。第2の街に着くまで3日位らしい。


プレイヤーの参加人数は1992人、第2フィールドと言うことでそこまで成長していないプレイヤー層の参加率が悪く、生産者を除いても約500人が不参加のようだ。


まぁそれは良いとして、その1992人を一回だけど集団指揮の経験者なんだから頼んだ! と言うことで俺が分けることになった。



でもグダグダしていてもしょうがないので早速分けることにした。


先見隊:リーダーは円卓の騎士団マスターのエルガ、人数は800名、これを更に50人づつに分けレイドを組み、本隊の16方位に散会して貰い、寄ってくる前に魔物を倒す。援護を頼んだとき隊を2つに分けられるように50を25人ずつのグループにも分けてもらった。


護衛隊:リーダーはデーモンズカルマ マスターのルヴィー、人数は900名で更に魔法、遊撃、防御の部隊に分ける。隊長はそれぞれサラ、ラーク、ガッシュにやってもらう。

タンクに馬車の周りを囲んで貰い、敵の多い場所に遊撃部隊が援軍を回し、魔法部隊が馬車の上から目を光らせて危なそうな場所に魔法で牽制、殲滅する。


本隊:リーダーは俺が務める。人数は192人、先見隊のそれぞれ8部隊ずつのリーダーと連絡を取れるものを2人、戦いながらでも連絡できるサラと出来そうなシルキーを配置し、残りを半分ずつに分け、前と後ろに配置する。

緊急時に即援軍に行ける配置にした。




そして、編成が終わった頃にはNPCの準備も終わり、あとは出発するだけになっていた。

はぁ…………また激励か……こう言うのはあまり得意じゃないんだけどな。


「あー、おほん。


皆、今日のクエストは我々の反撃の狼煙となり、NPC……いや街の、世界の希望となるだろう。


そして、この移動で故郷に帰れることになる人もいるだろう……絶対に成功させるぞ! NPCとか関係無く、喜びと希望を与えるために!


ここは敢えてフラグを建てておく!

目標は死傷者無しだ!! 成功したら盛大に飲んで、騒いで、お祭りだ!!


いくぞっ!!」


『おぉぉぉ!! 』


1500人の声が響き渡る。

さぁ、出発だ!

予定では第1フィールドギリギリで野営した後、早朝から第2フィールドに入る。




野営地で十分に休息を取った俺達は一気に進むことにした。

森を一日で向け、草原で野営をするため、今日は移動の速度をあげる。



NPCの周りをタンクがガッチリと守り、遂に第2フィールドに入る。

入ってすぐの第2フィールドは森に覆われており、見通しが悪い、その森を、昔使っていたらしい道のような場所を移動していく。


先見隊が散り、20分ほどすると少し離れた場所で戦闘音が聞こえてきた。


「シーカー、早速S1部隊が接敵、戦闘開始したみたいだよ。魔物の数は凡そ50、種族はゴブリン! テンプレ来たー! じゃなくて、人型でアーツを使ってくるらしいよ!」


S11部隊でも接敵したみたい、同じくゴブリンだよー、とシルキーも報告してくる。


先見隊にもタンクが要るからそれで持ちこたえてくれるか?


「そうか……『エルガ、ここのエリアはゴブリンが「S4部隊からコボルトと接敵!」そして、コボルトが出るらしい。その他にも新しい魔物が出てくるかもしれないから注意してくれ』」


エルガから了解の意が返ってくる。


「シーカー君! 護衛隊が馬車左側で接敵、種族はオーク! 相当強いみたいでタンク2人で漸く防ぎきれるようなのが30体!」


「くそっ! 魔法部隊数人回せ! 俺が出るウィスパー繋ぎっぱなしにしとくからウィスパーで指示を出す!」


そう言い残し、オークに襲われているところに援護に向かう!


いきなり急展開だな! まだ見ぬ強敵に心を踊らせ、オークの元に急ぐ!


襲われている場所に着くと武装した二足歩行の豚が棍棒や、斧を振り回している。

俺の新武器お披露目だぁ!


片鎌槍の刃が煌めきこちらに気づいていないオークの首を掻き斬る!


HPは全損していないが麻痺を食らい、崩れ落ちる。


まだまだぁ! 10体ほどいる場所に突っ込み、オークの腹に突きを放ち、薙ぎ払い、石突きで砕き、鎌で首を刈り獲る!


オークが次々に破裂し、崩れ落ち、四散する!


「すいません、助かりました!」


数が減り、タンクが持ち直す……

何か呆気なかったな……ちょっと武器の性能が良すぎるな。


しかもこの魔槍、魔力を込めればその魔力を消費して修復する特性を持っている。


なにも考えず斬っていけるのだ。


『シーカー! S6部隊が100体オーバーのゴブリンとコボルトの混成部隊に襲撃されてる!』


役目を終えたので戻ろうとするとウィスパーからサラの声が響く。


『本隊のA1部隊から30人を援軍に出せ! ラーク達を向かわせろ! 後S6部隊を少し後退、援軍と合流するまで耐えろと伝えてくれ!』


そして、本部に戻ると前方に異常を発見した。

行軍しながら今までは魔物に対応していたが今回は止まらないとヤバそうだ……

馬車に止まるように言い、必要そうな人物にウィスパーを飛ばす。


600ほどありそうなコブリンの群れが迫ってきていた……急いで前方部隊とガッシュに連絡し、ガッシュには数名のタンクを一緒に連れてきて貰う。

俺も出るしかないな! サラには待機して貰い、前方にいそぐ!


「一撃俺がでかいの入れるから動揺したところに突撃だ!」


まず指示をだし、魔法の詠唱を開始する……


「いくぞ。[無魔法:三重奏(トリオ)] [無魔法:変動(チェンジ)] [マルチプル] [ロックブラスト・セプテッド・チェンジ・ロックファルコン!]」


違う魔法を同時展開できるオリジナルを使い、更に無魔法の変動で土魔法を発動後に形態を変化させる!


岩の連爆がゴブリンの部隊の半分を覆い、更に砕けた岩が鷹を形作り、49体の群れができ、狼狽えているゴブリン達を屠っていく!


「おぉ、一気に半分近く減ったな……イカれてやがる」


ガッシュの呟きがそこにいる全員の心の声を代弁していた……


「ぼけっとするな! 突撃だ!」


俺の声に皆がはっとして突撃を始める!

数が多いな!

乱戦ので隙の出来る大技は使えないのでアーツは[柊]か[砕]位しか使えない。


蒼気を纏い、ゴブリンの剣を避け、槍で首をはねる。


くそっ、だんだん押されてる!


『シーカー君! 右側面からコボルトの群れが100匹ほど迫ってきてる!』


なに!? くそっ、こっちは余裕ないぞ……


『此方は援軍を送る余裕がない……先見部隊で接敵してない部隊を1部隊援軍に回せ! それと後ろの本隊から20人程度出せ! それとサラ、そこに援護に行け』


話している間にも俺はサンドウィップでゴブリンを叩き、外のプレイヤーはバディーで連携しながら敵を屠り、岩鷹が順調にゴブリンのHPを削りつつ注意を引く。


『わかった……伝えたわ! それじゃぁ連絡は一時シルキーに任せるよ』


ウィスパーからゴブリンに意識を戻す。


「魔法で潰す。退避してくれ! [暴食の砂嵐ベルゼブブ・ダストストーム]!」


嵐がゴブリンや周りの木々を飲み込み塵に変えていく……木は風化し粉々になり、ゴブリン達はHPを急激に減少させ、エフェクトを撒き散らして爆散する。


よし、殲滅に……『シーカー君! 後ろからオークの群れ! 約40体! 今はタンクと遊撃部隊で凌いでるけど、どうする!?』


「そうだな、シルキーが将を務めて魔法部隊を50名率いて援軍に迎え! ここが最初の正念場だ!」


毅然とした態度で指示を出し、生き残ったゴブリンを駆逐するために追撃をかける!


[スラッシュ]


ゴブリンが切り上げてくるのを紙一重で躱すと、石突きで衝いてゴブリンの重心をずらし、よろけたところに顔面を鎌で突き刺す!


「[弐之型:閃]!」


後ろから襲ってくるゴブリンを蹴り飛ばし、近くにいる奴ら諸とも切り裂く!



そして、遂に群れ……というか軍勢を駆逐し終わった。

全ての方面で戦闘が終わったようだ!

サラとシルキーにウィスパーを飛ばし、部隊の被害状況を確認する。


『えーと、S1~8部隊で死に戻り20名、それと魔法部隊の死に戻りは0だよっ♪』


『S9~16部隊は死に戻りは10名で骨折の状態異常者が6名だよ~。遊撃部隊は死に戻り40人、防御部隊は10名みたいだよ~』


それぞれの答えの意外な少なさに驚く。


「そうか……思ったより被害は少ないか? NPCの死傷者は?」


『え~と、今確認するねっ!』


サラに聞くと確認してくれる。


達成条件だからな……出来るだけ少ないといいんだが……


『NPCの死傷者は……0! 被害なしでした!』


「そうか、なら今の防衛は大成功だ! 皆、今の攻防はNPCに被害無しだ!! 第2の街までこの調子で行くぞ! 」


プレイヤー達が俺の声に雄叫びをあげ始める。



本部でサラとシルキーと合流し、一息着くと休憩を5分取った後出発する。第2フィールドに入ってからここまで三時間、相当神経をすり減らしたが警戒しつつ全身だ。



行軍を始め、時々馬車にプレイヤーをのせてスタミナを回復させ、2時間程順調に進み、少し開けた場所に出たので昼食を摂る。



それから数回小規模な襲撃があったが、最初のような襲撃はない。静かすぎる森は違和感に包まれる……


そして、遠くに草原がうっすら見えてきたとき、後ろから敵が迫ってきているとシルキーが連絡を貰う。


迷った俺はガッシュとラークに連絡し、本隊の援護に行かせることにし、外のプレイヤーには各自周囲を警戒するように指示をだした。



後ろの方で戦闘音がしているが気にせず行軍し、襲撃に備える。しかし、今までゴブリンなどの陸上系の魔物しか出なかったことで全員の注意が下に向いてしまっていた……


気付いたときにはもう接敵されていた!


影に気づき上を見た直後1羽の大きな鳥が急降下してきていた!


くっそ!

「上だ! [マジックアロー]! [サンドバレット]!」


無属性の魔力矢と砂の弾丸を飛ばし、減速させるがそれでも止まらない……!


そのままバランスを崩した鳥が馬車に直撃する!

あそこで暴れられたらヤバイ!

急いで鳥が落ちだ馬車に飛び移って空いた穴から中に入り、鳥の頭を槍で薙ぐ!


麻痺に掛かったようで、動かなくなった鳥に止めを指す!


「ご迷惑お掛けしました! 怪我人はいらっしゃいますか? 居たらポーションを渡しますので……」


すると3人ほど手を挙げた。

その3人は3人とも足を怪我していた……ポーションで傷を直し、さっきの鳥、大怪鳥(ビッグウィング)の、即ち空中からの攻撃をある程度警戒するように伝える。ある程度なら魔術師で全て対応できるが数が多いとそうは行かないからな……


多分ビッグウィングは俺か魔術師じゃないと対処できないだろうな……魔法部隊に上空の警戒をするように伝える。

俺や魔法部隊なら魔術で接近される前に落とせるだろうからな。



俺は気配察知を常時発動して、更に魔力の糸(名付けるならマナシルクだな)を半径50mの半球上に蜘蛛の巣のように張り巡らせ、周囲の空間を完全に把握できるようにした。


それからたまにビッグウィングが襲撃してくるようになったがそれも1~15匹の規模で、全て攻撃される前に捕捉し位置を把握、そして魔術で殲滅できた。



だが漸く草原が見えたところで異変が起きる……


ドドドドド……


という音が聞こえ、100頭を超える馬が走って居るのだ……

バトルホースと言うらしく一体の強さも相当あった。

まず、中堅層以下のプレイヤーが使っている、★2や3の武器では傷を付けることすら出来ず、HPも数ドットしか減らなかった……有効なのは魔術と★4以上の武器……それトップクラスのプレイヤーじゃなきゃ武器で倒すのは無理ってことじゃないか……ここはガッシュとラーク、そして目立っていないが援護などで活躍しているイスルに期待しよう。



予定よりも早く平原に出たが出来る限り進むことになり、バトルホースの群れを殲滅し、ある時には魔術でフルボッコにし、またある時には俺達『6人の英雄』が出張って殲滅したりした。


そして、丁度良い場所についたのだがまた新たな襲撃が来た……


『敵はバトルホース! 見たところ600体は下らない数らしいです!』


サラからの報告が入る……


「皆休憩モードだし、俺がさくっと終わらせてくる」


「そっか、頑張ってね!」


「おう、確りみとけよ? 瞬きすると見逃すかもよ?」


ちょっとカッコつけて出てきた俺は、迫ってくるバトルホースの群れを見据えた。


「皆! これが私達のギルドのマスター、アンノウンの実力だよっ!!」


サラの煽り文句にプレイヤー、NPC問わず恐る恐る首を出してこっちを覗く……


気を纏い身体を、武器を強化する……

群れが射程に入った瞬間アーツを放つ!


「はぁっ! [殲滅技 天之型:天元滅鎌槍(ハイパーノヴァ)]!」


槍を片手で真上に掲げ、そこから一気に地面に振り下ろす!

掲げられた槍が気の出力を増加させ、パラサイズスピアを10m程に巨大化させたような、気で構成された鎌槍が頭上に構築される。


俺の槍に連動して振り下ろされたそれは鎌の先が地面に当たった瞬間に一瞬消滅したように見えるほど圧縮され、一気に解放される!

周りを全てを破壊する暴虐の波動が蹂躙の限りをつくし、俺達を場所をの手前で止まるが、爆風が俺達を襲い、思わず目を閉じてしまう……全てが収まり、目を開けた時目の前、直径300m程がまっさらな大地に変わっていた……



……なんだこのヤっちまった感わ。

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