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まずは、町を歩こう

荷物を置いて、出かける準備。

とりあえず町の地理を覚えないとね。

全員でぞろぞろ歩くのも、ということで、また3組に分かれました。

あたしには紫黒。トキワたちには長さん。シオンたちには別の真竜さんが付きました。

……ひまつぶしにちょうどいい、だそうだ。


というわけで散策開始。

まず、お店が多いってのがあるね。飲食店、服飾店、武具屋、魔道具屋、などなど……。

(この国で直接産出する物はないからな。外部の者を輸入して、それを加工する技術などはすぐれているが。だから、他国で新しい技術がつくられたと聞いたときは、本当に驚いた。まして直接会ってみれば、私と年のかわらない女性だったからな)

なるほど。

この国では、材料を輸入し、技術を売っている、って感じか。そういうのもありだよね。

(それと、この国でのみ、すべての神々からの神託を受けることができる。情報についても集まるため、それを生かして国を動かしていっている)

立地的にも、経済・政治・宗教的にも、世界の中心としてあることで、国としての体裁をまもってるんだな。

「新しいものか。なら、おいしいものとかまずは食べたいかも」

お茶は飲んだが、つまみ程度じゃおなかは減ったままさ。

(……よく食べるな)

「太ってるわけじゃないし、いいだろ」

おいしいものを食べるのと、手芸してる時が、一番楽しいんだよ!

(なら、まずは飲食店、次は手芸屋か?)

「そのあと、武具とか魔道具も見たい」

町全体の地理は、実はもう覚えてたりする。……神様、スマホでマップデータ送ってくれたから。

なので、あとは実地で歩いて感覚をつかむだけだったりすんだよね。

地図は、みんなにも覚えてもらってるし。

……あれ、そういえば?

「この町の地図とか、ひょっとして機密とかだったりする?」

よくあるよね、そういうこと。

(しない。そもそも国同士で争う、ということがないから精密な地図が作られることは逆に役に立つ。……その地図、あとでもらっても構わないだろうか?)

どっちかっていうと、そうなんのか。

「おっけー」

地図くらい、構わないさ。あとで紙に焼き直して差し上げましょう。

(助かる)

ほっとしたようすの紫黒に笑いかけて。

「とにかく、今重要なのは、おいしいものをたべることだろ!」

と、さっき紫黒がさした方に向かって、手を引いていった。


うむ。なかなかだった。

久しぶりに食べたね。ふつーの焼き肉。

焼き肉屋さんで食べたようなの出てきたし。

ここら辺は菫さんが教えた模様。簡単にできるからね。もともとお肉も野菜もおいしいし。

デザートのプリンもおいしかったし。これは菫さんの好物だったそうで、自分で試行錯誤して作ったらしい。いまでは町のどこでも食べれる。ただ、今までは甘くなかった。果物の甘さでごまかしてたのがなくなって、さらにおいしくなったそう。

ほかのお店もそう。あたしが教えたことを、さらに発展させてたりもする。

他国と違い、向上心、っていうか、新しいものを考案する、っていうのをこの国では自然としていたため、新しい技術から、さらに発展させてってたようだ。

……ただし、武具についてはね。材料ないと作れない。とんでもない材料から作られた、あたしの武具よりいいものはなかったよ。残念。

まあ、太刀を見て、こういうのも作ってみるって気になったのは、よかったのかな。


のんびりとウインドウショッピングをたのしんで、この日は過ぎていった。

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