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数年後、あたしたちの今

……あれから数年たちました。

あたしはかーなーり、のんびりとすごしてた。

いまもちょっと動けなくて暇なんだよね。

そこで、この世界に来てからのことをまとめてみたりしていた。

……いろいろあったからなー。

これはあとで和泉のおじさんのところに送ろっかなとも思っている。日記みたいなのだけど、だからこそ知りたいかなっても想うから。


……さいごに今のあたしたちの近況ものせるか。

まず、トキワとマリー。

ふたりはプレナイトの町で暮らしている。

トキワはSランクのハンターだからね。町に滞在しているだけでもギルドとしては助かるらしい。いざってときにすぐに動ける人間がいるのは重要だ。

ふだんは簡単な仕事、主に護衛系をしているそうだ。

マリーはリリスと子供ふたりをのんびりと育てつつ、槍の基本動作などを子供たちに教えているそうだ。

自分の子供たちにはまださすがに槍を持たせてはいないそうだけど、上の子が棒を見よう見まねで振るってるのを見て、才能あるとかいってるそう。これは数年後が楽しみかもね。

リリスはやっぱり槍よりも魔術の方に興味をもってて、シオンが親しくしていた魔道具屋さんに魔術の基礎を習ってるよう。

こちらもかなり可愛がってるようなんだ。もとを考えると、将来どうなるかちょっと怖いかも……。


次にシオンとコスモスちゃん。

ふたりは一年後に結婚しました。

もともとシオンが一人前になったらって考えてたそうなんだけど、半年ほどで十分に一人前以上になっちゃってたそうで、今では魔道具作成の第一人者ともいわれてる。

おかげでだいぶ忙しそうにはしてるけど、コスモスちゃんや子供との団らんは絶対に忘れない。

……かなり子煩悩なお父さんになってた。

コスモスちゃんは子供の面倒をみる傍ら、ハンターとしても活躍してる。といっても、魔獣退治ではなく薬草詰みのほう。

鑑定の魔術を覚えたそうで、必要な薬草を確実にとってくるってことで、ギルドでは重宝されてる。

大雑把な薬草の場所については、話を聞いたりシオン特性の魔道具で探せるそうで。

……ほんと、いろいろ作ってるな。特に便利系。

ときどき魔獣に遭遇しても、銃で簡単に倒せるのが多いし、牽制して逃げることも簡単だそう。

もっとも今はふたりめ妊娠中だそうで、家でのんびりしてるそうだけど。


菫さんたち、創国の王家の人たちは変わりなく暮らしている。

っと、まもなくひとつ変わることがあったっけ。

木蓮ちゃんが火の国の王のもとに嫁ぐことがきまって、準備中だったりする。

……火の国であったことに対する監視役の意味もあるそうだ。

まあ、政略結婚ではあるけど、ふたりともお互いを知ればすくなくとも信頼関係は築けるだろう。

ちゃんと人となりをみて判断できるからね。ふたりとも。


……うん。さいごにあたしのことものせないとね。

……紫黒の熱意に負けました。

2年前に結婚しまして、今は創国で出産準備中。

予定では来月には生まれるからね。

神様たちから、性別知りたいとか聞かれたけど、これは生まれるまでの楽しみにしとくことにした。

お腹重くてあんまり動けないけど、まあ、しょっちゅう菫さんとか来てくれたり、神様からお茶会に誘われたりとしてるから退屈はしてないか。

妊娠まえまでは、一月ごとに各国へ移動して定住はしてなかった。

というか、たぶん出産後安定したら、その生活に戻るだろうね。

あたしがひとつのところに留まるのは、各国のバランス考えるとよくないから。

いまの状態から創国にいるのはしかたがないとしても。

ああ、ちなみにあたしも紫黒もハンターSSランクになってる。

なのでどこにいても緊急の依頼の時は連絡が来るようになってる。

いまも紫黒はそっちの仕事で留守だし。

まあ変わりに黒羽と長さんがあたしについてるけど。

「ほんと、紫黒って過保護だよね」

「いまのキキョウ様の状態では当然だろう」

「そうだよ。転んだだけでも危ないんだから!」

そうですか。

っと、うわさをしたら影、かな。

「桔梗、大丈夫か⁉」

「お疲れさま。あたしはのんびりしているだけだから大丈夫だよ」

ほんと、心配性になってるな。

紫黒はあたしのお腹にそっと手を当てると、微笑む。

「……はやく、この子の顔がみたいな」

「うん。楽しみだね。あと一月後にはあえる」

「ああ」

紫黒が帰ってきたから、侍女さんがお茶を入れ直してくれた。

「ね、あたしは幸せだよ」

「急にどうした?」

「うん。なんかね、言いたくなったんだ」

紫黒と黒羽と長さんと。

いまは遠くにいる家族たちと。

別の世界のお世話になった人たちと。

そして。

父さんと母さんに。

この一言をつたえたい。

あたしは、ずっと。


「幸せだよ」


これで、このお話は終了します。

設定だけつくって、あとは思い付きで書いていたこのお話ですが、最後まで読んでくださったことを感謝いたします。

よろしければ、次回作もお読みいただければ、幸いです。

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