まさかの再開
またまたやってきました。初心者の森。相も変わらずジ〇リ感満載の森と草原に見惚れてしまいますね、はい。
「というわけで行こうか」
(何がというわけなのか分からないが、油断だけはしてはならないぞ)
「分かってる。それは小さいころから言われ続けたしね」
そう言って僕は呼吸法によって精神を集中させる。うん、いい感じ。
「今から森に入って魔物と戦っていきたいと思うけど、グランと野風には少し僕の中に戻ってもらおうと思ってるから」
「ご主人様。それは何故ですか? 」
「色々と調べたり聞いてみたりすると、あんまり獣魔の格が高すぎるとここで主に出てくるホーンラビットが出てこないらしいんだ」
この前ここに来た時あの怪我したホーンラビットとしか遭遇しなかった。本来ホーンラビットとの遭遇率は低くない。だから気になった僕は仁に聞いてみたところそのような答えが返ってきた。
(そうか。確かにそうかもしれないな)
俺の説明に納得した二人は俺の中に戻った。まあ危険になったら呼び出せばいいし、中にいるときもグラン達と話すこともできるからそこまで心配はしていない。
「よし。行くか」
僕は前のグランとの戦闘で取得した感知というスキルを使うことにした。確か存在を感知するといったものだった気がする。
「とりあえず使ってみなければ分からないよね。感知」
スキルを使用すると視界に少し変化を感じる。視界内に赤いモヤのようなものが見えるのだ。
「うーん。使ってみた感じ、サーモグラフィーみたいだね」
きっとあれがホーンラビットなのだろう。近づこうとするがホーンラビットが警戒心が強いというのを思い出し、息を殺しながら近づく。
「ふっ!」
「ピギュッ」
ホーンラビットの背後に近づき木刀を一振り。レベルの上がった僕の攻撃は無防備なホーンラビットの頭部をとらえて一瞬にしてポリゴンへと変える。
「やっぱりレベルが上がってる分楽だよね」
少しズルをしてる気分にならなくもないが、これも体に慣れるためだと己に言い聞かせる。
勝手が分かれば後は単純作業だ。僕はその後次々とホーンラビットを狩っていきレベルを二つも上げたたところで一息つく。
「はぁ。ちょっと疲れたな」
(途中から主から表情が消えていたからな。あの無表情なかなかの迫力だったぞ)
そう言って笑うグラン。仕方が無いだろう。本当に単純作業過ぎて無表情にもなるよ。
「っと。近くに反応があるね。・・・・・・ん? 」
感知をパッシブにしていたことで感じた反応を追ってみるとホーンラビットということが分かったが、これが今までとは違うことに気が付いた。
「なんかこっちに向かってきてるね」
そう。ホーンラビットが僕の方に向かってきているのだ。本来警戒心の強いホーンラビットが自ら他の生物に接近することはあり得ないし、そう言った話も聞いたことがない。
「一応警戒しておくか」
いくら一回の攻撃で倒すことができると言っても、今回は特殊な場合だ警戒するに越したことはない。
(我たちも出ておくか? )
「いや、まだ大丈夫。何かあったら呼ぶから、まだ中で待機」
(承知した)
接近してくるホーンラビットがいよいよ視界に入ってきたことで野風が何かに気が付いた。
「この感じ・・・・・・」
「野風どうかした? 」
「いえ、もしかしたらですがあのホーンラビットは、先日ご主人様が助けた子かもしれません」
「え? なんで分かるの? 」
思わず警戒心を緩めて聞き返してしまう。
「私は幻術や魔法が得意ですので、魔物たちの小さな魔力の違いも分かるのです。それで今向かってきている子がこの前の子の魔力波形と同じでしたので」
まじですか、野風さん。それめちゃくちゃ使えるじゃないですか。
(主よ、警戒するのではなかったのか)
「おっと。ごめんごめん」
でも何だかそれを聞いてしまうと警戒心もなくなってしまう。
構えを解いた僕のところへとついにたどり着いたホーンラビット。僕から二メートルほど距離をとって立ち止まる。
「きゅい! 」
「うん。こんにちは」
「きゅいきゅい! 」
「え? 僕にこの前のお礼をしたいって? 良いよ別に」
「きゅきゅきゅい! 」
「えぇ? 僕に会いたい人がいるって? どうしてもかい? 」
「きゅい! 」
「うーん。じゃあ時間があるからお邪魔しようかな」
「きゅっきゅきゅい! 」
「じゃあそういうことだから出てきていいよ。グラン、野風」
僕が声をかけると出てくる二人。しかしその表情はあきれたような驚いたような感じになっている。
「二人ともどうかしたの? 」
(主よ、今ホーンラビットと話していなかったか? )
「え? グランも野風も分からなかったの? 」
(野風よ。お主分かったか? )
「い、いえ。何もわかりませんでした」
「えぇ? 僕は何となく分かったんだけどなぁ」
「きゅきゅ! 」
「え? 分かったよ。この子が早くって言ってるからとりあえず行こうか」
そう言ってすでに歩き出しているホーンラビットの後ろを付いていく。
(なあ野風よ。あの主少しおかしいのではないか? )
「グラン、ご主人さまに向かってそn・・・・・・。いえ今回ばかりは私もそう思います」




