神様のお願い
目が覚めたら、朝だった。
どーやら、泣きつかれてそのまま寝ちゃったもよう。
隣ではマリーが添い寝してくれてて、部屋のすみにはトキワとシオンも寝てる。
……あー。思いっきり心配させちゃったなー。
起き上がると、コロンと黒羽が転がってきた。あたしの上で寝てたんか。
「あ、オハヨー、キキョウ」
「おはよ」
あたしは黒羽を撫でてやる。黒羽も気持ち良さげにしてた。
それから目元の腫れを魔術で癒す。とそこでマリーが目をさました。
「……おはよう……ってキキョウちゃん、大丈夫なの⁉」
あー昨日の大泣きが響いてる……。
「うん。納得はしてたし、思いっきり泣いたから、もう平気」
「……そっか」
そういってマリーはまた、そっと抱き締めてくれてくれた。……やっぱり人の体温てほっとするね。とくに今のあたしの状態だと。
「んん……」
声がして見てみると、トキワとシオンも起きたよう。
二人ともあたしを見ると、あわてて駆けよってきた。
「キキョウ、大丈夫?」
シオンの問いにうなずく。うん、もう平気だ。
「3人に話したいことがあるんだ」
「うん、聞くよ!」
「の前に、腹ごしらえだな。夕べっから何も食ってないしな」
……そういえば、お腹へってるかも。
「顔を洗って、朝食を食べて、それからゆっくり話そう?」
うん。
「それなら、ドラゴン肉、シチューにしちゃおっか。シュンランさん達にも振る舞ってさ」
「それもいいかも。美味しいもの食べれば、元気になれるし」
ということで、朝食にしゅっぱーつ。
「……ご馳走さまでした。とても美味しかったです」
うんうん。ドラゴンってほんとにおいしい。ドラゴンのシチューに例のパン屋さんのパンも添えて食べたから、なお美味しかった。
さて。
あたしたち4人とシュンランさん、ヤマブキさんの6人でとった朝食のあと、神様からのお願いを話した。
ちなみにヤマブキさんが一緒なのは、あたしはの専属だからだそーな。神殿関係はヤマブキさん通せばおっけー、ってこと。
「……それでは、キキョウ様は、これからガーネットに向かわれるのですか?」
「そのつもりだけど、問題が?」
シュンランさんとヤマブキさんが顔を見合わせてる。
「……じつは、今、神殿関係者はガーネットには入れないんですよ。入れるのは商人だけ。護衛のハンターであっても通さないというてっていぶりで」
「こちらでもその理由については、調べているところだったのです」
……その理由はおそらく、
「戦争予定と、あのバカ、だな」
あー嫌だなー。
「……そんなにやなやつなのか?」
よっぽどひどい顔してたかな。
「……人の話を聞かない。思い込みが激しい。自分の都合のいいようにとる。ストーカー。ひたっすらうっとおしいったらありゃしない!!!」
あー、取りあえず落ちつけ、あたし。みんなびっくりしちゃってるし。
深呼吸して落ち着いて、もうちょっと説明する。
「黒い髪と瞳、背はちょっと高め、弓道……ああ、弓使いだから姿勢もよかったな。……性格でぜーんぶ台無しだけど」
「髪も瞳も黒い人っているの?」
この世界の人だとそういう認識になるな。
「あたしの故郷だと、それがフツー。あたしみたいな色は実際珍しかったよ」
……みんな不思議そうな顔してんなー。まあ、見たことない以上当然だけど。
「で、問題はガーネットにいく方法」
「それなら、海路を使うのは?あくまで転移門が使えないだけだよね?」
「それなら、おそらくは可能です。充分な準備をする必要もありますね。ヤマブキ、あなたはこれから先、キキョウ様をお守りするように」
「はい」
「いや、別に守られなくても……」
「これも神官としての役割です。魔術避けにでも使ってください」
あー。ヤマブキさん苦笑してるし。
「よろしくお願いしますよ」
「しゃーないな」
ということで、旅の仲間が増えました。
まずはガーネットに向かうための準備と、船の手配かな。
あと1話か2話でガーネットへ。
ガーネット編は残虐な描写が増えるかも知れません。
こころの準備だけはお願いします。
それまではもう少しのんびりといきます。




