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「じゃあまた来る! 今日はありがとな!」
「今度来るときはもっとまともな素材持ってきやがれ!」
「わかったわかった……これからは鍛冶ルーム使うって」
鍛冶場は貸してくれたが本来はプレイヤー用に鍛冶をする作業部屋、鍛冶ルームや木工ルームなど生産者用の部屋が神殿の近くにあるらしく、良い素材が手に入った時以外はそっちを使えと言われた……
使える道具のラークは高くなるほどレンタル料が高いらしい。
いつか絶対自分のを買ってやる……
全員分の武器を作り、使わなかった素材をナツカ売って皆がいる宿に戻る。
『ピロン♪ ピロロロン』
帰る途中ラークからウィスパーが来た。
「なんだ? 今から宿に帰るところなんだが?」
『おっ? じゃあ武器が完成したのか! いや、それは用事が終わったらで良いぞ! 今すぐ神殿の向かい側のでかい建物に来てくれ』
ラークは今イスルとガッシュとそこにいるらしい。
そして少し前に呼んだらしいサラもいるらしいのであとは俺だけのようだ。
「わかった。こっからなら10分位で着くと思う」
神殿の方向に歩く向きを変えて、走って行く。
神殿の向かい側って誰も入れなかったところじゃなかったか……?
何があるのか疑問に思いながらラーク達の元に急ぐ。
「おお、きたか!」
ようやく着くとどうして呼んだのか説明される。
まず、ラークとイスルとガッシュは今日は俺が武器を作ってていないけど少しでも差を埋めようと3人でアインの森にレベル上げにいっていたらしい。そして帰ってきてここの市場で素材を売ったあと街を歩くことになり、この辺りを散策していたらしい。そして、この建物の前を通ったときに貼り紙を見つけたとのこと。……ふむ、その貼り紙にはシーカー様、そしてそのパーティーメンバーのラグナロク様、サラ様、ガッシュ様、イスル様の建物の解禁、と書かれているな。
扉に貼ってある紙を読むと確かにそう書いてあった。
実際にはもうちょっと長たらしく書いてあるんだけどな……
で、これを呼んで建物に入れるようになったと知って、驚いて皆に召集を掛けたらしい。
「早速入ってみようぜ? スゲー気になってんだよ!」
それに皆は頷いて答える。
ラークが扉を明け、そのあとを着いていく……
なかには1人も……いや、フロントに受付嬢のような女性が1つの窓口に1人座っている。
俺たちは1から5番まであるフロントの中で一番奥のフロントに行き、受付嬢に話しかける。
「少々お待ちください…………マスターがお会いになりたいそうです。今からでもよろしいでしょうか?」
問題ないので案内してもらう。
通された場所は応接室と扉にあった。
受付嬢に促され、なかにはいるとそこには筋骨逞しいごっついおっさんがソファーに座っていた。
「初めまして、一応パーティーのリーダーをしているラグナロクです」
「あぁ、よく来てくれた。儂はディルガスという。早速座ってくれ」
挨拶をすませると相手にすぐに座るように言われる
横長のソファーには4人しか座れそうにないので俺はその隣に置いてある立派なソファーに座る。
「……それ儂の椅子なんだがな……まぁ、今はそんなことはよい」
「それで? 俺らだけこの建物にはいれるのは北の暗闇の洞窟に行ったからか?」
ディルガスがなにかいっているが無視して俺が単刀直入に聞く。
他のプレイヤーとの違いっていったらそれくらいしかないしな。
尤も、最近はアインの森のボスを倒したパーティーもちらほら出てきているようだが……
俺は西の森の方がボスはアインの森のボスより弱かった気がするから。他の人たちもすぐ後ろに迫っている感じはする……
雑魚は西の森の方が厄介だけどな……
「いきなりだな……だがそうだ。暗闇の洞窟はアインの森、深緑の森、2つのエリアのボスを倒さないと行くことが出来ないエリアだ。そして現在、『来訪者』達いや、人類の中でもっとも早く暗闇の洞窟にたどり着いた君達に頼みたいことがあるんだ」
「頼みを聞くとか聞かないとかその前にこの建物はなんなんですか?」
ディルガスの話を聞いて浮かんだ疑問をイスルが聞く。
そう、この建物のことがまだ全くといって良いほど分からないのに頼みもへったくれもない……まずはそこからだ。
「あぁ、すまんかった! 説明していなかったな……少し長くなるからな?」
そう前置きして話始める。
「昔、150年ほど前らしい。まだ魔物たちに領地を占拠される前まで、この大陸、いや、世界には冒険者レギオンというものがあったらしい……
だが魔物が襲ってきたとき冒険者は最低限戦える者は全て、レギオンの支部長や幹部、総帥までもが戦闘に駆り出された。しかし、魔物たちに敗れ、生き残った冒険者は多くはいなかったのだ。
やがて生き残った冒険者達は集まり、人数を増やした。
そして、その冒険者たちは今最後の砦となっている始まりの街アインに人々の希望となる集団、解放者の本部を置き、支部を前線に建てた。
……それで、その本部がこの建物なんだが……今は登録者は最低ランクが2人とその一つ上が3人のほぼ機能していないといっても良い。他の支部に至っては魔物の占拠したフィールドにあるからないと同じようなものだしな……
そこにお前達が現れた! 『来訪者』達こそが我々の希望の光だと思ったんだ! だから君達を呼んだ。ギルドに登録してもらうためにな」
男の説明が終わる。
ピン、と張った空気が緩む……この男はリベレーターズマスターというわけか。
さらにディルガスが続ける。
「メリットはそっちにもあるぞ。 まずお前達はフィールドボスをレイドで倒す方法しか知らないはずだ……だがそれ以外の方法をとることが可能になる。」
「なんだと……? それが本当なら俺達がトップを走り続けることができるぞ……?」
ラークが半信半疑の様子で呟く。
「その他にもある。リベレーターズに入り、ランクを上げることで名声が手に入り、一定量を超すと街で割引なんかのサービスもうけられる。そして、これはレイドで倒す以外の方法に関係するんだが、ギルドを立ち上げることができる。その昔のどんな人間でも加入できる冒険者レギオンとは違う、同じ思想をもった仲間が集まり作る集団だ。
これがどうフィールドボスと関係するのかというとだな……」
関係するのかというと? …………
「それは入ってから自分達で確かめるんだっ!」
散々引っ張っておいて放り投げやがった……!
それよりもリベレーターズに加入するかを5人で集まって相談する。
「どうすんだ? こっちのメリットは多そうだけど正直あっちにメリットがあるのか分からない」
「ラーク……貴方はバカなのね……あぁ、もう諦めることにしたから考えるのやめよ……イスル説明してあげて」
「あはは、わかったよ。あっちのメリットはまず僕たちの加入、今登録してるメンバーは最低とその一つ上の合計5人だけ、つまり暗闇の洞窟に行けるほどの力はないってことだよ、あくまで憶測だけどね、で、次が2つ目、ボスを倒せる人材が加入したと触れ回れば人々は再び希望を持ち始める、これもメリットだろ……あとはわからないけどその他にもあるんじゃないかな……」
「よくそれだけ考えれるよな、お前達は……」
ガッシュが感心して言う。
「俺としては入っても良いと思うぞ……何よりギルドを作れるのが良いだろ」
「そうだね、レイド以外の方法があるのがこっちとしては大分嬉しいしね」
ということでリベレーターズに登録することになった。
受け付けに戻り登録用紙に必要事項を記入する。
名前と種族、レベルを書いて登録は完了らしい。
「それではこれで登録致しますね…………はい、完了しました。シーカー様は既にアインの森、深緑の森のボスを倒しておられますのでそれを考慮してランクD、他の皆様はレベルと暗闇の洞窟でも活動可能なことを考慮してランクEにランクアップしておきました。それにしても皆さんレベルがお高いですね! 特にシーカー様が素晴らしいです。ご活躍、お祈りしております。
それとマスターからの伝言です。
ギルドはランクCから設立できるぞ。
とのことです。
早速マスターから以来が来ております。暗闇の洞窟のビッグバット100体、スケルトン50体の討伐以来です。 受けていただけますでしょうか。」
受付嬢に、もちろんです! とラークが答え行くことが決定した……
とりあえず頭を叩いて釘を指しておく……
それを皆はニヤニヤ眺めていた。
「それじゃあ、明日から暗闇の洞窟での討伐以来だ!!」
そして次の日の朝、「武器をもらうの忘れてた!」というガッシュの一言でお披露目会に……
まずはパーティーリーダーのラークからだ!
森髏刀
★★★★☆☆☆☆☆☆
フォレストウルフとスケルトンの素材を混ぜた鉄で作った刀。森にいる間、切れ味が増す。
アンデッドにダメージ補正(微)
Str+37 Agi+6
2番目以降はレディファースト!
森髏小刀
★★★★☆☆☆☆☆☆
フォレストウルフとスケルトンの素材を混ぜた鉄で作った小刀。
Str+32
アンデットにダメージ補正(微)
小刀を練習してればそのうちスキルを覚えるだろうし、サブ武器だからスキルがなくてもさほど問題ないだろう。
次はイスルの針1スタック分の99本作った。
狼牙鉄の針
★★★★☆☆☆☆☆☆
フォレストウルフの牙を混ぜた鉄で作った針。
Str+20 Agi+18
アンデッドにダメージ補正(微)
効果:スタン(微)
パラライズ:15秒間動けなくなる。
次はガッシュの大盾だ。
骸鉄盾
★★★★☆☆☆☆☆☆
魔樹の木材をスケルトンの素材を混ぜた鉄でコーティングした大盾。
アンデッドの被ダメージを5%軽減。
Str+12 Vit+29 ダメージ軽減5%
4人の武器は全て北の洞窟で取った素材を混ぜた。
他の素材は4人が持っていた物で作った。
自分の武器もちゃんと強化しておいた。
ランクは上がってないが性能は相当上がっている。
血骸鉄の十文字槍
★★★★☆☆☆☆☆☆
血狼の十文字槍をスケルトンの骨で強化した槍。
血を吸うことで刃零れが直る。
獣とアンデットにダメージ補正(微)
Str+54
1人づつ武器を渡していく。
皆は口を開けて呆けている……
ラークは何か言おうとして口をパクパクさせ、ガッシュが溢れそうな程見開き、サラは「ちょっ、え? ちょっ」と変な声をだし、イスルは「はは……今まで僕達が使ってた武器って……
」と遠い目をしている。
「シーカー、何だよこれ!? 今出回ってる武器より性能よすぎじゃねぇか!!」
ラークがパクパクから声を出して聞いてくる。
「そ、そうだぞ、明らかにこれは市場に出ているトップクラスの武器よりも性能がいいぞ?」
ガッシュが同意し、驚愕の表情を向けてくる。
「流石、シーカー……メインよりもサブの方が性能よくなっちゃったよ♪」
あ、サラが壊れちゃった? いやイスルもかっ?
「あは、あはは……これからは武器は全部シーカーに頼まないとな!」
ておい! 考えることを放棄したな!?
そんな空気もだんだん収まり、正常に戻る……
「いやー、さっきは吃驚したな! ホントにシーカーはオールラウンダーだな……称号は伊達じゃない……って、それはもう置いといて来たの洞窟に行くぞ!」
まぁ、まだ昼だからな。十分北の洞窟で狩をする時間はあるな!
それじゃ蝙蝠&骨狩りをはじめるぞ!!
蝙蝠と骨狩りのクエストは一日では終わらなかった……
昨日夜まで狩り続け、そして、サラが持ってきていた野宿セットで休憩をとり、昼頃に漸く洞窟から出てくることが出来た……
ただ深く潜りすぎて戻ってくるときに余分に倒してしまったがな……戻りの討伐数の頭に入れとかないといけなかったな……誰も考えてなかったみたいだ……
「やっと外だー! 疲れた~……」
サラが全員が思っていることを呟いた……このゲーム色々すごいリアルだからな。
疲れるとか眠くなる、とか料理の味とかNPCの表情や受け答えもだ……
ラークが公式サイトで読んだと言っていたが、これらは全てハイパーコンピュータで管理されており、それが1つダウンしても問題ないように3つあるらしい。
そのおかげてこの世界は解像度が高く鮮明なデータを扱え、全てのNPCにAIが搭載されていて、味覚エンジン、疲労感、も高性能、極めつけは睡眠欲まである。
睡眠はこっちのゲームですればリアルの時間に換算されるが実際に脳が休まるらしい。
何て高性能! て感じだな。
そんなわけで疲労感を伴いながら本部に報告に行き、新たに暗闇の洞窟のボス討伐のクエストを受けた……
それを達成すると俺はランクC、他の4人はランクDになり、俺がマスターならギルドも作成可能みたいだ。
北の洞窟の素材を少し残してナツカに売り、ログアウトする。




