やっぱりお弁当はオムスビで
「……山菜採りかー」
「うん。このちかくのやまでね、いっぱいとれるの。おかゆにいれるとおいしいの」
あれだな、七草粥みたいなの。
今日泊まった宿では、夕飯にさまざまな山菜が使われてて、ちょっと気になって宿の子(7才)に訊いてみた。
ちなみにこの子は黒羽が気になったもよう。さっきから抱っこして頭撫でてる。
「行って帰ってどれくらいかかるかな?」
「うーんと、いっつもおじさんがとってきてくれるからわかんないの……」
あ、しょぼんとしちゃった。
「なに、山の山菜が気になんの?」
横から口を出してきたのは、ハンターらしい男性。
「うん、これ美味しかったからね。どんなとこで採れんのか気になったんだ」
「確かにうめーよな!」
相方らしい人が口だしてきた。
「どうだい、ねーちゃん。おれらといってみない?」
「……まるでナンパみたいねー」
「あ、マリー」
後ろからマリーが顔を出した。
「行くとしたら、この子とマリーたちと行くよ。ピクニックもそうじゃないと楽しくないし」
「それじゃ、弁当もって行くか?」
「その前に、この子のご両親の許可をもらわないと」
……この子連れて行くことは決定みたいだ。
「……いっしょに行く?」
「いくー!」
「ぼくらも一緒に行くよ。君たちだけじゃ、この辺りの魔獣つらいだろ?」
「そーそー。おれたちBランクだし、ここのは雑魚だぜ」
ふーん。
「なら、別に来なくていいよ。あたしたち、Aランク以上だから」
「……へ?」
あとはこの人たち無視して、明日の準備……お弁当か……。
翌朝。宿の女将さんに頼んで、厨房を借りた。
そして、用意するのは土鍋。この辺りじゃ鍋をよくするせいか、土鍋あったよ。
……この土鍋使って、米を炊く!
やろうやろうと思ってて、やりそびれてたんだよね。
……そして料理人さんおよび女将さん、あたしの行動に興味津々。
「あ、そういえばここって、お粥が主ですけど、お弁当とかどうしてるんですか?」
「そうね。お米持ってってその場でお粥にするか、パンをもって行くかね」
宿とかは粥が多いけど、普通にパンも食べられてるからな。
そうすると、やっぱご飯を炊くことはないのか。
あたしは思わずじっと土鍋を見る。
……この土鍋、文字かいて簡易的な魔道具にしてある。
まあ要するに炊飯器ってことだな。
うまくできたら、刻んじゃおっと思ってる。
そして時間になった。
その間におかずとして、卵焼きやら唐揚げやらを作ってたけど……少しつまみ食いもされたけど……。
さてっと。土鍋の蓋を開けると……よし。つやつやしたご飯が炊けてる! ちょっと味見すると、味もおっけー。
準備しといた塩、鮭、佃煮などの具を入れて、しっかり握って、海苔……が欲しかった。これは今後の課題かなー。
海草類は湖でもなく、やっぱ海まで出ないとダメだからなー。
「……とりあえず、朝ごはん代わりにどうぞ……」
……いい加減回りの目が怖くなってきたからな……。
「美味しい!」
「米にこんな調理法があったとは……」
「携帯もしやすいし、味のバリエーションも出るわ」
おお、大人気。やっぱりオムスビは美味しいね。
あ、そうだ。
「宿代、お米炊き用の土鍋でどうです? 土鍋用意してもらえれば、魔道具化すぐにしますよ?」
「……いいですね。たしか今日はあの子と山菜摘みに行くのですよね? なら帰って来るまでに準備しておきます。とりあえず1日ゆっくりと楽しんできてくださいな」
「そうするよ。採ってきた山菜での夕飯も楽しみにさせてもらっていいですか?」
「もちろん!」
料理人さんたちもご機嫌になってる。
さてっと。今日も1日楽しもう!
次回、山菜摘み。




