田園風景……あれ?
ここからしばらくは、のんびりと行く予定です。
……のどかだな。
この世界に来てから、約2ヶ月。
あたしが来たことによる影響の始末は終えて、やっとのんびりできるようになった。
たぶん、基本的にはトパーズに居るだろうけど、何かの時のため、他の国も見ておきたい。……半分以上観光だけど。
町を出て一時間くらい歩くと、そこらへんに水田が見えてきて、金の稲穂と緑の苗が風になびいてる……。
……ほんと、突っ込みっどころが満載ってか、そうだな、年中気温が変わんなければ、こうなるよな。本来は暑かったり寒くなったりで植物の生育は変わるけど、ここではそんなものないしね……。
思わず眉間にシワのよったあたしの様子をマリーが気になったようで、そこら辺を簡単に説明する。
「……つまり、キキョウちゃんの故郷では、気温の変化があるから、同じ状態の植物しかない、であってるかな?」
「たしか稲の場合は、暖かくなり始めた頃種を蒔いて、暑さが過ぎたら収穫、だったかな……。だから、田んぼは一面の緑か、一面黄金色かのどっちかしか見れなかったはず」
……思いっきり、違和感だらけの光景だ。
思わずため息をつくと、よしよしと頭撫でられた。
そのまま、のんびりと違和感溢れる田園風景を横目に歩く。
急ぎの旅じゃないし、ゆっくり行くことにしてたからな。
やがて田んぼが途切れた、って稲収穫したあとの田んぼか。株だけ残ってるな。その先にまた緑と金が見えるけど……。
……ナニアレ……。
最初は岩が動いてるのかと思った。
よく見たら、岩のしたの方に頭、手足、尻尾があった。
全体的な形はカメ?
大きさ牛くらいあるけど……。
「ああ、あれは岩亀だよ」
まんまだな。
「おとなしい性質でね。ああやって農耕で利用されてるんだ。トパーズにもいるけど、キキョウは耕作地帯には、いってないしね」
もっぱら森でした。
亀の後ろに、グルグル回って田んぼを耕すのがついてる。どうも上に乗ってる人が魔力を通すことで動くよう。
にたようなので、別の方では田植えやってるし。
「キキョウのところは、ああいうのはないのか?」
「全部機械になっちゃってたな。昔は牛とか使ったらしいけど」
「キカイ?」
「……んー。全部自動に動くように設定した道具、ってとこかな。動く方向は人がコントロールしてたけど」
アクセルとかブレーキとかの説明はいいだろ。
「そういうのを作る気はないのか?」
まあ、今までいろいろやってたからだろうけど。
「ないよ。人にとって負担がかかる作業は、あのカメと道具でできてるし、こうして見てると、全部自動でするように作ったものは、ちょっと危険にも感じられるし」
あのカメの仕事取っちゃうのもな。
「……そうかもな」
「ある程度の判断の出来る、岩亀を使った方がいいだろうね」
「子供とか飛び出したら、危ないし」
まったく。
「それに、この風景が無くなっちゃうのもね」
違和感ありとはいえ、のんびりとした雰囲気は無くなってほしくない。
「そうね」
にっこりと笑いあって、次の町に向かった。この光景は町の少し手前まで続いてた。
「あ、そうだ。夕飯は岩亀の鍋食べるぞ!」
「急に何?」
「老衰した岩亀の鍋がここの名物らしくてな。宿を出る前に勧められたんだ」
いつの間に……。
……今夜の夕飯は鍋になりました。
野菜たっぷりで美味しかった……。
桔梗は機械類を作る気はありません。
作ったとしても、せいぜい部品くらい。




