見つけたお米と魚料理
プレナイトで鋭気を養い、ラピスラズリへしゅっぱーつ。
シュンランさんとなぜかウコン君が見送りにきてた。
「……シュンランさんはともかく、なんで?」
「……ご迷惑でしたか……」
「いや、単純に不思議だっただけ、なんだけど」
ほんとになんで?
「……今回は仕事ではなく、遊びに行かれるのですよね? ……もし、戻ってこられなかったらと思うと……」
……なんつーか、いつの間になつかれた? いや、どっちかってーと、高ランクハンター・強力な魔術師などなどであるあたしたちを他国に渡したくない、かな。「戻って」って言ってる訳だし。
「……あたしは国には縛られない。だけどあたしにとってプレナイトは故郷みたいなものだから」
「それを聞いて安心しました」
にっこり。笑いかけてくる王子に、したたかさを感じたとさ。
ちなみにあとでマリーに訊いたところ、「悪人ではないけど、腹黒さはある」とのこと。
「それじゃ、いってきまーす」
あたしたちは、転移門をくぐった。
転移門をくぐった先、神殿の建物自体はみんな一緒なんだよね。違うのは建物の色合いぐらい。
ただ、やっぱりこっちは少々肌寒い感じ?
秋も深まった時の気温だな。
そして神殿を出て……あたしたちは茫然としちゃったよ。
町に河が流れてる? 主な移動手段は舟? てか、舟の上に店があったりしてるよ⁉
「……聴いたことはあったけど、実際に見ると驚きの光景だね……」
いや、全く。あたしたちは言葉もなく、その光景をしばらく見ていた。
「……とりあえず、いつまでこうしてても仕方ないしな。昼飯と、ギルドと、宿探し、だな」
「んじゃ、まずはどっかでお昼?」
「そおね。どうせなら水上の食べ物屋さんで食べましょ」
ということで移動開始。
舟の移動が便利につかわれてるけど、水路の横には必ず歩行用の道がある。ま、馬車とかはないみたいだけどね。
少し町中を歩くと、大きめの船を使った食堂をはっけーん。さっそく食べに向かった。
そこでのメニューは、……お粥と魚介のスープだった。
一口、お粥を口に入れる……。間違いない。これはあたしがさんざん食べたいと思ったお米だ‼
「どうしたの⁉」
焦ったマリーの声に、ふと我に帰る。あ、あたし、泣いてたのか……。やっぱ、故郷の味には郷愁を誘われるな……。
「……ごめん。なんか懐かしい味だったから。つい、ね」
「大丈夫か?」
トキワとシオンも心配そうにしてるけど、
「大丈夫。悲しい訳じゃないから。嬉しかっただけだから」
「そう……」
笑って答えると、みんなほっとしたみたい。
「さ、冷める前に食べよ」
「だな」
みんなで美味しく頂きました。
お粥も美味しいけど、このスープも出汁が出てて美味しい。
……そういえば、ここでの魚介の食べ方って?
「知ってる?」
「いや、こっちは初めてだし、魚はトパーズではあまり食べないから」
なんでも、海の魚はラピスラズリ近海以外は凶暴な魔獣(魔魚?)が多く、場所柄倒すのも厄介。陸には一定距離までしか近づかないので、陸沿いなら船は安全ということで、わざわざ食べるためには倒さない。
ここだけ、比較的弱めの上、加護と操船技術があるため、魔魚を美味しく頂けるってことらしい。
あと、魔魚ではないけど、魔力をふんだんに含んだ川魚がよく取れる。このスープもそれだな。
そして確認した結果、生魚は食べない、米の食べ方はお粥のみ。
……なるほど、これはあたしへの挑戦か!
なわけないけど、食べたい以上はちょっと調べてみましょーか。
米と魚は桔梗にとって故郷の味です。




