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見えない魔王——歪みきった征服ゲーム  作者: 純白
【第二部】 第四十一章——暗黒時代
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369 家の中の見知らぬ客

敗戦後、影響を受けるのはPVPプレイヤーだけなのか?

照りつける真昼の日差しの下、一頭の毒尾豹が森の川辺に寝そべり、涼みながら深緑色の尾で魚を釣っていた。


パン、パンッ! 突然、二発の銃弾が毒尾豹の左脚を撃ち抜いた。


「ははっ! 当たった――何だ?!」

ドイツ人プレイヤーの一人が興奮して叫んだ次の瞬間、毒尾豹は痛みに耐えながら狙撃手の目の前まで突進し、大きく口を開けて噛みつこうとした。


そこへ大剣が振り下ろされ、間一髪で毒尾豹の首を斬り落とした。


【レベルアップ!】

【システムメッセージ:ポイントを割り振ってください】


ちょうどレベルアップした女の狙撃手は、慌ててポイントを割り振った。


「ふう……ここは前のサーバーよりずっと快適だな。少なくとも、恐ろしい火炎ゴキブリの群れはいない」狂戦士の男は毒尾豹から大剣を引き抜き、汗を拭いながら笑った。


「原住民もいないけどね……人を殺したいなあ」狙撃手はため息をついた。


二人は豹を解体して戦利品を回収すると、川沿いに森を歩き回り、レベル上げを続けた。


「そんなに戦いたがりなのに、どうして軍に入らないんだ?」狂戦士は大剣で草を薙ぎ払いながら尋ねた。


「入隊訓練が本物の軍事訓練と変わらないのよ。特に狙撃班は恐ろしいわ。最終試験は実弾で行われるから、死亡率も高い。お断りよ」狙撃手は嫌そうに答えた。


「だが、うちの軍が鍛えられているからこそ、新世界にも拠点を築けた。神宮を一つ占領したとも聞いたぞ!」狂戦士は興奮して言った。


「神宮って何よ? どうして新世界の情報を知ってるの? 根も葉もない話を広めないでよ」

狙撃手は森の気配を探りながら、鼻で笑った。


「実は、酒場で聞いただけなんだ……へへ」狂戦士は苦笑した。


「お二人とも、こんにちは」ドイツ軍の巡回兵が二人が突然木の陰から現れ、彼らを驚かせた。


「こんにちは。びっくりしたな……」狂戦士は胸を押さえながら笑った。


「気をつけろ。この近くで原住民が、俺たちのサーバーのプレイヤーを狩っている」巡回隊員が忠告した。


「ありがとう……分かった」

二人は巡回隊員たちと別れると、すぐに教皇都市へ向けて帰路についた。


…


二人は小さな岩壁をよじ登り、川を渡ったところで、前方の密林が異様なほど静まり返っていることに気づいた。


鳥のさえずりも虫の鳴き声も消え、聞こえるのはさらさらと流れる水音だけだった。


狙撃手はすぐさま無人偵察機を飛ばした。機体が樹冠を抜けて上空へ出ると、大木の枝に一人のプレイヤーが身を潜めているのが見えた。


「待って! 怪しい奴がいる!」


狙撃手は無人偵察機をそのプレイヤーの背後へ回し、映像を拡大した――その瞬間、相手が突然振り返り、カメラに向かって微笑んだ。


「気づかれた?!」

狙撃手が驚いて無人偵察機から送られてくる映像を切り、狙撃銃を構えた瞬間、背後で突然、川面から大きな水しぶきが上がった。


二人は即座に振り返ったが、そこには誰の姿もなかった。


そのとき、すぐそばの木陰から金髪に銀色の服をまとった女性プレイヤーが現れた――紛れもなく本サーバーのプレイヤーだった!


「私が足止めする! あなたは側面から回り込んで!」


狙撃手はハンドガンに持ち替え、金髪の女が身を隠した木へ向けて撃ち続けた。


「くたばれ!!」


狂戦士はすぐさま木の裏へ突進しだが、木の裏で待ち構えていたのは、どれも同じ顔をした十数人もの女性だった。


「幻術師……まずい! 罠だ――!」狂戦士が驚いて振り返ると、狙撃手の首はすでに一人の夢葬者によって斬り落とされていた。


「これが……芸術だ」夢葬者は笑った。


近くにいた金髪の女の鏡体が突然、狂戦士をがっちりとつかみ、紫色の光を放った――ドォンッ!


爆煙が晴れると、辺りには無残な光景が広がっていた。本サーバー側のプレイヤー二人はゆっくりと歩み寄り、ドイツ人プレイヤーたちの死体と装備を調べ始めた。


「ドイツ軍に所属していないプレイヤーなら、戦闘力は私たちと大差ありません。ただ、私たちよりずっとPVPに慣れているのは確かですね」カミコは眉をひそめた。


「でも、あの人を倒すために30%の鏡体を使って自爆させる必要はなかったんじゃない? 相手はただの狂戦士だったんだし」松美は苦笑しながら尋ねた。


「それは間違いです。狂戦士の主流ビルドには、筋力型、敏捷型、体質型の三つがあります。もし相手が体質型で、私が一撃で倒せなければ、仲間のもとへ転送されると、厄介なことになります」カミコは答えた。


自分たちの故郷だったはずの森を、今では見知らぬドイツ人たちが我が物顔で歩いている。


二人がドイツ人プレイヤーのドロップ品を調べると、大量の役に立たないアイテムが見つかった。


「あっ、あった! ドイツ本国サーバーの発展ぶりって……こんなに凄まじいの?!」松美は興奮した。狂戦士の鞄からドイツ本国サーバーの地図を見つけたのだ。そこには、数え切れないほどの建物がびっしりと描き込まれていた!


「おそらく、すでに完全な工業化を遂げています。大聖堂を中心に環状道路を設け、そこから四大王都へ道を延ばしている。複雑に見えて、きちんと秩序立っています。北側にある広大な植物の印は……農地でしょうか?」カミコはドイツサーバー内部の構造を読み解こうとした。


「うわ……こんなに農地があったら、食料なんてただ同然じゃない?!」松美は驚いた。


「このサーバーの人口を養うだけなら、その推測は正しいでしょう。ですが、ドイツ人プレイヤーは食料によってこちらの行動力を制限している以上、食料管理の経験があるはずです。これほど広大な農地は、おそらく新世界の人口を養うためのものでしょう」カミコはそう推測した。


「じゃあ、東側にある箱型の建物は武器庫かな? 南側を開発していないのは、プレイヤーがレベル上げできるようにするため。西側のグズ城は…………」松美は地図上にびっしりと描かれた小さなテントの印を見つめたが、その意味までは分からなかった。


「よく見てください、松美。グズ城は道路網の内側にありますが、ここだけ細い線で囲まれています。おそらく、塹壕と鉄条網による防衛線でしょう」カミコは雪のように白い指を伸ばし、グズ城の周囲をなぞった。


カミコが松美のそばに身を寄せると、少女らしい甘い香りが漂った。松美はたまらず、その頬にそっと口づけた。


「ということは……このテントは兵営かな?」


カミコは恥ずかしそうにうなずいた。


「初心者はレベルが上がれば、道路網の外でレベル上げができる。でも、活動できる範囲もモンスターの数も少ない。だから、これほど多くのドイツ人プレイヤーが別のサーバーでレベル上げをしているんだね」松美は、なぜ大勢の実力に劣るドイツ人プレイヤーが本サーバーへ乗り込んできたのか、ようやく理解した。


「それに加えて、これは第四帝国の計画の一つでもあるのでしょう。初心者を危険な環境に無理やり適応させるためのものです」カミコは言った。


「待って……ドイツ人プレイヤーが来た」松美はすぐにしゃがみ込んだ。


「戻りましょう。これ以上、人を引き寄せてしまわないように」カミコが提案した。


「うん、ちょっと待って……」松美は地面に散らばった装備をかき回し、周囲に残った二人の足跡を乱した。


二人はすぐにその場を離れ、誰にも気づかれなかった。


「どうして、わざわざあんなことをしたんですか?」カミコは不思議そうに尋ねた。


「現場を荒らして、私たちの足跡も消しておいた。あの二人が復活して報告するまでなら、少しは時間を稼げるよ」松美は手慣れた様子で笑って答えた。


「松美……」カミコは感心したような目で松美を見つめた。


「私、すごいでしょ?」松美は大笑いした。


「でも、地図を盗んできましたよね。地図を写真に撮ってから元の場所へ戻せばよかったんじゃないですか?」カミコは笑った。


「あっ……じゃあ……戻したほうがいいかな……」松美は急に足を止め、手にした地図を見つめた。


「もう遅いです。早く行きましょう。おバカさん、大好きです!」カミコが笑い、二人は手をつないで立ち去った。

…



新世界とは一体何なのか……

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