↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺のダチは幽霊!?  作者: 読門太一
PR
3/8

疑問と真実

「幽霊……か」


――12時40分――


 導き出された一つの答えによって、午前の授業の内容は全く頭に入らなかった……。気づいたらもう昼食の時間。こんなに時間を早く感じたのは今日の朝ぶりだ。


「おい。なにボーっとしてんのさ」

「え? あ、佑太(ゆうた)か」

「弁当だぞ」

「うん。じゃあ食べよっか」


 その会話をかわきりに俺と佑太は弁当を食べ始めた。


「まだ気がかりなのか? その……日下部水月(くさかべみつき)って人」

「まあね。そのおかげで日本史の確認テストは絶望的な出来だったからな」

「晴彦(はるひこ)、お前本当に誰かとしゃべっていたのか?」

「そう言う佑太は俺の横にだれもいなかったって言うのかよ!」

「いなかった」

「きっぱり言うのね……」


 やっぱり俺がおかしいだけなのかな……。いや、でもちゃんと面と向かって話してたんだ! 間違ってなんて……。


「もし晴彦の口実が合ってるんなら」

「なにさ」

「 ”幽霊” なんじゃね?」


 ”幽霊” ……。

 俺は今日ずっとその言葉で頭がいっぱいだった。

 聞いてみよう。


「幽霊だとしたら、佑太は信じる?」

「俺は信じるぜ」

「!?」

「幽霊は信じないというか信じたくないタイプだが、俺はお前を信じる。お前が体験したんなら幽霊だとしても驚きはしないぜ」


 佑太のしゃべり方は若干きついが、だれにも負けないほどの仲間、いわゆる友達思いだ。俺は今まで佑太のこの性格に幾度となく救われてきたのだ。そう……。


    ――だから、うれしかった――


「うん。なら良かった。ありがとうな、佑太!」

「おう! 早く飯食わねえと授業始まるぞ」

「そうだね」


 大急ぎで食べた弁当はなぜかいつもより旨味が増していた。


――4時00分――


 いつもより早く感じた学校での一日が終了した。俺は簡単に身支度をし終え、教室を出た。

朝のどんよりとした重みはもうなく、反対に清々しい気分だった。下駄箱に収納されている靴に履き替え、温暖な空気が今も漂っている春の風に当たっていた。

 すると後方から聞き慣れのある声が……。


「お~い! ハレヒコく~ん!」

 やっぱり。水月さんだ。ってか……。

「俺の名前は ”ハレヒコ” じゃなくて ”ハルヒコ” !」


 やはり持ち前のジョークでかましてきやがった。さすが水月さん。


「ごめんごめん。ジョークだよー」

 知ってた――

 あ、そうだ。なに普通にしゃべってんだおれは! 違う目的があったろうに! そう、水月さんは人なのか、それとも幽霊なのか……。


 しかし、いいものなのか……?

 俺の中で矛盾が起きた。


 今、いきなり 『幽霊なんですか?』 と聞くのは疑われるし、デリカシーがなさすぎる。考えた結果、デメリットしかない……。ここはいったん様子を見るか。


「水月さん、ちょっと手を貸してくれませんか?」

「え? うん。こう?」


――水月が手を差し伸べす――


「さっ」

「今なんで手を触ったんですか?」

「え?」

 しまったーー! ついやってしまったー! これじゃ様子じゃなくて確認のカテゴリーに入ってしまう! 何とかごまかさねば……。

「これは一種の確認というわけでな。すまなかったな。はっはっは……」


 俺自身の弱点がまた一つ、自分の過(あやま)ちによって暴かれたのであった。


「ふふっ。やっぱり晴彦くんは朝も夕方もおかしな人だね。ふふっ」

 一つのセリフで2回も笑いやがった。恐ろしや……。

「あは……あははは……」

 愛想笑いバレバレだぜ? 俺氏。

「ってそうじゃなくて!」

「?」


 また話がそれていた……。


 さて、どうしようか。これ以上試行錯誤しても意味がない。どうすれば……。そうだ! 今日は確か金曜日。それなら……。

「明日、予定空いてる?」

「空いてるけど。どうかしたの?」

「俺の家来てみない?」

「いいけど……。私を呼んでなにさせる気ですか?」

「誤解だよ誤解! ちょっと話したいことがあるんだ。」

「はなし?」

「そう。は・な・し・!」

「そこまで言うなら行きます。晴彦くんの家も気になるし!」

 正直、嫌な予感しかしない……。 でも、今の状況からすると妥当な判断だったであろう。明日で決着をつけてやる!


――日下部水月は 『何者』 なのかを――





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。