閑話 風の国のお祭りだ
ちょっと休憩。
というわけで、いろいろと作業をしながらむかえました、風の国のお祭り。
全員浴衣を着てる。男性陣は変わんないけど、あたしたちのぶんは新規で作成したよ。
今回はオーソドックスというか、あたしは黄色い花を刺繍した赤い浴衣、マリーは鳥を刺繍した青い浴衣、コスモスちゃんには、その名の通りコスモスを刺繍した緑の浴衣。
新規参入ということで紫黒にも作った。こっちは無地の黒い浴衣。まあ、男に着飾らせてもそんなに楽しくない。
で、町に出ると、所々で見かけるよ、浴衣着た人。もともと火の国で着たのが始まりだけど、大分広まってきたようだ。
「この衣装、かわいいですよね」
「けっこう着心地もいものね」
そういうもんか。まあ、特別な時だけ着る衣装ってのは、テンションあがるよね。
あ、ちなみに黒羽と長さんもハッピきてて、カラスさんにも大きめのリボンつけてあげてる。
「こういうおしゃれもいいわねー」
だそう。黒羽はどうでもよさそう、ってか屋台の食べ物に目がいってて……長さんも食べ物に夢中だった。
「……黒羽だけかと思ってたけど、実は真竜って食べるの好きだったりするのかな……」
(神獣にとって、食べることは趣味にあたるからな。珍しいものにはつい目がいってしまうのだろう)
趣味なのか。
「じゃ、ここからば別行動ってことで」
「またあとでね、キキョウちゃん、コスモスちゃん」
まずはトキワとマリーが抜けた。
「それじゃ、僕たちも」
「……はい」
照れたような返事をするコスモスちゃんを連れて、シオンも行っちゃった。
まあ、気にせず行けるのは、あたしの横に紫黒がいるからだな。
(いいのか?)
「まあね。祭りの雰囲気をみんなで楽しめたし、あとはそれぞれで楽しんでくれたほうがうれしい。もし、紫黒がいなければ、みんなあたしのそばにいてくれたこともわかってるし、それに……」
(それに?)
「……なんでもない」
たぶん、紫黒があたしと一緒にいる状態を、当たり前にしたいんだろうな。
始まりの時のトキワとマリーの結婚。おそらく、そのころにシオンとコスモスちゃんも結婚する可能性が高い。だから、あたしがひとりになってしまわないように、紫黒をあるいみ利用してる。
……家族がいづれ離れるのは当然だから、気にしなくても大丈夫だけどね。まあ、さびしくはあるが。
「じゃ、あたしたちも行くか。……屋台の食べ歩き!」
「おー」
大喜びの黒羽、それとなくうれしそうな長さん、それみてあきれ顔の紫黒と屋台を回った。
結果。
「やっぱり一番はこれだねー」
アイスの乗ったクレープだよ。果物もふんだんに使われてておいしい」
(私はこちらの方が好みだな)
こっちはお好み焼き。ソースの味とか改良されてて、これまたおいしい。
そして、こっちの焼きおにぎりの屋台とかで、とうとう板海苔を使ってるよ。
もともと水の国の人魚たちに頼んでたんだけど、こっちのごたごたの間に完成して、食べ方とかは教えといたんで今屋台に並んでる。
っというか、行列になってる。
「珍しいものって、食べるの躊躇するもんだと思うんだけど」
「考案したのがキキョウ様たからだろう。いろいろ作って、それがおいしいと各国で話題だからな」
そうなの。まあ、おいしいもの増えるのはいいけど。
(なにかまた新しいものを作る予定は?)
「今のとこないよ」
(それは残念)
そういわれてもね。食べたいものだいたい作っちゃった気がすんだよね。ほかにはなんかあったかなー。
そうこうして、祭りの夜は更けていった。




