罠にかかった
現在罠仕掛け中。
あたしのやることは、……今はナシ!
おかげでヒマなので編み物中。紫黒に頼まれたご家族の分、だな。
1個はミニ黒羽バージョン。もう1個はミニ長さんバージョン。白と黒で丁度対比になってるし。
まったりしてたら連絡時間だ。
現在、男3人プラス王の部下さんが潜入捜査中。1日2回、定時連絡してるんだよね。……あたしを捕らえるのに、実力があり使い捨て出来る人物が欲しかったようで、潜入は簡単だったそう。
みんな魔道具で髪と瞳の色変えて変装してる。
うん。特に紫黒の色彩は目立ちすぎだね。ま、それだけで誤魔化されてるセンランってのもね。
ちなみにこの魔道具も、あたしが作った。あたしの魔石を使用しないと、自由に色は変えられんかった。他の人、たとえばシオンの魔石を使うと、必ず髪も瞳も紫になります。
腕輪で作って通信機能も着けた。発動すると、同期させたの全部一緒に起動するから、内緒話はできません。
で、みんなで集まって通信機能オン。
「聴こえてるかい?」
「大丈夫です!」
シオンの声が聴こえてきて、コスモスちゃんが張り切って答えてる。
「で、状況はどうなのかしら?」
「……そろそろ動き出そうとしているよ。おそらくは数日以内にキキョウを捕えるように指示が来ると思う」
あたしがこの町にいて、こっそりと出歩いているということを、神殿経由で連絡済み。というか、こっそりと遊びにきてるから、邪魔しないようにと、王様が上層部に通達しておいたらしい。
つまり、エサだね。
「正確な日付は?」
「わかり次第連絡するよ。当日に聞いた場合は、その直後に連絡するから、準備だけはしておいて」
心の準備だな。そのほかについては、あたしの場合どうでもできる。
一応、連絡とか居場所判定用の小型の魔道具を、ペンダントにして常にもってる。これが魔道具とは、だれも気付かなかったから問題なし。
「了解。そっちはよろしく」
「うん。そちらもみんな気を付けて」
通信が切れると、ほっと一息。
ま、心配には違いないからな。
「あとは、エサにかかるのを待つばかり、かー」
おもわず空を見上げた。
そして、罠にかかりました。
今日、実行予定と聴き、こっちはいつも通りにいつもの道をお散歩。
ほかに同行者なしで毎日ひとりでの散歩してたよ。まあこれが罠とはいえ、ちょっとさびしい。
そして、変装した三人プラスガラの悪い兄ちゃんたちにつかまったふりして、連れてかれました。
最初に口塞いだから、魔術は使えず、それなら安全と考えた模様。安直だね。
口をふさがれ、縄でしばられ、到着したのは結構立派なお屋敷。
ここがセイランの屋敷か。宰相さんは王宮の部屋を利用してるとのことで、この屋敷の主がセイランとなっている。
「セイラン様。かの聖女をお連れしました」
……その呼び方、正直やめて。
「おお、その娘がそうか」
目の前には、20代半ばの小柄な男性。こいつがセイランか。
たしかにちょっと王様ににてるけど、なんかえらそうだな。
「感謝してもらおう、聖女キキョウ。これからあなたは私の妻となり、この国を共に支配するのだ」
じょーだん。
タイミングよく、紫黒があたしのさるぐつわとってくれた。
「お・こ・と・わ・り、だ。あんたみたいのに嫁ぐくらいなら、パン屋に嫁いだほうがよっぽどいいね」
(なぜ、パン屋?)
「……腹が立つと、甘いもの食べたくなるから」
そういう問題か?
っという顔をしている3人と、わけがわかってないセイランおよびその部下たちだった。
ちなみに紫黒の魔石は黒なので、余計に使えませんでした。




