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Name Less Story  作者: 雅風
12/18

お披露目回

今なら何でもできると思いながらリハビリに臨んだ僕がバカでした。先生容赦がありませんでした。


先ほどまでの地獄を思い出しながら、僕はツキヤを待っていた。



「よぉ、ハル!待たせたな!」



ツキヤが手を挙げながらこちらにやってきた。



「僕もさっき着いたばかりだよ。でさ昨日は聞きそびれてたんだけど、昨日使った場所って何だったの?」



「ん?あそこはなギルドホームって言うんだよ。ギルドってのはプレイヤーが集まって作る組織みたいなもんでな、それぞれの方針とか仲いい奴でとかで集まるんだ。で、あれは俺が作ったギルドってわけだ」



「へぇ、そんなのがあるんだね。」



「ちなみに泉と倉敷、シズとクーナも二人でべつのギルド作ってるみたいだぞ」



「じゃあ、一人でやってる人はいないの?」



「いや、そんなことはないんだけどな……、っと着いたぞ。おぉ、昨日よりも多いな」



ツキヤと共にギルドホームに入っていくと、昨日はあまりいなかった人がかなりの量に増えており、そこかしこから話し声が聞こえる。



「おい、聞いたか?昨日ここに、あのシズ様が来てたらしいぞ」

「ああ聞いた。それにクーナたんまで来てたらしいからな」

「もしかしたら今日も来るかもしれないからな!」


「ねぇ聞いた?昨日ギルド長がすっごいイケメンな人連れてきてたらしいの!」

「聞いたけど、ツキヤ様にかなう人なんていないんじゃないの?」

「ちょっとあれ見て!ギルド長の後ろにいる人!すごくかっこいいんだけど」

「ほんとだ!あの人が昨日来てた人かしら?もしかしてうちに入るとか?」



察するに、シズさんもクーナさんもかなりの人気らしい。まあ確かにあれだけの美少女だったら人気が出てもおかしくはないだろう。

 

女性陣からはやはりツキヤは人気があるらしく、先ほどからかなりの視線がこちらを向いている。他にもイケメンがいるらしいが後ろを確認してみても誰もいない。あの人たちは誰を見ているのだろうか?



「はぁ、いっそ尊敬するよ俺は」


僕が首をひねっていると、あきれた表情でツキヤにそう言われた。

ますます何のことか分からなくなってしまう。



「しかしこの騒ぎ、シズたちにも迷惑かかるよな。仕方ない、部屋番号教えとくか」



「部屋番号?」



「あー、これはギルドマスターの権限の一つでな、番号設定することでその部屋に入り口から直接飛べるようになるんだ」



便利なものがあるもんだ。しかしそれだったら僕たちもそれで移動すればよかったんじゃないかな?



「俺はギルマスだからな。みんなに顔を見せとかなきゃいけないんだよ。ほら着いたぞ」



僕たちが部屋に入ると、程なくして扉が開かれた。



「ツキヨさん、ハルさん、こんにちは」「ツキヨくん、ハルくん、こんにちは」



「よう、二人とも!」「こんにちは」



「で、みんな集まったみたいだけど何するの?」



「そう焦るなってハル、まだ揃っちゃいないぞ」



コンコン



「お、来たみたいだな。入っていいぞ!」



「失礼しまーす」



その声と共に入ってきたのは一人の女の子だった。一瞬誰だか分からなかったが、すぐにその女の子が誰なのか分かった。



「なんだ小百合じゃないか」



その言葉に驚いたのか妹はこちらを見る。



「な、なんで分かったの!?」



「あたりまえだろ、何年兄やってると思ってる。少し変えただけで分からなくなるはずないだろ」



「むぅー、ハルにぃのこと驚かせたかったのにー」



口ではそういう小百合も、すぐに気づいてもらえたのがうれしかったのか顔が緩んでいた。



「それと今はユリだからね!他のみなさんもこんにちは!」



妹のあいさつにみんなが答えるのを見ると、みんなは知り合いなんだろうか。



「シズさんもクーナさんも妹とは知り合いなの?」



「そうなんです。私もクーちゃんもベータテストからやっておりまして、ユリちゃんとはそこでツキヤさんを経由で知り合いました。」



「私のほうは知ってたんだけどね。なんたって、中学の時の人気トップ2だったんだから!」



「へぇ、トップ2だったのか」



「なにハルにぃ知らなかったの?」



「いや、二人とも人気があったのは何となく知ってたんだけど……」



「こいつ最近まで二人の名前すらうろ覚えだったからな」



「はぁ、ハルにぃは相変わらずだね」



別にいいじゃないか。学校いるときはぼーっとしてるのが基本なんだから。そういう人だっているさ。




「今日は改めて自己紹介と、このゲームについての説明とかをしようかなと思って集まったんだ。」



自己紹介か。僕は種族とか獣魔とか結構レアリティー高くてどうすればいいかわからなかったからちょうどいいか。



「じゃあ、まずは俺から。俺の名前はツキヤだ。種族は龍人族でだな、『龍の誇り』っていうギルドのギルマスをやってる。一応はトップギルドにも入ってる。んで、こいつが俺の獣魔のバーン。種族は飛竜でランクはSだ」



ツキヤの後ろに現れたのは大きさ二メートルほどのワイバーンのような魔物だった。聞くところによると、まだ子供らしくここからさらに大きくなるとのことだった。すでに背中に乗って飛ぶこともできるらしい。



 しかし、ツキヤも種族、獣魔ともにランクが高いから少し安心した。もしかしたら、僕のも珍しくないかもしれない。



「では次は私が。シズと言います。種族はエルフです。『乙女の旅団』というギルドに所属しています。この子が私の獣魔のリンちゃんです。種族はカーバンクルでランクはAです」



シズさんはエルフなのか、そう言われれば耳が少しとがってるように見える。獣魔は少し大きめのリスのような感じで、くりくりした目がとても可愛らしい。おそらく女性に人気だろう。



「次はわたしだね。わたしはクーナって言います。種族は兎人族です。シズちゃんと同じ『乙女の旅団』に所属してます。獣魔のフーちゃんは、アイスバードという種族でランクはBです」


そうクーナさんは頭にうさ耳がついている。大事なことだから二回言おう。うさ耳がついているのだ。いつか触らせてくれたりはしないだろうか。


 まあ冗談はよしとして、クーナさんは元から可愛い系だったが、うさ耳が付いたことでさらに可愛らしくなったと思う。アイスバードは少し小さめの鳥だ。こちらも結構可愛かったりする。



「お次は私だね。ハルにぃの妹でユリって言います。種族は天使族です。『光の導き』というギルドのギルマスやってます。獣魔は妖怪種の猫又で名前はシゲさん。ランクはSです」



 ユリがギルマスやってるのに少し驚きはしたが、昔から社交性も高く友達も多かったから難なくこなせるだろう。


 しかしネーミングセンスは流石だな。シゲさんって、もっと可愛らしい名前つければいいのに。

実はユリのネーミングセンスがツボなんだけどね。



しかしこうして聞いてみると意外とランクが高いのが多い。実はランクが高いのは結構あったりするものなのかもしれない。



「最後は僕だね。僕はハルって名前でやってる。種族は神だね。それ「ちょっと待て」…どうしたの?」



「ハルおまえ種族なんて言った?」



「え?神だけど?」



「はぁ、おまえまたエライの引き当てたな。それ多分ユニーク種族だろ。おまえランダム引いたろ?レア度は?」



「……S?」



「やっぱりか。多分ユニーク種族引いたのおまえが初めてだぞ」



「あぁ、それは聞いたよ」



「聞いた……?まあいいか、それより種族のことは周りに言いふらさないほうがいいかもな。幸い見た目は人族だから大丈夫だが、周りの嫉妬が怖いぞ」



「大丈夫、もとから言いふらそうと思ってたわけじゃないし」



「やっぱりハルにぃはハルにぃだね。これは獣魔も期待できるかもね」



「でもさすがに獣魔までってことはないと思いますが……」



「甘いですよ、シズさん。ハルにぃなら絶対やってくれます」



「じゃ、じゃあ、ハルくんの獣魔を教えてもらってもいいですか?」



クーナさんの一言で視線が僕に集まったので、僕は覚悟を決める。別に怒られるわけではないんだけどね。

それとごめんねシズさん、ユリの言った通りなんだ。



「僕の獣魔のランクは…」



「「「「ゴクッ」」」」



いや、そんなに固唾をのんで見守らなくても。

みんなの反応に苦笑しつつ続ける。



「SSSとSS」



「やっぱりかよ、しかも二体……」



「流石ハルにぃ」



「もう何が何だかわかりません」



「ハルくんてすごいんですね」



みんな思い思いの反応をありがとう。



「ここは狭いから出せないけど、SSSのほうは黒神狼でグラン、SSは妖怪種で九尾の狐で野風って言うんだ」



「たしか最高で三体獣魔がいる奴はいたが、そいつの獣魔は最高でもBランクだったはずだ。二体持ってるやつも珍しくはないが、二体になるとどうしてもランクが低くなる傾向があるんだが、おまえは何というか…はぁ、ため息しかでねぇ」



「それに確か最高でもランクSまでしか確認されていなかったはずです」



やっぱり僕はかなりのびっくり箱だったらしい。



「これもやっぱり言わないほうがいいよね?」



「当たり前だよハルにぃ」



「まあ最初からソロでやろうと思ってたからちょうどよかったけど」



「え?ハルくんはソロでやる気なんですか?」



「うん?そのつもりだったけど、何かまずいかな?それとクーナさんは何で僕だけに敬語なのかな?タメ口でいいよ?」



「え…、わかりま……えっと、わかった。これからはこれでいくね!」



「シズさんも……」



「私はこれが普通なのでそのままがいいのですが」



「あぁ、なら大丈夫だよ。それで、ソロだと何か悪いことでもあるのかな?」



「別に悪いことはないけど、ソロだとこのゲーム結構厳しいところがあってさ、最初はソロも多かったんだけど全然モンスターも倒せなくて結局ギルドに入る人が多くてね。今ではソロ何てほぼいないと思うよ。でもまぁ、ハルにぃなら大丈夫でしょ。ね、ツキヤさん」



「ん?問題ないんじゃねーか?」



妹とツキヤが冷たいな。もう少し心配してくれても。それに引き換え、シズさんとクーナさんは二人とも心配してくれて、優しいな。



 まあ、自分でもあまり心配はしてないけど。



「じゃまあ後は基本のところだけだな」



そういって僕は四人から、装備のそろえ方やレベルの上げ方などを教わった。



「と、こんなところか。俺たちはそれぞれギルドのことがあるから活動場所まで行くが、おまえどうする?」



「うーん、僕はゆっくりレベル上げでもしてるよ」



「そっか、じゃあ今日は解散にするか」



「それではまたお会いしましょう」「またね!」「ハルにぃ今度一緒に遊ぼうね!」



三人が出ていき部屋には僕とツキヤだけが残った。



「ハル、まあなんだ、この中ではお前は自由に動ける。だから楽しめよ」



「うんありがと、じゃまたね」


どうも作者です。

最後に少しまとまりがなくなってしまいました。ごめんなさい。


次回からようやっと冒険できます!ここにくるまでに十二話かかるとは(笑)


では次回お会いしましょう!

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