トパーズに帰ってきて
トパーズに戻って来て、まずしたことは神様とのお茶会でした……って、なんでだかね。
「ほんとに、ほんっとに助かった! これで俺の国はもう大丈夫だ!」
うん。ガーネット様、ちょっと落ち着こうね。
まあガーネット様は仕方ないし、横で見守ってるダイヤモンド様とラピスラズリ様はいいんだよ。
……トパーズ様、エメラルド様、あなた方は何してるんだといいたい!
確かにアイスもシャーベットも美味しいよ⁉ だけどこっち無視して楽しんででいいのかよ⁉
「キキョウちゃん、よくやったわ!」
「うむ。これほどの味わい……見事と言わざるをえない」
……言うだけ無駄でした。
「その二人、前から食べること、好む」
あっそ。まあ、この件に関しては気にしない方が吉か……。
「それでキキョウ、なんか俺に望むことはあるか? 今回の礼に出来る限りはする!」
「……特にないかなー」
もともと出来ることは自分でやりたい方だし。
「だから今は保留。もし、頼みたいことが出来たら連絡するよ。一生頼まないかも知んないけどね」
「ガーネット、それくらいで妥協しておくことだ。キキョウにとって私たちは友人だろう? 友人に力を貸したいと思うのは当然のことだから」
そーいうこと。だからあんまり気にしてほしくないんだよなー。
「……わかった。いつか必要なときは呼んでくれ」
「もちろん!」
頼るべき時は頼るよ。
「じゃ、あたしは戻るね」
「またな」
「また美味しいもの作ってねー♪」
「楽しみにしておるぞ」
「……」
「……いつでも、待ってるよ」
……おい、女神ふたり……あきれられてるぞ。
取りあえず気を取り直して、神殿に戻った。
「お帰りなさい」
神殿に戻ると、まったりとくつろいでいたらしいマリーに抱きつかれた。
「これからどうなさいますか?」
一緒にお茶をしていた(どうやら詳しい話を聴いてたもよう)大神官のシュンランさんに訊かれた。
「すぐにプレナイトに戻る予定。一月も空けちゃったし、みんなにも会いたいからね」
あそこの人たちって様付けぬかせば、あたしの立場気にしないからスッゴク楽なんだよねー。
「そうですか。そのあとのご予定は?」
「次は水の国へいく予定だ。あそこの特産に興味があるらしくてな」
あたしを見ながらトキワが言う。
「わたしたちも向こうは行ったことが無いから。祭り見物からラピスラズリを楽しむつもりなんです」
知らない土地って、用事なしで行くとなると楽しみだよね。
「キキョウが新しい物を作ってくれるかも知れませんよ」
作ること前提⁉
「それは楽しみです。冷蔵庫も便利に使わせてもらってますし」
……そういえば、このお茶請けって冷凍ミカン?
「果物、凍らせても美味しいですねー」
楽しそう……。
「まあそういうことで、失礼させてもらいます」
あたしたちは、それぞれにシュンランさんに挨拶をして神殿を出た。
「どーする? 歩いてく?」
「今回は黒羽ちゃんにお願いしちゃいましょ」
「そうだね。早めに移動しないと、祭りに間に合わないかも……」
「! それは大変! すぐに行こう!」
祭り不参加なんて冗談じゃないし。
「黒羽」
「ウン。任せて」
そしてあたしたちは、数時間後にはプレナイトに到着してた。
「お帰りなさい」
「キキョウ様、お帰りー」
……町を歩くと、知ってる人、知らない人、みんな挨拶をしてくれた。手を振りながらハンターギルドに向かう。
「お帰りなさいませ」
受付さんも挨拶をしてくれた。
「ギルド長もお待ちです」
とすぐにモエギさんのところへ。
「……無事に帰ってきたか」
心配してくれてたよう。
「おれたちをどうこう出来るモノは少ないからな……」
はい。ハンターの高ランクに手出しするバカはあまりいないし。
「……詳しい報告を聴かせてくれ。なにしろこいつが聴いたのは、新しい食べ物の事ばかりでな……」
ほんとに……。
「……女神様たちって、ほんっと食い意地張ってるから……」
「……そういう情報は、いらなかった……」
ごめん。
「シオン」
「はい」
ということでいつも通りシオンが報告。
あ、おまけでトキワとマリーの予定についても報告。
って、あたしが聖女とか言われたことや、王を振ったことは要んないでしょが!
「……そうか……」
うー。
「それで、これからどうする?」
まーみんな訊くわな。
「2、3日はゆっくり休むつもりだ。そのあとはラピスラズリ、だな」
「……仕事か?」
「いや。キキョウが向こうの特産に興味があるらしくてな」
……取りあえず今年中は、あたしがいきたいとこ付き合ってくれるよう。
「そうか。それなら楽しんでこい。……ついでに土産もたのむ。あの冷蔵庫はかなり役立つ物だしな」
……ここでもそーいう認識……。
「……善処します」
頷いたモエギさんおいて、ギルドを出た。
それから前と同じ宿で歓迎され……って、あれ編みぐるみ?なんかいろいろ応用されつつあるな。
もふもふに癒され、黒羽に拗ねられ、懐かしい味を堪能し、みんなと騒いで……。
そしてあたしたちはまた旅に出る。
今度はのんびりと行けるといいな。
次回、水の国ラピスラズリ。




